【3Dプリンタ】Anycubic Vyperを静音化してみる
VyperはステップモータドライバにTMC2209を採用しているので、モータ動作音はそれなりに静かです。
しかし、マシンに付いている各種ファンが全開で動作すると、かなりうるさいので、今回静音化にチャレンジします。
ファームウェアの書き換えを必要とする部分もあるので、実施する場合は自己責任でお願いします。
静音化前後の動作音比較の動画を載せておきます。
1.冷却ファン回転速度の変更(静音効果★☆☆☆☆)
Curaで冷却ファン速度を70%以下にすると造形中のファンの音が小さくなります。造形物によっては100%にしないと品質が出せない場合もありますが、70%以下でも造形できる場合は、設定を下げた方が静かになります。
2.ゴム足変更(静音効果★★☆☆☆)
標準で付いているマシンの足はゴム製ですが、設置面積があるため、振動を伝えやすいです。プリンタを置く机によっては振動音が大きく聞こえる場合があります。接地面積の小さい足に変更すると、モータ動作音が低減します。
せっかくなので3Dプリンタでダンパーを4個造形します。
ゴム足を取り外して造形したダンパーに付け替えます。
3.ファームウェア変更(静音効果★★★☆☆)
Gitでファームウェアのソースが公開されています。
ベースファームはおなじみのMarlineなので自前でコンパイルできる方は、色々とカスタムが可能です。
※2021/8/9時点で最新ファームのバージョンは2.3.9ですが、公開されているソースのバージョンは2.3.5です。
Configration_adv.h内で2種類のファン速度を決めている部分があるので編集してコンパイルします。
1つはコントローラーファン速度
255->64くらいにします。
※下げすぎるとモータドライバが発熱して、ステップモータが脱調する場合があります。
もう1つはエクストルーダーファン速度です。
これは255->128くらいにします。
※下げすぎると高い温度を必要とするフィラメント(ABS,ASA,PCなど)で搬送不良が生じる場合があります。
今回コンパイル方法の詳細を省きましたが、コメントなど頂ければ別記事にて紹介したいと思います。
【2021/11/23追記】
コンパイル方法の詳細を記事にまとめました。
4.番外編(静音効果★★★★★)
1~3の対策でも十分静かになるので、概要のみ記載します。
プリンタのファン自体を静音性のあるものに交換することで、さらなる静音化が見込めます。ファンの交換にはプリンタの分解が必要となるのと、ファンを購入する追加費用が発生します。
【交換可能なファンの一覧】
①コントローラーファン
②電源ユニットファン
③エクストルーダーファン
④造形物冷却ファンx2
※動作音が大きい順
中でも電源ユニットファンは常時回転しており、音も大きいので交換した場合の効果が大きいと思います。60mmサイズ厚さ15mmの24Vファンが寸法的に置き換え可能です。