濃密RPGが印象的な半年│2024年上半期ゲーム振り返り
もう2024年の半分が終わったそうです。怖いですね。
2023年のゲーム業界は傑作が揃いに揃った事件の様な年でしたが、今年は年始から濃密なRPGが続々登場しています。
一つ一つがクリアまで70時間級のハイカロリーなものでしたが、どれも自分にとって特別な体験になりました。
バルダーズゲート3
年末年始はフォーゴトン・レルムで彷徨う日々でした。
このジャンルは初プレイでしたがめちゃくちゃ面白かったです!
凄いゲームやこれは!
バルダーズゲート3(以下BG3)は2023年のゲームアワードを総ナメにした作品です。
海外での発売が8/3で、(正式な)日本語版が登場したのが12/21だったので「なんか海外でめっちゃ凄いゲーム出たらしいぞ」という状態だったのが印象的です。
BG3はダンジョンズ&ドラゴンズ第5版の世界観を元にしたRPGです。
元々の『RPG』という言葉自体が1974年発売のD&Dから始まっていると言うこともあり、BG3はそんな"RPG始祖の最新版"といったゲームですね。
『TRPGの遊び心地をコンピュータRPGとして再現するにはどうしたら良いか?』という問いに対して、『プレイヤーの選択の積み重ねを、あらゆる方向に振れるようなストーリーのフレキシブルさを用意すれば良いのではないか』というド直球の発想を、考えうる限り濃密に作り込むという中々に狂気的なゲームだと感じました。
一周クリアまで約70時間かかりましたが、それにしてはリプレイ性が高すぎるのです。
まるで再現性が無い、本当にたった一度きりの冒険です。
私のプレイヤーキャラクター
種族:エルフ
職業:ドルイド(動物に変身出来る)
大きな魅力はオリジンキャラクターと呼ばれる仲間達でしょう。
仲間のストーリーが進行する度に、特定のタイミングや組み合わせでしか聞けない会話が数え切れないほど用意されていて本当に驚きます。
加えて、会話シーンのアニメーション、特にフェイシャルモーションはめっちゃ細かいです。
これだけのボリュームがありながら会話シーンの一つ一つのモーションが作り込んであり、洋RPGにありがちな会話シーンの代わり映えの無さを感じる事は殆ど無かったです。
BG3は視覚的にダイスロールを見せてくれます。
ポケモンでハイドロポンプを外した時も「これに失敗してたのかぁ〜」という妙に腑に落ちる感覚を覚えましたね。
RPGの始祖を感じる旅です。
ダイスロールは楽しいかったですが、同時にゲームにおける「確率」の扱いは難しいなとも感じました。
望まない展開が発生した際に、ロードを繰り返す事が何度かありました。
実際、予約特典の序盤ガイドブックでも細かなセーブが推奨されています。
私の場合は、仲間の永久離脱だけは避けたい!というプレイスタイルだったので、基本的にダイスロールの結果は受け入れましたが、ダイスロールを失敗したことで発生した戦闘で詰むこともあった(特に序盤)ので中々難しかったです。
"偶然に導かれる面白さ"VS"ロードの誘発装置"といった感覚はデジタルゲームにおける調整の一番大変そうなところです。
プレイヤーの選択が最序盤から最終盤まで影響を与え続ける自由度の高さ、それを実現している圧倒的物量。
魅力的過ぎる仲間達。
既に2周目のキャラは制作済。いつかまた旅をしたいです。
龍が如く8
春日一番と桐生一馬のダブル主人公の本作。
とにかく要素が多いゲームなので桐生さんのストーリーにフォーカスして語ります。
本作の素晴らしさはなんと言っても「桐生さんの物語がちゃんと"終わりきれた"事」です。
2016年に発売された龍が如く6は、"桐生一馬最終章"と銘打たれながら終わりきれなかった作品という印象です。
いや、終わってはいるんだけど、ストーリーの流れで無茶をし過ぎてるというか…
龍が如くシリーズは物語を駆動させるために無茶をしてきたシリーズです。
それこそ「散った男たち展」というイベントが出来るくらいには人が死んでいきますし、超技術が出てくる事もしばしば。
その「無茶」の大きな一つが、""桐生一馬を死んだ事にする""というものです
そんな死んだ事になった桐生さんを単独主人公として描いたのが、2023年に発売された「名を消した男 龍が如く7外伝」でした。
この作品は龍が如く8の前フリとして非常に良く機能しています。
桐生さんの弱さを濃密に描写し、"めちゃくちゃケンカが強いだけのただの人間"を描く事に成功しているからです。
7外伝と8を通じて描かれたのは「堂島の龍」という"神話"になってしまった桐生一馬を"一人の人間"に戻す物語です。
龍が如くシリーズのストーリーを簡単に説明すると、
