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#短編小説
短編小説「ぶたキムチ」
黄色い封筒の中には、ぶたキムチのレシビと
「あなたが好きだった豚キムチのレシピです」と書かれたメモがあった。
宛先を間違えたのだろうか、と思ったら、同じようなへたな字で、宛先だけじゃなく、送り主の欄にも、僕の名前が書かれていた。もしかしたらいたずらかもしれない。僕は、ぶたキムチを好きになったことがないし、ぶたキムチの思い出を分かち合うような女性と付き合ったこともない。
それから何日かして、ふ
【小説】「卵十個パック、ふたつ分の魂」
タナカは「あー、カップヌードル食べようかな」と不必要にでかい声で発声し、「あー、ふたり分のお湯でもわかしてみようかな」とあたしのことをチラ見した。
「そんなんで機嫌なおすと思ってんのか、お前」って。
言いたくなるのをグッとこらえて口を結ぶと、鼻からため息だったものがもれた。あなたのしたことは、お湯を注ぐだけで許されるわけがないんですよ、おわかりでしょうか?と思いつつ、「勝手にしなよ」と短く応え