見出し画像

松山城土砂災害 ⑦ 傾斜地上の地耐力

⑥で示した安定計算結果は既にNG判定が出ているが、
平坦な地盤の場合を想定して算定した結果となっている。
擁壁が傾斜地上に設置する場合の更に不利な条件となる事から
擁壁工指針では傾斜地上の検証方法も示されている。

令和6年7月9日

結論から言うと、安定性は極め低く自重でいつ滑り落ちてもおかしくないほど低い安定性を示す結果となった。

算定のイメージ図

下記が算定結果だが、許容支持力度がほぼゼロ!
擁壁云々の前に斜面自体が自重に耐えきれない状況
擁壁設計は数多く手がけてきたが
ここまで低い数値は見た事が無い
そもそも、厚く表土が堆積している盛土の法面上に
擁壁を設置する事は発想に無いので
このような設計は計算にすら辿り着かないのが実態だろう

傾斜地上の許容支持力度の算出

一応、念のため解説しておくが
Qa=0.003 となっているが Qa=62.547 以上必要

擁壁の構造計算に関しては完全にNGであることが判った

次回は、擁壁を撤去、除荷された状態での法面自体の安定計算結果を示す

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?