「極道世界の揉め事に巻き込まれた桐生さんが、なんやかんやあった後、黒幕を殴って敵組織を壊滅させるストーリー」です。
大体のナンバリングがこうですが、これが繰り返された事により、桐生さんは"神話"になってしまいました。
ひたすら主人公として活躍してしまう事により、桐生さんは「個人の人間」という範疇を超えた「極道の象徴」という神格化された目線で見られます。
これが桐生一馬という魅力的過ぎたキャラクターだからこそ、龍が如くシリーズが成功してきたからこそ起きた現象なのが面白いです。
この桐生一馬の神格化という状況が、情報の記号化、単純化による動員のゲームに利用されていくという流れになっていたのが面白かったです。
情報量が多すぎる時代、複雑な物を複雑なまま受け止める余裕が無い人が増えている時代が、龍が如く8でも巧みに描かれています。
このリアルタイム感、時事性の反映の早さこそ、龍が如くスタジオ唯一無二の強さだと改めて確信させられましたね。
そんな世知辛い時代でも、今作の桐生さんには「桐生一馬」として接してくれる仲間達がいました。
この仲間達とのやりとりがめっちゃ良かった…
街を歩いている時に発生する仲間との会話も一つ一つが良くて、過酷な人生を送ってきた桐生さんがただのおじさんとして振る舞えている時間が沢山見れたのがとても嬉しかったです。
更に大きなサイド要素"エンディングノート"という形で、シリーズお馴染みの仲間達も大勢登場します。
桐生さんは死んだ事になっている身。
桐生一馬としてかつての仲間に会うことは許されないのです。
この「シリーズを重ねた事によって起きた無茶」すらも、「会いたい人にすら会えないという切なさ」、ストーリー上のエモに昇華しているのが上手いなぁと思いましたね。
今作は敵として「カルト教団の教祖」が登場します。
このあたりの敵の設定も、描写不足こそあれど、かなり興味深かったですね。
"盃"という名の洗礼を受け"親"という名の神に仕える。
同じ盃を交わしたもの同士は"兄弟"になる。
極道組織とカルト教団の類似性を描くのはシリーズの必然だったのかも知れません。
慈善活動を隠れ蓑にした利益の追求という立ち位置も、何か時代性を感じます。
ストーリー全体にはシリーズに対する真摯な姿勢を感じました。
それはキャラクターの"死に様"で物語を動かしてきた事への反省と、「それでも生き抜いてくれ」というシンプルで力強いメッセージです。
ストーリーは最後、一番と桐生さんの"生き様"を描く事で終わります。
これが本当に素晴らしかったです。
桐生さんから一番に渡ったバトンは、龍シリーズの"極道社会を描く"という枠から抜け出し、龍7で始まった「社会のグレーゾーン、その生き方しか選べなかった人達」を描ける可能性を更に広げました。
既に次回作は動いているようなので、どんな舞台、どんなストーリーを描いてくれるのか、今から楽しみですね。
FINAL FANTASY Ⅶ REBIRTH
ストーリー感想はこちらの記事で書きました。https://note.com/arasaka08/n/n2f80ffbea0de
こちらも要素が多すぎるゲームなので、ここではバトルシステムについて語りたいと思います。
大袈裟な言い方ですが、2024年時点オープンワールドアクションRPGとして、世界一面白いバトルシステムだと思っています。
それくらい好きなバトルシステムでした。
状況把握とリソース管理、そしてリアルタイムアクション。
このバトルシステムの一番の駆け引きは、"操作キャラはATBゲージを溜めやすいが敵からのヘイトも向きやすい"という点にあります。
どんどん操作キャラを切り替えてアグレッシブに攻めていったほうが有利に立ち回れるデザインになっているので、操作キャラを変えずに攻撃に集中しているといつの間にかHPがギリギリになっていることもしばしば。
キャラを切り替えながらのATBゲージ充填と管理、一時停止をしつつ全体の状況把握。
このゲージを溜めて強い技を放つというコマンドRPG的な遊びを引き立てているのが、"みやぶる"の重要性だと感じました。
敵の弱点属性と体勢を崩せるHEAT条件の把握により、どのようにATBゲージを消費するかという戦略を考えながらのプレイに自然に結びついています。
コマンドRPGの遊びをリアルタイムアクションに落とし込み、このレベルで実現しているのは驚愕です。
7人のプレイアブルキャラ、それぞれに固有の操作感と固有アビリティ、マテリアによるカスタマイズ性。
更に連携アクションによるアクション部分の強化、連携アビリティ(合体技)による戦略の拡張。
これだけの要素を全て活用してちょうど勝てるようになっているボス戦のバランス調整。
