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子ども時代

美しいなあと思った。

夜を乗り切れないような気がして、本屋に寄った。
奈良少年刑務所詩集が私を待っていた。

どんな有名な詩人より、文学に興味なんてそれほどなかったであろう彼らの詩は、尊かった。

小学生の頃のことを思い出す。
劇の練習、歌の練習でクラスメイトと本当の意味でのコミュニケーションを取るようになった彼。
それを見ていた、先生。
私は外野だった。1ミリも入る隙はなかった。

普段はおそらく、優遇されている立場だった。
けれど、きっと人生の中でより尊いものを得ていたのは、彼だった。

子どもの感性は、なんて尊いんだろう。
子どものころの言葉は、なんて素直なんだろう。

10年前にはもう戻れないけれど、10年後のために、いま言葉を残そう。

素直なあなたの言葉は、いつだって尊いですよ。


あなたは今、自分のことばがどこにあるのか分からなくなっているようだけれど、
どんなふうに生きようとしても、あなたはそこに現れるんですよ。


いまはぴんとこないものほど、大事に。


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