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物語の世界にトリップする魔法の文学館×いちごのプリンを堪能【東京葛西】
私達の身の回りに当たり前にあって、日々の生活を豊かにしてくれるもの、それは建築と甘いもの。
このnoteでは、建築好きの私やま菜がおすすめしたい建築と甘いものを紹介していきます。
今回訪れたのは、東京の東端の葛西エリア。
閑静な街並みが広がる葛西の住宅街の中に、とっておきの建築と甘いものスポットがある。
1.葛西の公園につくられた話題の児童文学館を訪問
魔法の文学館(江戸川区角野栄子児童文学館)は、魔女の宅急便等の作品でも知られる童話作家の角野栄子の名を関し2023年の秋にオープンした児童文学館だ。
この魔法の文学館が建つのは、千葉県との境目である旧江戸川沿いにあるなぎさ公園の丘の上。
東京メトロの東西線の葛西駅からバスで約10分ほどのところにある。
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最寄りのバス停を降りてあぎさ公園の中を程なく進むと、小さな丘の上に今回の目的地となる建築がみえてくる。
建物は小丘から頭を出すような白い外壁に、花びらのような屋根が立体的に折り重なったようなデザインが特徴。
ボリュームを抑えながらも連なる屋根が印象的だ。
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閑静な住宅街の中の、穏やかな雰囲気の公園の中で、地形と一体化しつつも周辺から浮かび上がった異世界感のある建物が見えてくるとワクワクしてしまう。
建物を手掛けたのは建築家の隈研吾氏率いる隈研吾建築都市設計事務所だ。
隈研吾氏といえば、以前このnoteでも赤城神社と御神酒ジェラートや、KITTE丸の内とパフェを紹介したが、都内で建築巡りをしているとかなりの高確率で隈研吾氏の建築に出会う。
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建物内に入るとシンプルだった外装のデザインから一転して、いちご色の内装が空間いっぱいに広がる。
角野栄子氏の作品の世界観からインスピレーションを得たという内装デザインは、児童書作家で角野栄子さんの娘さんでもあるくぼしま りお氏がデザイン監修をおこなったもの。
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ファンタジックな内装は、葛西の公園のほのぼのとした雰囲気から、物語の世界に引き込むような異世界感があって面白い。
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3階は、カフェ・キキという名前の喫茶スペースになっていて、軽食からランチまで色々なメニューを取り揃えている。
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そんなカフェ・キキでいただいたのは、こちらのいちごプリン。
ピンク一色の魔法の文学館にピッタリの人気メニューのひとつだ。
濃厚なプリンと甘いストロベリーが溶け合うプリンに、思わずうっとりしてしまう。
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メニューは他にも特性のいちごメロンパンや、食べ進めると中にヒミツの具がはいっているかくれんぼカレーなど様々なラインナップがあるのも注目だ。
2.非日常の世界に繋がる素敵な空間を堪能
お腹を満たした後は、文学館の中を散策。
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建物の内部は、1階から3階を繋ぐ大階段を中心に、魔女の宅急便の舞台になったコリコの街、色々な児童書が森のように並ぶライブラリー、角野栄子さんの仕事場を模した部屋や時季ごとに様々な展示が催されるギャラリーなどが配置されている。
公園の丘の地形に沿うような大階段の開放的な空間と、子供のスケールに合わせた小さなアイテムが混在して、まさに森のような空間となっている。
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いろいろなスケールの要素が連なったり、対比されたり、調和したりしながら、ちょっと不思議な非日常の世界を実体化しているのが面白い。
大きな建物ではないけれど、家具の窪みに籠もったり、本棚の森を彷徨ったり、樹木に寄り添うような椅子で本を読んだり、それぞれの時間を過ごせる。
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内装はピンクを基調にしているが、ところどころで外の風景と繋がったり、空が見えたりと、日常の風景と繋がっているのもいい。
訪れた人は地元のファミリー層が多いようだったが、日常の中から本を開くように非日常の世界に入り込み、でもしっかりと元の世界と繋がっているようなデザインとなっているのがとても魅力的だ。
【魔法の文学館(江戸川区角野栄子児童文学館) 施設情報】
住所:東京都江戸川区南葛西7-3-1なぎさ公園内
行き方:葛西駅よりバスで約10分
竣工:令和5年
建築設計:隈研吾建築都市設計事務所
内装デザイン監修:くぼしまりお
開館時間:9:30~17:30
休館日:火曜日
入館料:
一般(15歳以上)700 円
こども(4歳~中学生)300円
その他:事前予約優先
公式Webサイト:https://kikismuseum.jp/
3.あわせて訪れたいおススメのグルメ建築
せっかくなので魔法の文学館とあわせて訪れたい東京都内のオススメの文学館建築についても紹介したい。
(東京都内に素敵な文学館建築がいくつもあるが、ここでは食事もできるおススメ建築を2つ紹介する)
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ひとつ目に紹介する早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)は、早稲田大学の敷地内に建つ文学館だ。
元々は早稲田キャンパスの4号館だった校舎を改修し、小説家・翻訳家の村上春樹氏からの資料の寄贈を受けた蔵書や資料が楽しめる施設となっている注目スポットだ。
建物のデザインは魔法の文学館と同じく隈研吾建築都市設計事務所が手掛けていて、村上春樹氏の作品の中に度々登場するトンネルをモチーフにしたデザインが特徴となっている。
地下に入る橙子猫-Orange Cat-は、村上氏が学生時代に経営していたジャズ喫茶にちなんで命名されたカフェレストラン。
看板メニューの一つである季節野菜のドライカレーの他、軽食やドリンクを気軽に楽しめるおススメのスポットだ。
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【早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー) 施設情報】
住所:東京都新宿区西早稲田1-6
行き方:早稲田駅より歩いて約6分
竣工:令和3年
設計:隈研吾建築都市設計事務所
開館時間:10:00~17:00
休館日:水曜日
入館料:無料
公式Webサイト:https://www.waseda.jp/culture/wihl/
続いて紹介する日本近代文学館は、駒場公園の一角に建てられた文学館だ。
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この文学館が開館した当時は、日本が急速に経済成長を遂げた激動の時代。
そんな時代において、歴史的に価値のある文学資料が散り散りになってしまうことを危惧した文学者や研究者が中心となって計画された日本初の本格的な総合文学館がこの日本近代文学館だ。
堅牢さとシンプルながら陰影豊かな表情を兼ね備えた建物には、長年に渡って蓄積された100万点を超える資料が収蔵されていて、無骨な装いが心強く感じる。
1階にはいるカフェBUNDAN COFFEE & BEERは、文豪の名前や作品にちなんだ珈琲やアルコールを楽しめる本格的なブックカフェとなっているので、訪れた際はぜひ立ち寄ってほしい。
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【日本近代文学館 施設情報】
住所:東京都目黒区駒場4-3-55
行き方:駒場東大前駅より歩いて約7分
竣工:昭和42年
設計:竹中工務店
開館時間:9:30~16:30
休館日:日曜日、月曜日、第4木曜日、年末年始
公式Webサイト :https://www.bungakukan.or.jp/
今回はいつもと少し趣向を変えて、文学館の建築と甘いものを紹介しました。
どの建築も素晴らしい体験と味を楽しめる名建築なので、皆さんも機会があれば是非訪れてみて下さいね。