ラピュタへの道38 ロードバイク禅問答編
前回書いたような気がするが(いや何度か書いてるかも)、このところ少しだが実力がアップしているような気がする。
それを確かめようと平坦路で30キロ後半で巡航できるかどうかを試しに出かけた。
走りやすい湾岸線に向かう。
いつもなら、35キロくらいで走れれば「お、オレなかなか走れてるゾ!」とひとりほくそ笑むのだが、本日はそれ以上の結果を目指しウォーミングアップがてらみなとみらいを走り抜ける。
朝7時くらいなのにもう暑い…運動による発汗ではない汗がじんわりと出てくる。
果たしてこれは体が温まったということなのだろうか…?
パワーメーターも心拍計も持ってないワイはとりあえず踏み込んでみる。
なんかきつい。
まだ脚は温まってないようだ。暑いけど。
少しづつ上げながら湾岸線に入った。
平日なので交通量は多い。朝とはいえ。
でも道路が広いのでストレスはない。
高速の下の道なので日陰が続くし路面も綺麗だ。
いよいよ本気で走り始める。
それほど苦も無く35キロに達する。
1年前なら考えられない速度だ。
やはり、ただひたすら長い距離を走るとか、峠道をひたすら登るとかでは、ある程度までしか伸びないのかもしれませんな。
ここのところ、キツイけど踏み続けるとか、ロングライドの後半でも妥協せず、足が売り切れるまで踏むようにしていた。
それが実を結んだのが感じられた。
これでさらにロードバイクにはまったかな…。
速度は37キロ位をキープしている。
それほど飛ばしていない車の後ろにつけると45キロくらいはいつの間にか出ていたりする。
空気抵抗というものの存在を改めて感じる。
出来る限り態勢を低くして踏み込む。ワイなりのエアロポジション。
速度は37キロ。
上体を起こすと34キロ。
特に足に掛かる負荷に大きな差を感じるわけではないけど、結果的に踏み続けられる時間が変わってくるのでしょうな。
なんかちょっと迷い込んだ先でこんなところを見つけた。
なんか東京湾の防衛のための施設を何年もかけて作ったが、完成2年で関東大震災のために海に沈んだそうだ。
休憩がてら思いを馳せていると、ワイは一体なぜ走っているのだろう?という漠然とした疑問が溶けていくような感覚がかすかによぎる。
長年の疑問の答えを見つけられそうな、人生の真理に近づいたような、人はなぜ生きているのかがわかったような、そんな感覚を掴みかけた。
あくまで「掴みかけた」なのですが、なんだか自分の中に深く深く降りていくみたいな感覚があった。パワースポットってやつなのかな。
そんな場所でしたよ。
帰り道、更に気温は上がってきたけど妥協せず踏む。少々追い風のようで、速度は40キロに手が届く。
しばらくそんな速度で走り続けられる。
しかし少々の上りに差し掛かると、一気に足にダメージが。信号待ち程度では回復しないくらいの疲労の蓄積となってくる。
それでも「まだまだ」と踏み続け、山下公園まで辿り着く。
もう脚は売り切れ寸前。
体感気温も40度くらいに感じられる。
ボトルの水を頭からかけるけど、ものすごくぬるい。
そんな猛暑だというのに観光客はとても元気で楽しそうに歩いている。外国人もとても多く活気があり、つまらなそうに歩いている人や、暑さにうんざりしている人は見受けられない。
そんな中ワイは一人肩で息しながら、乾いたアスファルトにシミを作っては消えていく己の汗を見下ろしながら思うのだった。
「なぜワイはこんなことをしているのだろうか…」