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ドンカバチョ足るを知る

リモートワークが前提になり、企業研修やワークショップも全員がリモートで参加するスタイルになってきた。

私自身も、研修コンテンツをリモート用にカスタマイズしたり、素材の仕込みをしたり、事前脳内シミュレーションをする機会が増えてきた。

これまでの対面研修のコミュニケーションは、受講者の顔色や声のトーンから満足度や理解度をなんとなく把握していた。
これらは誰しもがそうだろうが、家庭や学校などでの圧倒的なコミュニケーション量から学んでいたんだろう。

しかしリモートだとそうはいかない。圧倒的に経験が少ないのだ。
講義する側も受講する側も、慣れていないため集中力が必要になってくる。
これまでの日常になかったことなので、かなり疲れることを、みなさんも経験しているだろう。
対面研修と同じモードで丸一日8時間実施すると、お互いに疲労する。終わった後は、対面研修以上に極度の放心状態になってしまう。これは肉体というよりも精神的に疲れるのだろう。集中力を維持し続けようとすることによって、脳みそが疲れる。

そのため、研修ではリアクションを多めにしたり、共感ポイントを設計したり、休憩時間や雑談タイムを入れている。人生相談になることもある。それでいいのではないだろうか。

がんばり過ぎないための「余白」を作るということ。


「がんばり過ぎない」ことは、もしかしたらこれからの働き方のヒントになるのかもしれない。がんばらずに同じ結果を出す。

そんな生き方を見たことがあった。
その昔、オーストラリアに住んでいたことがある。
土曜日や日曜日にはビルボード系のミュージック番組やスポーツ番組ばかりを放送していた。国内で制作している感じが少ない。英語圏なので、米国や英国からの輸入で済ませられる。放映権を買ってくれば良いのだ。
ただし法律でX%以上は自国で作らないと自国文化が廃れるということで、ある程度は国内で制作しているらしい。真実かどうかも真意も知らないけど。

でも、働く必要がないときは働かない。すごく合理的な考え方だとも思う。

こういう頑張らない働き方も、時には必要なのではないか。
今回のことがキッカケで、こういった合理的な考え方も発生するのではないかと思っている。決して怠けることではなく、時間をかけて頑張るのではなく、結果を必要最小限で出そうという感じ。

「知足者富」(足るを知る者は富む)

老子の言葉らしい。

こんな時代だからこそ、リモートワークで成果を出そうとして、長時間働いてがんばりすぎている人は、立ち止まって考えてみるのも良いと思う。

竹内まりやさんの「幸せのものさし」に「知足者富」と同じような歌詞がでてくる。

足りないもの数えるくらいなら 足りてるもの数えてごらんよ!
Count what you have now, don't count what you don't have

しあわせのカケラは、きっと身の回りにたくさん落ちているんだと思う。

そういえば、はじめてこの詩を聞いた時、「don't count what you don't have」の英文が聞き取れなくて「ドンカバチョ」って何だ?と思っていた。いい思い出。

この記事は緊急事態宣言アドベントカレンダーの15日目の記事でした。

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