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実は大きな一歩です

 療育やってます。
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 今までエプロンを付けて給食を食べていた子が急にエプロンを嫌がることがあります。また、それまでは全然平気だったのに、他人が近づくと
「嫌っ!来ないで!!」
とすごい剣幕で怒るようになった、という子もいます。どちらの場合もお母さんは困り顔。 

 実はこれ、その子の成長の過程。
 障害を持つ子どもは視野がとても狭い子がいます。そもそも赤ちゃんの頃はとても視野が狭いけれど、成長とともにだんだん広がっていくもの。その視野の広がる速度がゆっくり、、、な子もいるのです。
 今までその子達にとって世界はとっても狭くて、周りが全然見えていなかった可能性がある。食事中は目の前の美味しそうなお料理しか目に入らないし、ママと手をつないでいたら視界にはママしか入らない。それが成長と共に視野が広がって、今まで見えていなかった世界が目の中に飛び込んで来るようになった、というわけ。

 視野の広がりとともに自我も少しずつ芽生えてきたタイミングなら、他の家族は誰もエプロンなんてしていないのに自分だけエプロン!?これって何だか赤ちゃん扱いされている気分!って思ってるかもしれないし、感覚が過敏な子であれば、ママ以外の人がすぐそばまで近づいてきたら、少し恐怖さえ感じて
「来ないでー!」ってなるのはある意味仕方ない事です。

 さてさて、困り顔のお母さんにはなんて言う?
「みんなと違う、ことに違和感を感じるなんてとても大きな成長です。どうぞエプロンは外してあげてください。食べ方が大胆すぎて服が汚れてしまうなら、すぐに着替えられるようにしたり、そもそも汚れを気にしない服にするという手もありますよ」
「そばに人が来る事を必要以上に気にしてしまうのも、少しずつ 少しずつ慣れていくはずです。視野もこれまた少しずつ広がってきている最中ですからね」

 一見、良くないことのように思える行動が実は成長過程だったりすることはよくあります。おとなしくて穏やかでおもちゃを取られてもメソメソと泣くだけだった子が、嫌なことがあると大声を出して威嚇するようになった、、、なんて、ある意味成長でしかない。自分の気持ちを出す事が出来るようになったって事だから。それでもそうなったらそうなったで、正しい気持ちの表出の仕方を教えてあげなきゃ、と試行錯誤するのですが、、、。
 そんな話もまた今度。

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