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箱根駅伝第100回記念大会~明治大学体育会競走部の園原健弘監督の決意

 明治大学体育会競走部の園原健弘監督の講演会が6月4日、名古屋市中区の東急ホテルで開かれました。明治大学愛知県支部の主催です。

箱根駅伝第100回記念大会に向けて野心的な目標を掲げる園原監督©aratamakimihide

 演題は「古豪から強豪 そして頂点へ Mの継走 挑戦2024」。箱根駅伝第100回記念大会が開かれる2024年に向けて野心的な目標を掲げ、チャレンジしていく決意を語りました。
 明治大競走部は1907年に創部。「第1回東京箱根間往復大学駅伝競走」で、早稲田、慶応義塾、東京高等師範(現・筑波大学)とともに出場した「オリジナル4」と呼ばれる古豪です。
 園原監督は長野県飯田高校から明治大学入学。大学2年生から関東学生陸上競技対校選手権大会(インカレ)1万㍍競歩で3連覇しました。3年時にユニバーシアードエドモントン大会、第1回世界陸上ヘルシンキ大会の代表に選ばれています。
 箱根駅伝は60回、61回大会に出場。卒業後はアシックスで競技を続け、1992年バルセロナ五輪の競歩で出場。現役引退後、日本陸連強化部競歩部長としてアトランタ五輪コーチ、明治大学コーチを歴任。2016年に明治大学コーチに復帰し、2019年から競走部監督に就任しています。
 講演会では、昨年の箱根駅伝に出場する選手たちの裏話を交えながら、選手の練習環境を整えたり、メンタル面の支援に力を入れたりしていることを強調していました。
 大学の理解を得て東京・世田谷区の明治大学八幡山グラウンドのトラック走路(1周400㍍)を整備。さらに2023年3月に完成予定の合宿所は、これまでの4人部屋から2人部屋に改装して、全国から有力選手を受け入れやすくしています。
 明治大学のスポーツといえば、東京六大学野球春のリーグ戦で6季ぶり41回目の優勝を果たした野球部や、国立競技場の常連校として活躍するラグビー部が筆頭格です。実は野球、ラクビーと並んで、校友から期待が大きいのが箱根駅伝の優勝だそうです。
 そうした期待の大きさから、選手たちには大変な重圧がかかっています。例えば疲労骨折は意外に気づきにくく、不調のまま練習を続けていた選手がいました。すぐに病院に行かせて治療させたことで、本人も不調の理由がわかり、ストレスが軽減されたそうです。
 出場する4年生が後輩たちのことに心血を注ぎすぎて、自分の走りのピークを正月2日の往路に合わせられなかったという反省もあったようです。
 園原監督は競歩の選手でした。「競歩はマイナー種目だったが、箱根駅伝は高視聴率を稼ぐイベントだけに、区間新記録の選手がスーパースターのように扱われる」とその違いを表現していました。
 私自身、「正月の箱根」を観戦することは欠かせない新春行事です。そして、選手の明暗を見るにつけ、若き日に取材をした高校野球大会の取材を思い出しながら、「甲子園だけでなく箱根にも魔物が住んでいる」と思うことがあります。

「やっぱり 明治が No.1」 校友会支部総会でエールを送る明治大学応援団

 明治大学の1949年以来の駅伝優勝は、野心的な目標です。記念の大会だけに各大学ともに総力をぶつけてくるでしょう。挑戦する明治大学の精神といえば、ラクビー部の「前へ」であり、野球部の島岡吉郎元監督(長野県高森町出身)の口癖「何とかせい」であり、「人間力」です。
 園原監督の言葉の端々に、古豪・明治から強豪・明治への「たすきリレー」を果たそうという決意がにじみ出ていました。
(2022年6月7日) 



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