とにかく面白過ぎました。
バトルディレクターの遠藤さんをはじめとしたバトルチームの方々はもっと褒められてください。
ユニコーンオーバーロード
オーディンスフィアや十三機兵防衛圏で知られるヴァニラウェアが送る完全新作SRPG。
部隊編成と作戦構築による新感覚の戦闘システム、魅力溢れるキャラクターとストーリー、美し過ぎるグラフィックとサウンド…
新たな王道SRPGの傑作でした。
このゲームの特徴はユニットを部隊単位で動かす事と部隊内の行動の優先度を組み立てる作戦です。
下が作戦画面です。
このシステムが非常に面白く、ジョブの組み合わせや行動の優先度によっていかにシナジーを発揮していくかが重要になっていきます。
最初は難しいですが、プレイヤーへの導線が非常に丁寧です。
ワールドマップに練習用ユニットが配置されてるので、プレイしてれば自然と強い編成が学べるようになっています。
装備も重要で、一人あたり最大4つの装備枠が用意されてるので、合計200箇所の装備を考えることになります。
多すぎでは?と思うかも知れませんが、ゲームクリアまで丁度良く機能するのが凄いんですね。
ステージクリア時などに手に入る"勲章"という一つのリソースで部隊拡張やクラスチェンジを行っていくので、この調整にかなり時間をかけたであろうことが伺えます。
分かりやすく強いアクセサリーがあるので、お気に入りのキャラの行動回数を増やしたり、キャラ同士の関係性で部隊を組んだり。
編成画面を眺める時間は静かな高揚感が続く心地良さがありました。
またヴァニラウェアならではの美麗2Dグラフィックは今回も凄まじいです。
細かな所作から伝わってくるキャラクターの魅力。
キャラデザ、カットシーン、バトルアニメの一つ一つがこだわりと癖(へき)に満ちています。
最初から最後まで濃密な体験だったので是非とも続編が欲しい所ですが…中々難しそうです。
この作り込みをまたやるのは…
発売前ツイートで「今回"も"開発費が尽きた」という中々衝撃の発言がありましたが、新作が製作中との事で安心しました。
好きなメーカーなので今後もこだわり過ぎたゲームを出し続けて欲しいですね。
ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE
本編から2年越しの大型DLCとして登場した今作。
クリアまで約30時間という、DLCとしては破格のボリューム感でした。
エルデンリングの魅力は大きく3つあると思っています。
DLCはこれが濃縮還元されているような体験でした。
1.美しいフィールドでの探索と発見
2.強敵を倒す達成感
3.プレイヤーそれぞれのロールプレイ
1.とにかく美しいロケーション
今作で個人的に最も印象的だったのは「探索と発見」でした。
とにかくロケーションが美しいです。
影の地では本編の黄金樹にあたる影樹が、どこからでも見えるのですが、これが時間帯やロケーションによって全く違う見え方をするのです。
またラウフの古遺跡といった、今までのフロムゲーではあまり見なかった青い空が見えるロケーションもとにかく美しく雄大。
やっとの事でボスを倒した後に広がる、余りに広大な世界。
この緊張と開放の連続が、本編よりも短いスパンで味わえたDLCだと思います。
世界のスケール感を演出していたのが「あまりアイテムが落ちていない、ただ広いだけの場所」だと思っています。
密度感の欠如とも言われるかも知れませんが、アイテムの光すら無い場所では「ゲーム的な情報が画面に映らない時間」が生まれていたと思います。
それはコンセプトアートそのままの情報量を、世界を浴びる体験でした。
これがとても心地良く、苛烈なボス戦との緩急も生まれていたと感じています。
これがchillってやつですか。
2.苛烈を極めたボス戦
何度も繰り返し、僅かな隙を見つけていく快感。
やはり最高です。
しかしこのボス達、「来るところまで来てる感」を感じました。
とにかくボスの隙がない!
プレイヤーのターンが少ない!
これが「敵だけ楽しそう」という感想に繋がるのも分かりますね。
それでもなお夢中でプレイしてしまうのは、ボスのデザインやモーションが魅力的で、やられ甲斐を感じてたからかもしれません。
DLCではかなりの数の武器が追加されたので色々と試しましたが、まさか刺突盾にお世話になるとは思いませんでした。
SNSで"誉れ"というワードを目にしました。
「刻まれた言葉が、心に浮かぶ。
我が誉れを、此処に捨てる。」
ここで言われている誉れを捨てるとはおそらく、3.ロールプレイの破棄にあると思われます。
今まで通用していたビルドが、武器が、遺灰縛りが……通用しない…っ!
