建築設計のためのクラウドサービス『DDDDbox』、アリのコロニーをブラウザで眺められるシミュレーター「Ants Sandbox」な話(コンワダさん44週目)
こんにちは、株式会社アーキロイドの亀岡です。今週も社内で話題になった事例(コンワダさん)からいくつかをご紹介します。バックナンバーはこちら。
事例1:建築設計のためのクラウドサービス『DDDDbox』
―――概要
株式会社AMDlabが建築設計のための様々な機能をWeb上で使えるクラウドサービス『DDDDbox』を提供すると発表。DDDDboxとは「Data Driven Design Development box」の略称で、データを中心とした建築設計を実施することをコンセプトとして掲げています。
具体的なサービスの特徴は3つです。「1. 整理されたデータによる業務の効率化」設計業務で生じるデータをDDDDboxが整理することで検索性があがり業務の効率化に繋がります。「2. WebBIM」Web上で動作するBIMの提供です。複数人による共同編集やオフライン編集も可能「3. 建築設計に特化した様々な4Dアプリ」設計業務に必要なアプリ(建物カルテ、タスク・スケジュール管理、WebBIM、構造解析、環境シミュレーション、申請支援など)が使用可能。
正式リリース前の一部ユーザーに先行して提供するアーリーアクセス方式で今年11月から開始予定。
―――この事例について
今年度から一般土木と鋼橋上部の大規模構造物を対象にすべての工事でBIM/CIMが原則適用となりました。また、国交省は23年度以降のロードマップでも、受発注者が誰でもアクセス可能なプラットフォームの構築を提示しています。以前コンワダさんでも、大手スーパーゼネコンの竹中工務店が営業から設計施工維持管理までの一切のデータをAWSのクラウド環境へ移行することを発表した事例は記憶に新しいかと思います。
BIM化やクラウドによるデータ管理・利活用は、今まさに国や大企業をはじめとしたあらゆる場で活発化しているテーマです。今回の事例は、正にそうしたテーマに真っ向から取り組んでいくサービスともいえます。気になるサービスの中身は、現在アーリーアクセスユーザーの応募受付中とのことで見られませんが、今後のリリースなどウォッチしていきたいと思います!
事例2:アリのコロニーをブラウザで眺められるシミュレーター「Ants Sandbox」
―――概要
蟻コロニー最適化を実際にシミュレートしてながめることができる「Ants Sandbox」が登場しました。
蟻はエサを見つけるとフェロモンの跡をつけながらコロニー(巣)へ戻る習性があります。他の蟻がその経路を見つけ跡を辿り、同様にエサを見つけるとフェロモンを強化して戻ります。フェロモンは時間が経つと蒸発する性質がある為、コロニーからエサまでの距離が遠いほど薄くなり、近いほど濃くなります。フェロモン濃度が濃い程、他の蟻が辿る可能性が高くなり、結果的にコロニーからエサまでの最短経路が残る。蟻コロニー最適化とは、そうしたフェロモン(正のフィードバック効果)によって結局すべてのアリが1つの経路を辿る性質からヒントを得てつくられたアルゴリズムです。
このシミュレーターでは、各コロニー毎に様々なパラメータ(コロニーの数、位置、エサの量、働きアリ兵隊アリの数、アリの性質)を変更することができます。各パラメータの詳細や違うコロニーの蟻がバッティングした時などの様子はこちらの記事で見ることが出来ます。
―――この事例について
前回のコンワダさんでは、粘菌の動きを数式化した事例を取り上げました。今回も引き続き、生物の動きについての事例です。古くから生物の構造や機能を分析して新たな技術開発に活かす手法としてバイオミメティクスが挙げられますが、単に生物のかたちや行動を模するのではなく、前回や今回の事例のように数式化することはとても重要です。数式化すなわち物事を一般化することで、他の色々な物事に敷衍させたり、昇華することができるようになります。
ちょうど先日テレビで、ダンゴムシの習性(分岐点が連続すると、右を曲がったら次は左、左に曲がったら次は右と左右交互に高確率で曲がる習性)を使って迷路を解かす映像が流れていました。粘菌や蟻に限らずそれぞれの生物が、色々な習性や手段で生き残ってきていて、そうした動きが少しずつ解明されていくのはやはりワクワクしますね。
継続ウォッチ事例:「NESTING」「ROOV」新機能、続々アップデート
その1:「NESTING」
以前コンワダさんで取り上げた「NESTING」が新機能をアップデートしました。モデルのサイズ変更と窓などの建具変更が行える機能が追加されています!建具を変更するとちゃんと積算にも反映されます!
その2:「ROOV」
以前コンワダさんで取り上げた「ROOV」が新機能をチラ見せです!VRモードのキャプチャ・書き込み機能でしょうか。正式リリースが楽しみですね。引き続きウォッチして参りたいと思います!
おまけ:猫好きの、猫好きによる、猫好きのためのゲーム「Stray」
野良猫が家族とはぐれ、廃れたサイバーシティに迷い込み冒険するゲーム。猫の理解度高すぎと巷を賑わせてますが、わたしたちも早速遊んでみました!猫の所作、芸細です。
まとめ
今週も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。新機能追加の事例紹介が多い回となりました。アーキロイドも日々開発中です。次回アップデートをお楽しみに頂ければ幸いです。それでは、良い休日をお過ごし下さい。
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