中国の節句・祝日を総まとめ!中国社会での意義や背景もチェック
日本には四季折々さまざまな祝日や祭日があります。中国でも、日本とは若干形が違っている部分はありますが、季節の節句に合わせてお祝いごとをしたり家族だんらんを楽しんだりする習慣があります。
ここでは、中国で有名な節句やその意義や背景について学ぶとともに、関連する単語を使った中国語例文もいくつか併せて見ていきましょう。
春の節句・祝日
元旦(yuándàn):毎年1月1日
日本でもおなじみの「元日」、日本では三賀日が基本のお休みとなりますが、中国では、12月31日まで普通に仕事し、1日のみが休みということも珍しくありません。
春节(chūnjié):毎年1月下旬から2月中旬にかけての3日間(変動)
中国人にとって本当の意味でのお正月「春節」、日本では「旧正月」と言ったほうが分かりやすいでしょうか。大都市に出稼ぎに来ている地方出身の中国人からすれば、故郷への里帰りでお土産を持って帰るためにその意義が大きく、よく言う中国版「民族大移動」が起きるのがこの時期となります。
また、中国の製造業の多くで、地方出身者が製造スタッフとして従事していることもあり、春節前に出荷を急ぐためにフル稼働で生産を進めます。そして、早めに在庫を確保することで、製造スタッフに早めに休暇を取らせるという福利内容を持っている企業も多いのです。そのため、製造スタッフは、実質2週間ほどの休日を享受できるケースもよくあるでしょう。
さらに、春節前の製造現場では、製造スタッフが長期休暇を前にして浮かれてしまい、製造の手がおぼつかないなどの「風物詩」が見られるのも面白い部分です。
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初夏の節句・祝日
清明节(qīngmíngjié):毎年4月5日ごろ
日本ではお彼岸に当たる「清明節」、中国でも墓参り(中国語:扫墓(sǎomù))をする伝統的な節句です。通常は、毎年4月5日前後であり、これを含めて3日間の休みとなります。
大都市在住で地方出身者でなくとも、お墓は地方にあるという中国人はかなり多いものです。そのため、家族全員で墓参りに行くために、比較的大きなワゴン車を手配して現地へ移動することが多くなります。お墓近くの路肩は花売りでいっぱいになり、花農家にとっても稼ぎ時なのです。
劳动节(láodòngjié):毎年5月1日
「労働節」。日本では「メーデー」を指しますが、日本と同じようにゴールデンウィーク(中国語:黄金周(huángjīnzhōu))の中の1日として捉えられることも少なくなく、実際多くの現地企業ではおよそ3日間の休暇が社員に出されます。
端午节(duānwǔjié):毎年5月下旬から6月上旬にかけての1日(変動)
そのまま読むと「端午の節句」。しかし、日本の端午の節句は「子供の日」を指すことから、中国のものとは意味が異なります。中国での意味は、戦国時代の政治家・屈原(中国語:屈原(qūyuán))を弔う日であり、多くの中国人はこの節句で、粽(ちまき)(中国語:粽子(zòngzi))を食べることから、企業でもすべてのスタッフに配られるのが一般的です。
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秋の節句・祝日
中秋节(zhōngqiūjié):毎年9月下旬から10月上旬にかけての1日(変動)
日本でもおなじみの「中秋」。日本では休みはありませんが、中国では通常、当日を含めて3日間の休暇となります。
日本ではお月見の団子が有名ですが、上述の端午の節句と同じように、中国では多くの企業で福利厚生として、月餅(中国語:月饼(yuèbǐng))がすべてのスタッフに振舞われます。
国庆节(guóqìngjié):毎年10月1日
国慶節は、日本で言うところの「建国記念日」に当たります。ほとんどの企業が10月1日の少し前、若しくはこの日から1週間程度の休暇を取ることになるため、中国人にとっては春節の次に嬉しい節句です。
すでにご紹介した春節と合わせ、一般的に現地在住の日本人を含めた外国人が祖国へ一時帰国をする期間でもあります。そのため、春節と国慶節前の中国の空港では出国ラッシュにより、多くの外国人で溢れかえります。
その他の節句
妇女节(fùnǚjié):毎年3月8日の午後半日
強い女性の多い中国では、女性に感謝する「婦女節」と呼ばれる節句もあります。中国語で3月8日節句であることを強調するように、三八妇女节(sānbāfùnǚjié)と1つの単語で呼ばれることもあります。
企業では女性社員に半日休暇が与えられ、それに合わせて多くの美容品や化粧品を販売する小売業も女性製品の割引を行い、退勤した女性社員たちはすぐにショッピングを楽しむという流れが定番です。
青年节(qīngniánjié):毎年5月4日の午後半日
「青年節」は14歳以上から28歳を対象とする半日休暇。学生の内は学校を早めに退勤になるケースはありますが、社会人の場合は実のところは休暇とはならないケースもあるようです。というのも、既出の労働節が終わってすぐになるため、あまり重要視されていないと言えます。
儿童节(értóngjié):毎年6月1日の午後半日
中国本来の「子供の日」。上記の「青年節」とは異なり、こちらは14歳未満の児童を対象とします。こちらも午後半休ですが、中国では基本的に小学生までは送り迎えが一般的であることから、親のほうもそれに合わせて早めに退勤することが多くなるでしょう。
まとめ
中国で働く外国人は、多くは中国のカレンダーに合わせて生活を送ります。そのため、日本国内で働く日本人が休めない時期に休暇を取れることも多いので、意外に得した気持ちになる現地日本人も多いわけです。また、中国の休暇はまとまって取れることが多いので、ある意味、日本人にとっては羨ましい部分もあるかもしれませんね。