見出し画像

4号特例縮小の準備をしよう!おススメソフトはアークデータ研究所「ASTIM/壁量」

 昨年末に国交省よりパブリックコメント(意見募集)が出されました。この中には4号特例縮小案が盛り込まれています。

≪現 状≫
・4号建築 ⇒ 建築確認での構造審査なし
・階数2以下かつ延べ面積500㎡以下 ⇒ 構造計算不要

≪改正案≫
・階数2以上又は延べ面積200㎡超 ⇒ 建築確認での構造審査あり
・延べ面積300㎡超 ⇒ 構造計算対象

 この法案に対し、反対の意見もあります。4号特例縮小案が施行されると設計者、審査機関の負担が増えます。これにより、建築行政が混乱する恐れもあります。

 斎藤国土交通大臣は改正に前向きな発言をしましたが、今国会への法案提出は行われていません。このまま、また見送られてしまうのでしょうか。

 ほっとしている設計者も居ると思いますが、4号特例縮小が行われないとしても実施されると思われることがあります。

【建築士事務所への立ち入り検査が強化される】

 令和2年(2020年)3月、建築士法改正(建築士事務所の図書保存の見直し)、4号建築においても構造計算書(壁量計算等)の保存が義務化されました。今回の4号特例縮小案では階数2以上又は延べ面積200㎡超が建築確認での構造審査対象となりますが、そもそも、4号建築における構造計算書(壁量計算等)の作成は既に義務化されているのです。

 そして、建築士法では建築士事務所への立ち入り検査が定められており、実際に行われています。検査項目には 図書の保存状況(建築士法第24条の2第2項関係)があり、行政は構造計算書の作成を確認することが出来ます。

 現状は帳簿の確認が主に行われ、設計図書保存の確認までは行われていないことが殆どですが、これが強化されると考えられます。

 4号特例改正には、どちらにしても反対する人が居ます。改正を断念する場合、国交省は「4号特例廃止は事実上、行われています。改正を行わない代わりに設計図書保存の確認を強化します。」とするでしょう。
 改正を行う場合は施行に対する準備を促す意味と「検査では適正に構造計算書が作成されていない。建築確認での審査が必要」と反対意見を抑えるためにの立ち入り検査による設計図書保存の確認を強化するでしょう。

 いつから立ち入り検査強化が行われるか分かりませんが、設計者は今すぐに準備と対応が必要です。


【4号建物の構造計算書は構造計算プログラムで作成しよう】

 木造の4号建物に必要な構造計算は以下になります。
・壁量計算
・四分割法の計算(平面バランスの確認)
・N値計算に係る図書(柱頭柱脚金物の検討)

 構造計算書は通常、A4サイズで作成されますが、木造においては日本住宅・木材技術センターによる構造計算書例のように図面の一部として作成される事が多くあります。

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/content/001329115.pdf

 平成12年の建築基準法改正以前は四分割法の計算、N値計算はなく、壁量計算のみであったため、図面の一部として作成しても手間ではありませんでしたが、N値計算については全ての耐力壁(柱)に対して、検討が必要であり、左右上下で壁が複雑に組み合わさると検討も非常に困難であり、効率も良くありません。

 木造4号建物の構造計算書は構造計算プログラムを使用して作成することをお勧めします。


【おススメソフトはアークデータ研究所「ASTIM/壁量」】

 木造4号建物用の構造計算書作成ソフトはいくつかありますが、おススメはアークデータ研究所「ASTIM/壁量」です。


画像1

      https://archdata.co.jp/seihin.html#hastimkaberyo


 どの構造計算プログラムは建物形状を入力する訳ですが、まず、平面XY方向、高さ方向(階)ののグリッドを設定します。そのグリッド線上に柱、梁を配置し、グリッド内に床、壁を配置することで建物形状を入力します。

 当然、実状と同じように入力する事が必要ですが、グリッドに支配されるため、完全に同じように入力することは出来ない場合あります。よって、構造設計者は建物形状のモデル化を行います。これが重要であり、難しいところです。

 アークデータ研究所は一貫構造計算プログラムも取り扱っていますが、グリッドフリーと言う高機能があります。「ASTIM/壁量」もグリッドフリーです。

 グリッドフリーであるため、自由に建物形状の入力が可能です。つまり、モデル化を考えるとの作業が不要になります。構造計算に慣れていない人ほど、グリッドフリーの「ASTIM/壁量」を使う方が間違いない検討が出来るでしょう。

 高機能と言っても入力は難しくはありません。以下の動画で解説がされています。

https://youtu.be/_I2b6MVHptQ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?