住宅を自由に設計したくなるサービスを作りたい話(コンワダさん18週目)
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
新年のご挨拶とともに始まりました2022年1本目のコンワダさんです。このnoteでは「今週、社内で話題になった事例(コンワダさん)」をお届けしています。バックナンバーはこちら。
はじめに「間取りを考える、かたちを考える」
仕事初めの今週。社内ディスカッションのトピックの中心は、住宅をWEBブラウザ(以下、WEB)で設計することについてでした。住宅を設計するのは専門家(設計者)の領分でしたが、当社はそれをなんとか一般に開きたいと考えています。ここ数日は、過去に社内で話していた事例を掘り起こすことも多かったのでその一部を紹介したいと思います。
1.WEBで間取りや内装を考える
内装を中心に、自身の実現したいデザインを形にするためのツールたちです。CADに近い高度なものから、写真撮影をベースとした簡単なものまで。
Planner 5D
Planner 5Dはリトアニア初の設計ツールです。専門家ではない人が簡単なツールで将来の住まいをイメージできるように、このプロジェクトを立ち上げました。誰もが、代理店に依頼する手段や誰に依頼するかを調査する時間を十分に持っているわけではありません。公式サイトに拠ると6400万人のユーザーと、3億件以上のインテリアデザインプロジェクトを作ってきたそうです。Planner 5DのYoutubeチャンネルには、映画やドラマに登場する有名な家をPlanner 5Dで再現する再生リストがあります。当社もnote企画で、名作アニメの家をarchiroid.comで再現するnoteを投稿していますのでぜひご覧ください。
マイホームクラウド(webcad.)
こちらは日本のメーカーが提供しているWEB上で住宅設計が可能なCADツール。2Dの入力と3Dのモデルをサクサク行き来できて、自分の入力がどのように立ち上がるかを即時に把握できます。
その他
2.建てるられる仕組み
実際に建設できる、意匠・構法が定まっているツールもあります。いずれも企画の中に建築家がいます。
Nesting
本連載のコンワダさん9でも取り上げた、VUILD株式会社の運営するサービス『Nesting』。先日実棟が竣工したというニュースもありました。
House Maker
siroが開発したアプリ。建築家吉村靖孝氏のデザインをベースに、SE構法の木造の家を簡単にデザインできます。筆者も、六本木のMakeHouse展で展示されていたときに、実際に触れてみました。こちらは公開されているアプリケーションではありません。
NSKR
archiroid.com
3.都市をつくる
建築と都市は切り離すことのできない関係にあります。都市を題材にしたゲームはたくさんあります。ここに上げたのはほんの一部。
SimCityシリーズ
もはや説明不要の都市経営シミュレーションゲーム。未開地を開発しながら、用途地域、インフラを整備し、治安や災害にも目を配らなければいけません。その歴史は古く1989年にリリースされたそうです。筆者は1年ほど前、スマホ版SIMCITY BUILDITに少しハマりました。小学生の時に父の携帯電話を借りてプレイしていたのでエモかったぁ。なお携帯版は2002年リリース。
Townscaper
街を生成するゲームです。筆者はPCで遊んでいますが、最近Nintendo Switch版もリリースされました。誰でも簡単にそれっぽい街を作れるのですが、極める人はやはりすごくてMinecraftのように作り込み勢が結構います。アーキロイド社内でも大流行しました。Twitterで検索すると山ほど出てきますので是非。(「townscaper」Twitter検索リンク)
Block'hood
こちらも一時社内でハマっていたゲームです。公式の説明が素敵だったので日本語訳を下記に記します。
その他都市シミュレーション系
4.もっと自由に形を作る
これからの「かたちの作り方」はツールも変わってくる(VR)し、メディアも変わってくる(ゲーム)可能性もあります。
まとめ「住宅を自由に設計したくなるサービスを作りたい話」
先週のコンワダさんは2021年最後ということで、当社のサービスarchiroid.comを取り上げました。
上記noteでも紹介したように、archiroid.comには、誰でも自由に住宅の間取りを設計できる「メイクモード」機能があります。当社がこの機能で提供したいのは、単なる間取り作成アプリではありません。素人でもarchiroid.comを使えば「プロに頼らなくても現実に建設可能な住宅を自由に設計できる環境」を提供することです。そのために、メイクモードの裏側では間取りの編集と同時に建築部材が計算されていたり、動線が成立しているか、法規を満たしているかなどを計算し、不適合箇所が指示されます。そのまま建てるための仕組みです。今後は、開発中の構造計算や、温熱環境の評価も表示していきたいと考えています。
本noteではゲームを含めて様々な事例を紹介しました。「自由に設計”できる”環境」を用意することよりももっと大事で難しいのは、「自由に設計”したくなる”環境」を用意することです。もちろん、前者の計算エンジンが整備されていないと、絵に描いた餅ならぬ"WEBで書いた家"になってしまいますが、UI/UXが魅力的でないと使ってもらえないのもまた明白です。当社としてはどちらから興味を持っていただいても大歓迎です。UIが魅力的であれば、archiroid.comで楽しんでいるうちに家が欲しくなる、という方も出てくるかもしれません。いま小学生くらいのお子さんがこのサービスを使っておとなになったときに建てたい家を作るかもしれません。日々のいろいろなところからインスピレーションをもらいながら、UIを魅力的なものにしていきたいと思います。新たなUXとしては、archiroid.comで設計した家の図面データのダウンロード、グッズの販売などを目下検討中です。こちらも楽しみにお待ちいただければ幸いです。
本連載は、毎回フォーマットを試行錯誤しながらここまで続けてきておりますが、今回は一段と変わりました。ここ数回は少数事例を深堀りする傾向があっただけに、多数事例を貼ってほとんど言及しないスタイルは、継続して読んでいる方は驚かれたかもしれません。都合よく、フォーマット不在というフォーマットとでも言っておきましょう。仕事初めから日数が少なくて、いつものように様々な領域の事例を集められなかったなんて言うわけではありませんよ。是非「スキ♡」を押して言ってください。それではまた来週。
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