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03370 建築計画学Ⅰ


難易度:★★

おすすめ度:★★★★

レポートを始めて書く人、建築初心者におすすめの教科です。なぜなら、レポートの記述の自由度が高いからです。設問課題の自由度も高いです。

掛かった時間:レポート…14時間、設問…24時間

正直時間掛かりすぎです。1日で終わるひともいると思います。私は、入学して初めに取り組んだ課題だった+建築初心者+レポート書くのも久しぶり、という三つ巴で手探り状態だったため、こんなに時間が掛かってしまいました。

先生

すごく丁寧に添削してくれます。

教材

  • 教科書:〇 教科書に添った内容が問われるので購入をおすすめします

  • その他書籍:〇 レポートで取り上げる建築の書籍は購入した方がレポートが書きやすいと思う

  • ネットの使用:〇 可

課題内容

・第1課題
テキスト中に記載のある住宅の事例を1つ取り上げ、掲載頁(ページ)を記し、
①選んだ理由
②それが計画された背景
③計画された手がかりとなったもの
④設計にどう活かされたのか
についてまとめ、①④については自分の考えを述べよ。

・第2課題 
テキスト中に記載のある集合住宅の事例を1つ取り上げ、掲載頁(ページ)を記し、
①選んだ理由
②採用された計画方式とその理由
③計画された手がかりとなったもの
④設計にどう活かされたのか
についてまとめ、①④については自分の考えを述べよ。

講評

・サヴォア邸
良いレポートになっていると感じました。この建物が建設された背景としては、19世紀のヨーロッパにおける社会構造の急激な変化と、建築の構造体として鉄筋コンクリートが使われることが普及していったという点が非常に重要です。コルビュジェは、こういった背景を基に「新しい時代の建築」を設計するならそれはどういったものになるのかということを、常に考えていた建築家でした。
本建物の歴史を調べてみると、この建物が「住宅」として使われていた期間は1931~1940の約9年間しかなかったことがわかります。そのためこの建物は、いわゆる人が住まうための「住宅」というよりも、『近代建築史の中で、ル・コルビュジェという建築家が提唱した建築理論とその実践としての立体構成物』という観点で見た方が、そのユニークさ、特別さが伝わりやすい建物なのだと思います。レポートにも書いてある通り、この建物はコルビュジェが提唱した「近代建築の5原則」という項目を体現した建物としても良く知られていますが、これらの要素については、現代的な観点から見るとその特別さや意義をわかりやすく見出すことが難しく感じられるかもしれません。同時代のフランスで建設された建物などと比較してみることで、本建物が1931年のフランスにおいていかに異彩を放っていたか(近代的な理念のもとに設計された建物が、それまでの建物とどれだけ大きく異なっていたのか)を理解することができるでしょう。

・六甲の集合住宅
こちらも良い事例を取り上げていただいたと思います。六甲の集合住宅は安藤忠雄の代表作の一つであり、プロジェクトも83年に竣工した第一期から93年竣工の第二期、またそれ以降も隣接地に建物が増えていくという形をとっており、きわめて大規模なプロジェクトです。中でもやはり重要なのはレポートで取り上げていただいている第一期のプロジェクトであり、レポート中にも記述がある通り、そもそもクライアントが想定していたゆるやかな敷地ではなく、「あえて」急斜面の崖地を敷地とすることで、結果的にこの建物の形態を特徴づける階段状の集合住宅が設計されました。全体の計画の中で、プランの中央に配置された階段が重要な役割を果たしています。このような、難しい敷地であればあるほど、建築家の果たす役割は大きくなると言えるでしょう。
ちなみに、斜面地が多い日本において、こういった地形を利用した集合住宅は日本国内でも様々な建築家によって試行錯誤が行われており、他にも様々な名作があります。以下に事例を記しておきますので、興味があるようでしたら調べてみてください。
・桜台コートヴィレッジ/内井昭蔵/1970
・パサディナハイツ/菊竹清訓/1975

結果

95点でした。うれしい!

ひとこと

入学前のネット情報で、愛産大のレポートは「先生のFBが一言」「口調が厳しい」「頭ごなしに否定してくる」などマイナスな意見を多く見かけ、あまり期待せず提出した初めてのレポートでした。でも先生からのFBはとても丁寧で、心が躍ったのを覚えています。今後の課題の良いモチベーションになりました!

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