松山城土砂災害 ⑩ 擁壁変状-傾倒
技術検証委員会報告書では「道路変状は擁壁自体の沈下や転倒では無く、斜面の下方向への変形(=斜面変形)が原因」とまとめている。
これは、先に斜面が変形したことにより、道路変状が起きた事を結論づけており、緊急車両用通路の道路拡幅工事が原因では無いと言うことを意味する。
擁壁の沈下量に関しては即時沈下の算定も行われている。
この算定では擁壁底盤幅に基礎幅を示しているがそのまま躯体の寸法として採用したり計算ミスと思われる数値も確認出来る。
上記計算には土圧が考慮されていない。
擁壁つま先での荷重は上記計算で使用している数値の1.5~2倍の値となる。
重力式擁壁安定計算結果より地盤反力度は、擁壁の構造計算結果を採用すべきと考える。
H=1.2m:35.231( kN/㎡)
H=2.0m:62.424( kN/㎡)
最初にガードパイプが傾いていないとしているが、これもかなりおかしな状況になっている。下記の一番上が比較に採用している写真。これは第1回技術検証委員会に提示されている資料となるが、一番下の写真を確認すると明らかに傾いている。
画像で確認すると約11度傾いている。
別の開示請求で得た写真で計測しても同じ計測結果となった。
工事期間中にも変状は進んでいたようだ。
次の7月6日の写真では変状した角度は16度なり、斜め下方向に水平方向に37cm、鉛直方向に45cm移動、これは円弧すべりによる地盤全体の動き。
加えて、擁壁の荷重によりつま先側が27cm沈下し16度傾いた。
変位の形態は下記のbとd-2に該当する。
技術検証委員会の「まとめ」と実際の工事中の写真から読み取れる情報にはかなりの差異がある。
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