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理想郷

Arcadia
理想郷ってどんなところなのでしょう?

アルカディアは、ギリシャ🇬🇷にある地域名が元となっているそうです。

牧歌的風景、花が咲きみだれ、甘い香りたちこめ、空気は澄み、清らかなせせらぎ、優しく暖かな日差し、それはそれは美しい所。
といった感じのイメージでしょうか。

不安や心配事もなく、悩み、苦しみもなく、争いもなく、病もなく、貧困もなく、安らかに生きていける世界。

微笑みの国と言われる、タイ🇹🇭
バンコクの都会度に驚きを感じた。超高層ビルがそびえ立ち、きらびやかなショッピングモール、ブランド物に溢れ(コピー多いですけど)、街中では食べたいものはなんでも食せる。東京よりも凄いかもと思うほど。日本より物価は安い。とにかく楽しい。
この豊かさが微笑みになるのか、気候がさせるのか、雑然とした交通渋滞のなかで、微笑みならぬ、ニヤケが止まらないほど遊び倒しの旅行を満喫していた。

ここは理想郷か。

ビル群の足元を歩いてみる。少しずつ生活感のある地域へと入っていく。
鼻をつく臭気、凸凹の道、汚水の水溜まり、ネ○ミの集団、ゴ○が川のようにざわざわと歩いている。
決して豊かには見えない家並み、人びと。
そこには理想郷的風景はない。

知り合った女性は、大学院生。英語を専攻していた。堪能な美しい英語を話すひとだった。シングルマザーだった。
タイはシングルマザーが多いとのこと。仏教の熱心な信仰から、中絶はしないらしい。
それだけ学のある彼女なのに、就職出来ず、カラオケで働き、体を売っていた。
実家に預けてある子供と家族を養うには、それしか方法がないと言う。

また、日本語が堪能な別の女性も、日系企業に勤めていたが、生活が成り立たず、やはり、体を売っていた。

しかし、彼女たちはいつも微笑みを絶やすことなく接してくれた。客でもないのに。
「マイペンライ」で、街歩きも付き合ってくれた。
とても明るく、幸せに見えた。

泥の中から蓮の花は美しく咲く。

理想郷は、現実のリアルな今のなかにあるのかもしれない。

幸せはみつけるものではなく、感じるものだ。と人は言う。

美しい風景のなかに暮らしていなくても、つらさや苦しみがあっても、今いるここが、理想郷だと感じてみよう。




 

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