子ども農家の八百屋さん~「あいちの農林水産フェア」で初出展
愛知県は11月9日と10日、「あいちの農林水産フェア」を名古屋市中区の金山総合駅コンコースで開催しています。
県内の農林水産物の作り手と消費者のふれあいの場。県とJA愛知中央会、JAあいち経済連の共催で2011年から続くフェアです。
13回目の今回は、30ほどのブースが出展。初の試みとして未就学児から中学生までの子どもたちが名古屋と豊橋市内の農家と一緒に栽培した野菜を販売する体験イベント「子ども農家の八百屋さん」が人気を集めていました。
■子ども農家の八百屋さん
子ども農家の八百屋さんは、駅南の広場で店開きしました。緑の濃いブロッコリー(300円)や大粒の落花生(400円)を販売しました。大村秀章知事も店頭を訪れ、子どもたちや指導農家を激励し、一緒に写真に納まっていました。
子ども農家は、noteでも紹介しています。20204年8月2日まで募集し、名古屋市中川区の「なごやの畑」と豊橋市の「とよはしの畑」で各5家族を選び、実際に農家さんと一緒に定植や水やり、草取り、間引き、追肥などを体験してきました。
買ってきた落花生を早速、ゆでて食べてみました。中身も大粒で、おいしくいただきました。
農業の大変さや大切さを学ぶ取り組みは、JAも引き続き力を入れていく方針です。
■農業機械の展示も初
意外に大きいですね。写真手前がアイガモロボット。田んぼの仲を自動で動いて土を掻くことで雑草を抑制します。以前、スマート農業のnoteの記事でスタート段階の苦心談を紹介しています。
井関農機により実用化され、第11回ロボット大賞の農林水産大臣賞を受賞しています。2025年にはフルモデルチェンジした「IGAM2」として27万5000円(メーカー希望価格)で発売予定です。
田植機も展示され、運転席に乗ることができました。スイッチを押させてもらと、苗を入れたケージが動きました。こちらは400万円ほどですが、田植え作業の省人化に貢献してくれます。
ふだん見慣れない農機だけに、実機展示は親子連れに好評でした。
■豊田市の竹々木々工房
取材後に農林水産品をいくつか購入しました。
豊田市の竹々木々工房(ちくもくこうぼう)では、醤油味付けメンマ(700円)。代表の大山侑希さんの話では、紅葉の名所、香嵐渓の豊田市足助地区から車で30分ほどの中山間地にあり、廃校になった小学校の元給食室が拠点だそうです。
筆者の故郷、南信州・飯田市では竹林整備事業を通じて「国産メンマ」作りに生かしています。大山代表も飯田市の民間団体の協力もあって5年前に事業をスタートさせたと話します。放置竹林に困っている地域にとっても、輸入物のメンマではなく国産を使いたい消費者にとっても良い関係が築けそうです。
■アラカルト
「那古野麩」(なごやふ)で知られる明治10年創業の麩柳商店(名古屋市西区)では、生麩まんじゅうを買いました。専務の新井智久さんは、名古屋市瑞穂区の瑞陵高校食物科で3回の授業を担当しています。生徒は日本料理に欠かせない食材である麩を使った商品を考案中とか。最終講義は13日(水)です。
石川県能登から特別参加もあります。源助だいこん(500円)を購入。愛知県森林協会のブースでは、300円で原木からシイタケの収穫を体験できました。収穫は約100㌘めどで、7本を取りました。
「おもちかすてら」(3個750円)は、愛知産の米粉と餅米で作った無添加・グルテンフリーのお菓子です。
■作り手と消費者のふれあいの場
JAなごやの女性組織の野菜も採れたてでした。2017年に取材した「ベジタブル・アクティブ・クラブ」(VAC)のリーダー、布目巳佐子さんも元気でした。
VACは、2013年にJAなごや主催の住宅地での農薬の使い方を学ぶ講習会で集まった農家の女性9人が「農業の楽しさを子どもや主婦に伝えたい」と発足させています。生産地と消費地が重なっているので、どんな野菜の需要があるのか、消費者目線で考えることが必要だと言っていたことを思い出します。
都市型の生産地であり、大消費地を控えているだけに、作り手と消費者のふれあいの場というフェアの趣旨にも合致した出展です。
フェアは、10日午後4時半まで。
(2024年11月9日)