Takeshi Yamamura

建築家として活動しています。世界の建築を訪れるたびに新たな発見に出逢います。自分が目に…

Takeshi Yamamura

建築家として活動しています。世界の建築を訪れるたびに新たな発見に出逢います。自分が目にした風景や空間体験を講演会で話させていただくことが多く、もっと知りたいという声をうけて、簡単な文章と写真で綴るすることにしました。建築を通じて広がる世界をお楽しみいただければと思います。

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建築との遭遇002【東大寺南大門】 日本が誇るべき建築家

通り抜けられない門がある。 背筋を伸ばし、聖域に一礼してから寺院に足を踏み入れる人も多いだろう。しかし、この東大寺南大門は目線を下げたあと、ついつい上を眺め、しまいには立ち止まってしまう門なのだ。 奈良にある東大寺大仏殿は、日本における公立小中学校の修学旅行の聖地として、訪れたことのない人の方が少ないのではないかと思う。しかし、その境内に足を踏み入れた時、通過した巨大な門のことを記憶している人はどのくらいいるだろうか。 東大寺南大門は、奈良時代に創建され、のちの鎌倉時代

    • 建築との遭遇001【アクロポリス】 二千年のタイムトラベル

      「あ、あれは、まさか!」 夕日に輝く白亜の神殿は美しく鼓動が高まった経験があります。 アテネの旧市街はゴミが散乱し、お世辞にも綺麗とはいえない町並みでした。そんな下町を迷路のように散策しながら、ふと建物と建物の間の隙間に目が留まったのです。その視線の先にはアクロポリスの丘に建つ真っ白なパルテノン神殿が輝いていました。その光景が今でも忘れられず、2000年の時空を一気に飛び越えた瞬間でした。 大学院の間にバルセロナ建築大学に一年間留学していた時は円安で、学生が旅行するには大

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