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【建築構造】トラス構造ってなに?
こんばんは、ひろです
トラス構造とは大スパンの建築物をつくる際によく採用される構造のことで、スタジアムや橋、駅などでよく見られます!
今回は、トラス構造がどういったものなのかについて説明していきたいと思います!
また、トラス構造とラーメン構造の違いについても触れていこうと思います。
トラス構造とは?
トラス構造とは部材同士を三角形に組み合わせて、その三角形をさらに組み合わせて形成される構造のことです。
また、部材同士の節点がピン接合であることも特徴です!
なぜ、部材同士を組み合わせて三角形を構成するのかというと、
「三角形」のほうが「四角形」に比べて、変形しづらく強度が高いため、
構造的に「強い」からです。
下図のように四角形は押すと簡単に平行四辺形になってしまいます。
しかし、三角形はなかなか変形しません!
これは、四角形が長さを保ったまま角度を変化させることができるのに対して、三角形は長さを保ったまま角度を変化させることができないからです!
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さらに、トラス構造の節点はすべてピン接合のため、自由に回転することができます。なので、曲げモーメントが生じません!もっと言えば、曲げモーメントが生じないためせん断力も生じません!
つまり、トラス構造には軸力しか作用しません!
軸力は部材方向にしか働かないため、構造的に非常に安定している状態になります!
これらの特徴により、写真のようなスタジアムや橋、駅といった大規模構造によく用いられます!
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トラス構造のメリット
メリット① 強度が高い
トラス構造は非常に強度が高いことが特徴です!
トラス構造は四角形に比べて、構造的に安定している三角形の組み合わせによって構成されています。
また、節点がピン接合のため曲げモーメントが生じず、軸力しか作用しないため部材に曲げ変形は生じません!
メリット② 細い材でも構成できる
トラス構造は細い部材で構造物を構成できることも特徴です!
トラス構造には、軸力しか作用しません!
なので、同じ大きさの部材でも曲げモーメントが生じるような部材に比べて負担が小さいため断面を小さくすることができます!
また、断面を小さくすることができるため、構造物全体の軽量化にもつながります。
メリット③ 高いデザイン性
トラス構造はデザイン性の高い建物を構成できることも特徴です!
先に紹介したとおり、トラス構造は細い部材で構造物を構成することができるため、軽やかな見た目のデザイン性の高い構造物を構成できます。
さらに、アーチ状の構造物も構成することができるため、より魅力的な空間をつくり出すことができます!
メリット④ 大規模空間の構成に向いている
トラス構造は大規模空間の構成に向いていることも特徴です!
トラス構造は構造的に非常に安定しており、さらにアーチなどの曲線も構成することができるためダイナミックな空間を構成することができます!
そのため、スタジアムやドームなどの屋根構造にも適しており、さまざまな大規模空間建築に採用されています。
トラス構造のデメリット
トラス構造にはたくさんのメリットがありますが、デメリットも存在しています。
デメリット① 施工に手間がかかる
トラス構造のデメリットが何かと考えたときに、まず最初に挙げられるのは「施工に手間がかかること」でしょう。
トラス構造は上弦材、下弦材、束材、斜材の4つの部材によって構成されています。これらが接合部であらゆる方向から交わることになるため、接合部はどうしても複雑になってしまいます…
そのため、どうしても施工に手間がかかってしまいます。
デメリット② 一般的な建物には適用できない
トラス構造は高さを出すことで、各部材に生じる応力を小さくしています。
その性質上、どうしても梁せいが大きくなってしまいます…
そのため、階高に制約がある一般的な建物でトラス構造を採用することはできません。
トラス構造とラーメン構造との違い
トラス構造とラーメン構造は真逆の構造形式といっても良いでしょう。
トラス構造が三角形の組み合わせでピン接合なのに対して、ラーメン構造は四角形で剛接合です!
四角形は構造的には安定した形状ではありませんが、節点を剛接合にして柱と梁を一体化させることで、立派な強度を持つ構造になっています!
また、ラーメン構造は斜材を必要としないため空間を広く使うことができます!さらに、階高の制約のある一般的な建物にも適用できるため、多くの建物で採用されています。
まとめ
今回は、トラス構造について解説していきました。
トラス構造の仕組みやその特徴が少しでも分かってもらえたら嬉しいです!
トラス構造の応力の求め方については、別の機会にも例題を通して解説しようかと思っています。
このnoteでは、建築・建築学生の生活についてなるべくわかりやすい情報を提供していきます!
こんな内容について、書いてほしいといった要望があったらぜひコメントお願いします。
ではまた
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