見出し画像

講演会「日本近代の住宅にみられる設計基準寸法について」−2

こんにちは!アーキロイドの福井です。
あっという間に時間が経ってしまいましたが、「日本近代の住宅にみられる設計基準寸法について」の講演会の一部を共有の2。

みなさん、「江戸間(エドマ)・田舎間」「京間(キョウマ)」って聞いたことありますか?
見ることが多いのは、「京間」のお茶室かなと思います。
下の比較表を見てもらうと、江戸間と京間で間取りが同じなのに面積が違う…!!
(京間の方が大きい)

江戸間は柱の間隔(上図では909㎜ピッチ)から部屋の大きさが決まるので、柱の太さによって畳の大きさが変わるのですが、京間畳の大きさは一定(1909㎜×954㎜)でプランができている。

大きく分けると西と東で、基準となる寸法が違うのだ。
大手ハウスメーカーなどの全国規格化された家が多くなっているが、講演会で40年前の基準寸法分布図を見ると、東西でしっかり分かれているから、まだまだその文化も残っているのかも!(ちょっと嬉しい)

今回は、清水建設が清水組だった頃の明治の住宅を見ていった。
一つの家の中で、生活空間と接客空間が分けられ、基準寸法が違うのだ。

江戸時代は封建制の表現として基準寸法が違ったかもしれないが、明治に入り建築表現の意匠として発展させる基準寸法システムにかなり力を入れて取り組んでいたのではないか。戦争でバッサリと歴史が途絶えてしまったのが悲しい。

一つの家の中に違う基準寸法があると、こんな不思議な隙間ができちゃっている家もあった…なんて、笑い話も交えて講演会はとても有意義だった。

戦前までの柱の太さの規格化をしない設計手法に、感動した。
それは、空間のボリュームや質へのこだわり、感覚の鋭さが成熟していたんだろうな〜。なんてパラレルワールドを想像してしまう。福井


『福井典子の家』ーあたりまえを磨く滋味深い家ー
のWEBサイトを公開しております。ぜひご覧ください。
設計のご相談・ご依頼お待ちしております。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?