AWSの都市デジタルツイン、ChatGPTでLinux、新言語「スライム語」の話(コンワダさん63週目)
こんにちは、株式会社アーキロイドのコンワダです。今週も社内で話題になった事例(コンワダさん)からいくつかをご紹介します。バックナンバーはこちら。
アマゾン、都市を丸ごと再現するデジタルツイン「AWS SimSpace Weaver」発表
Amazon Web Services(AWS)は、現実の都市の規模で何百万ものオブジェクトが相互に連携する、大規模な3Dシミュレーションのためのクラウド演算サービス「AWS SimSpace Weaver」を発表しました。ロンドンやロサンゼルスなど大都市における交通渋滞の改善、住宅計画の影響、自然災害時の対策などをシミュレーションで評価するために、人間、車、鉄道、橋、建物等が配置され、相互に影響し合います。
従来の3Dエンジンの演算機能は単一のコンピューターでの動作を前提に作られており、都市規模でのシミュレーションでは対象を小さくしたり、ユーザー自身が複雑な演算プログラムを開発する必要がありました。「AWS SimSpace Weaver」では、シミュレーションする都市の領域を区切って、その区分ごとにAWSのE2Cインスタンスに分散して処理を行うことで、大規模な範囲で複雑なシミュレーションが可能になりました。今後はUnreal Engine 5とUnity向けのプラグインと、C++向けのSDKも整備されるとのことです。(動作の様子は下の動画を参照)。
この連載「コンワダさん」ではこれまでもデジタルツインやミラーワールドに関する事例を何度か取り上げてきましたが、とうとうAWSもこの領域で存在感を発揮してきました。これまでもいかに精緻な都市が作られかとか、1時間毎に都市のデータを作り変えることができてよりリアルタイムだとか、目立つニュースはたくさんありました。一方で都市のデジタルツインがリアルワールドに一番の効力を発すると思われる、交通や災害、都市計画のシミュレーション、とりわけ大規模な都市のシミュレーションの実用性についてはあまりビッグニュースは有りませんでした。ここに来て、AWSの、クラウドコンピューティングの真価発揮、という感がありますね。使用できるようになったら色々試してみたいものです。
ChatGPTの事例たち
先週のコンワダさんで紹介したChatGPTですが、1週間を経て様々なユースケースがネット上に出てきました。MidjourneyやStable Diffusionが登場した直後の盛り上がりと共通するところがありますね。いずれも誰でも使える汎用的なAIですので、手軽に思いつきで色々できるのが良いですね。中にはかなり専門的な使い方をトライしている例もありますので、ザーッと紹介したいと思います。
異世界転生小説を作る際のポイントを教示(ChatGPT)
編集者、もとい小説家をも超えていくのでしょうか…。
「仮想世界のインターネット」への接続に成功、仮想世界のニュースを垣間見ることが可能に(ChatGPT)
ChatGPTにLinuxターミナルになるように指示を出し、Yahoo!ニュースにアクセスした事例です。札幌で大雪のニュースが報じられていたそう。これはChatGPTがLinuxに”なりきっている”、”演じている”状態ですので、表示されるYahoo!ニュースは適当なわけです。オチが付きで完璧ですね。
これを入力した「ヘリコプター・下痢さん@helicopter_geri」さん(すごい名前だな)も、よくこんなことを思いつくなという発想力に感心してしまいました。実はきっかけとなった記事があるそうで、それが次の事例です。
ChatGPT内部に仮想マシンを作成、内部に仮想インターネットが存在、ChatGPTが想像したインターネット内にもChatGPTが存在
元記事▶ https://www.engraved.blog/building-a-virtual-machine-inside/
本項目の見出しをつける際、記事のタイトルを要約しようとトライしましたが、それでもこの長さで、しかも「何を言っているんだ?」感が拭いきれません。リンクから記事を読んでいただくのが一番良いのですが、なかなの文量がありますので、写真を引用して一部分を紹介します。
~~~中略~~~
この事例を見た「ヘリコプター・下痢さん@helicopter_geri」さんが、ChatGPTの仮想インターネット内にあるYahoo!ニュースにアクセスしたのが上項の事例というわけです。
先週取り上げた事例では、プログラムを書かせたり、コードレビューをさせたりと言ったものが有りました。これも多くの驚きを呼んでいましたが、確かに自然言語に比べれば人工言語のほうが単純なはずですよね。Linuxターミナルでの応答というのも、一種の言語による会話と捉えれば不思議ではありません。つまり日本語話者になりきって話しているように、ただ”Linux話者”として振る舞っているだけという理解もできます。ChatGPTからすれば、自然言語も人工言語も同じ言語にすぎなくて等しく扱えてしまう。まさに”超越的”ですね。
もしかしたらもっと深く(コンピューターで言うところの低級な)実際に仮想のLinux環境が立ち上がっていて、何をやっても実際のLinuxと寸分たがわぬ挙動をするのか。真にLinuxかどうかを判定する逆チューリングテストをやってみたら面白いかもしれません。
対話AI「ChatGPT」を使って未知の言語「スライム語」を発明するという試み
上項で言語について言及したので、今度はChatGPTと言語を発明する事例です。Dylan Black氏がChatGPTと「スライム語(Glorp)」を生み出しました。スライム語の一般名詞、一般動詞、対格・属格・具格の語尾設定を作り上げ、完成した「スライムが食べ物を見ている」の文章が下記です。制作の過程は是非記事をご覧ください。
日本語「スライムが食べ物を見ている」
英語「The slime sees the food.」
スライム語「Gloop glog slopa」
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。ChatGPT盛り上がっていますね。私もふと思い立ったら色々と打ち込んで見ていますがやはり面白い。画像生成AIについてもだいぶ盛り上がりましたが、今回もおそらくむこう2ヶ月はお祭り状態ですね。
事例が盛りだくさんだったので上では取り上げませんでしたが、プログラマがWebアプリの開発を想定してChatGPTと要件定義や実装をするブログを公開していました。仕事で使ってみようかな。とはいえしれっと嘘もつくらしいので要注意です笑
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