それほどに、強い!
エルデンリングはキャラクタービルドや見た目重視の装備、遺灰縛りのタイマン勝負といったプレイヤーそれぞれのロールプレイの楽しさもかなり大きいと感じています。
おそらくDLCのボスは、それを捨てなくてはならない瞬間が訪れたプレイヤーが多い事でしょう。
私にとっては宿将ガイウスやラスボスがそれでした。
本編を乗り越えた、マレニアすら倒したキャラクタービルドが通用しないという絶望を味わったのです。
それは一時の"萎え"ではありますが、同時に新しい探索と発見の始まりです。
壁にぶち当たった事によって、生まれ直し(ステータスの振り直し)や新しい武器や戦技を試すなど、遊び方が広がっていきました。
これはフロムゲーでやりがちな沼なのですが、絶対に探索をやり直したり装備を見直した方が早く攻略できる筈なのに、少しでも"いけそう感"を感じてしまうと同じ装備で繰り返し突っ込んでしまうという事をやってしまいます。
DLCでは"いけそう感"すら砕いてくれるボスがいたのが、私にとっては幸いでした。
結果、完全にハマり直して今は2周目の影の地をちょっとずつ遊んでいます。
エルデンリングにもう一度深く浸かるきっかけをくれた、最高のDLCでした。
半年を振り返って
語りきれなかったタイトルを軽く紹介します
・ステラーブレイド
SHIFT UP家庭用向け第一作であり渾身の力作。尻を見ながらやるSEKIROに留まらない魅力を持った攻防一体のバトルと背景アートの美しさが素晴らしかったです。
特にレイヴン戦は音楽の使い方含め、一番ステラーブレイド独自の味がした気がしますね。
次回作も動き出してるようなので、期待してまってます。
・ペーパーマリオRPG
20年ぶりのリメイク。ビジュアル面のパワーアップが想像以上に良く、特にライティングの良さによる空気感が素敵でした。
キャラクターがとにかく可愛く遊びやすいので広く勧めやすいタイトルですね。
ゲーム本編以外の出来事を振り返ると、フォールアウトのドラマが超面白かったのが印象的でした。
ゲーム原作で非常にクオリティの高い映像化が増えてきているのはファンとしてもありがたいことですね。
今度は龍が如くのドラマがアマプラでやるようなので、こちらもかなり楽しみにしたいです。
最後に後半の期待作をおさらいします。
2024年後半の期待作
・Black Myth: Wukong 黒神話 悟空
初報PVを見たときからグラフィックの凄さに圧倒されましたね。
西遊記を舞台にした世界観も目を引きます。
アクション部分は死にゲー的では無いらしいのでどのようなバランスになっているか楽しみです。
・ゼルダの伝説 知恵のかりものhttps://youtu.be/wYe-Otw2VBM?si=EFtSXe2OV12VA2Nc
ついにゼルダが主人公のゼルダが登場です。
PVを見た感じだとBotWの遊びを2Dゼルダ的に再解釈したような感じでしょうか。
グラフィックは夢をみる島リメイクと同じ方向性で、ジオラマのようなルックが可愛いんですよね。楽しみです。
・メタファー リファンタジオhttps://youtu.be/0MzP47nijsU?si=1SkMldFAuffH6XvB
2016年に初報が出たプロジェクトリファンタジーが世に出る!
あまり情報を入れていないので、なるべくまっさらな状態でプレイします。
UIがめっちゃかっこいいのは知ってます。
・ドラゴンクエスト3 HD-2Dリメイク
このグラフィックでドラクエ3がプレイ出来るのが本当に嬉しいですね。
HD-2Dと言っても開発元によって若干方向性の違いがあって、今作はオクトラよりかはスターオーシャン2Rに近いかも?
ゲーム部分はオーソドックスなコマンドRPGですが、ドラクエでしか摂取出来ない栄養があるのは確かなので楽しみです。
・マリオ&ルイージRPG ブラザーシップhttps://youtu.be/b0PhKIMkB3A?si=WzoaRxRiLl_XgZNd
元々のシリーズを開発していたアルファドリームはもう無いので新作は厳しいのかな…と思っていた状態での発表だったのでめっちゃ嬉しかったですね。
PVを見るとアニメーションがめちゃくちゃ良くて、今までとは別次元のマリルイを見せてくれそうと期待してます。
後半も忙しいです。
個人的な話をすると、最近メンタルが磨り減っておりプレイ時間が確保出来てない日が増えてますね。
健康が大事という当たり前の事を意識してしまう時に老いを感じます。
ゲームが世に出てくれる事のありがたみを噛み締めつつ、プレイしていきたいですね。