見出し画像

この納豆、賞味期限が切れているね

ふりかえりをファシリテーションしたり、ふりかえりの研修・ワークショップを実施する際、良く発生する話題を扱ってみたい。「関心事」の表明である。

ふりかえりで記載した内容が単なる良いことや悪いことで記載が終わってしまう。考えを表出している事自体はすごく良いのだが、もう一歩解像度高く表現したいところだ。

朝の食卓の夫婦の会話の例
夫:「この納豆、賞味期限が切れているね
妻:「私が食卓に出したことに対して責められている。ムカ!」(心の声)
妻:「朝ご飯、食べなくていい!」(激怒モード)
夫:「え、え、え、なんで?なんか悪いこと言っちゃったかな。違うよ違うよ」(タジタジ)
夫:「なんであんなこと言ったんだろう??責めるつもりなんかなかったのに。俺の関心事は、えっと」(心の声)
夫:「あ、さっきのニュースでやっていたSDGsのフードロス削減に貢献できているじゃん」(冷や汗)

夫の「賞味期限が切れているね」の関心事がキチンと表現できていないので誤解が生まれてしまった。
発言側と受け手側では関心事の解釈が異なっていたのだ。
ポジティとネガティブを正反対に解釈されると不満や喧嘩の元になることは容易に想像できる。
夫としては、「フードロスに削に貢献できた」というポジティブな関心事として発言していたのに、妻は「なんで食卓に出すんだよ!」と責められていると受取り、喧嘩が勃発するのだ。
今回の例のように言っている本人すら、関心事に気がついていない場合もある。やっかいだ。

ふりかえりでは、この関心事を伝えないと、間違った方向の解決策へと導かれてしまう。
メンバー:「残業が続いている」
上司:「そっかお腹空いているよね。デリバリーサービスでハンバーガーと牛丼頼もう」
メンバー:「ごちそうさまです!」
メンバー:「で・でも、そっちの対策ではなくて早く帰りたいんだよ!」(心の声)

なので、関心事として、キチンと「時間」「早く帰りたい」「プライベートが大事」ということまで、解像度高く発信していかないといけない。

その発言の関心事ってなんだろう?
時間のこと?、プロセスのこと?、コストのこと?、成果物のこと?、コミュニケーションのこと?、承認フローのこと?、上司のこと?、品質のこと?、メンタルのこと?
それを考えるのが、ふりかえりの時間なのだ。事前に用意しておく必要はない。

みんなで一緒に関心事を考えよう。
だって、その話、本人でさえ関心事がわかっていないんだから


この記事は、「Red Journey Advent Calendar 2024」の17日目の記事でした。

Red Journey Advent Calendar 2024


いいなと思ったら応援しよう!