塩飴がやけに酸っぱく感じた日の記憶
あれは数年前の梅雨の合間の蒸し暑い日だった。
朝8時、オレたちは団地内で危険木の伐採準備を始めていた。
ここの団地の住人らしきお婆ちゃんが通りかかったので挨拶すると、
お婆ちゃんは周りをキョロキョロと見渡し、まるで中学生時代に人目を避けてラブレターを渡すような仕草で
「今日は暑いからね。これ食べて」と塩飴を3つくれた。
飴はいま風の一つづつ小さな袋に包まれて小分けされているタイプでは無く、
昔ながらの一つづつナイロンで包んで両端をくるくると巻いているタイプの飴だった。
飴は