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2001年 「アランジムービー」ロードショーそしてアランジビル完成

アランジアロンゾ設立11年目! ということは、そう10周年イヤーです。気合を入れていろいろやりました。気合いれすぎて空回ったりもしましたが。

10周年

2001年の4月で会社設立から10年経ちました。10周年です。

アランジ ムービー

アニメーションの制作は根気のいる作業です。ぬいぐるみをちょっと動かしてはカメラを回し、またちょっと動かしてはカメラを回すというくり返しです。1秒間に何回それをするか、根性の差によって違います。

なめらかに生きているように動かすには、えらい根性入れて細かく動かす必要があります。でも、人間の目はいいかげんなので、多少ぎくしゃくした動きでも見ているうち、ああ、ぬいぐるみが生きてるようだ、と錯覚するようにできています。私達はそっちに賭けました。技術的には、かなりおおざっぱな作り方だったと思います。

人形や、クレイのアニメーションには、尊敬するすてきな作品がいくつもあります。技術的にも、心のこもり方にも、うっとりします。それはまさに、私達の大好きな職人の世界です。

私達はアニメーションに関しては素人です。技術的に張り合おうなんて、そんなのめっそうもありません。ただ、素人には素人なりの、アランジにはアランジなりのやり方があるはずです。

ぬいぐるみが動く! 自分達の手で動かす事が出来る!すごい! 楽しい! 描いた絵が動く! すごい! 楽しい!

気持ちの中では以前から生きているように動いていたキャラクター達ですが、目に見える形で生きてるみたいに動くのです。そんな単純な喜びと、動くことで表現できるアランジのイメージの新たな面を、見てくれる人と共有したいと思いました。

手法もアニメーションだけにこだわらず、きぐるみや静止画像などいろいろです。短期間で集中してつくりました。スピード感のある仕事でした。つくった映像はDVDとビデオにして、てんらんかいで上映しました。

毎年違うテーマで開催するてんらんかい。毎年色々な分野の人に助けてもらってつくっています。この年はアニメーションのプロや、映像編集のプロの方にずいぶんと助けてもらいました。

ムービー

キャプチャー

そしてなんとアランジムービーは今でもYouTubeで観れるんです!https://www.youtube.com/channel/UCNsS2VNvVAEF9kIaVr3Ey-g


このころの商品たち

フィンガーテン

10周年記念の指人形。なぜ指人形なのか?手の指が10本だったからです。


チョコ

バレンタイン用においしいチョコ屋さんでチョコレートをつくってもらいました。おいしいものはいいですね。でも生チョコちゃんはバレンタインにもらうとちょっとこわかったかもしれませんね。「こいつオレのこと嫌いなのかな?何かわるいことしたかな?」と思われてしまったかもしれませんね。


カッパ本

10周年記念でアランジアロンゾの10年間を綴った本を出しました。設立から10年分はこの本をもとにしてnoteの記事をかいています。ほぼそのまんま流用です。


アランジ アロンゾ ビルヂング

東心斎橋のアランジ本社は、バラバラでした。まず、ショップ、それからショップの上は倉庫兼、作業場、そして事務所機能は別の近くのビル。ねずみが天井裏を走り回る、今どき珍しい、古い趣のある(?)ビルに『さいとう仕事部屋』『よむら仕事部屋』『通販、卸し担当者の部屋』と、小さい部屋を3部屋借りていました。仕事の打ち合わせは近所の喫茶店です。バラバラしてなんだか不便でしたし、家賃もバカになりませんでした。

よし、引越しだ! アランジ ビルだ!ビルといえば会社をつくった最初の頃、210円で買ったおにぎりとお惣菜を2人で分けながら「アランジアロンゾは会社だから、そのうちアランジ ビルをつくりたいよね」「アランジ ビルつくるなら、やっぱり安藤忠雄(気持ちが大きくなっているのでよびすてです)に建ててもらいたいね」と話していました。2人とも安藤忠雄さんのつくる建物がとても好きだったのでした。

でも連絡先がわかりません。ハローダイヤルに聞いてみました。教えてくれました。

「……きっと無理だからやっぱりやめとこうか?」「無理かもしれないけど、ビルを建てるなんてめったにないことだし、ずっと憧れてたんなら聞くだけでも聞いてみないと損だよ」それもそうです。

ビルが完成しました。街で見かけるビルは数ケ月であっという間に建っていきますが、アランジ ビルは「いつできるのかな?」「いつできるのかな?」と初めて電話した日からだいたい2年経っていました。

途中、何度も一流の仕事を目にして「やっぱりここにお願いしてよかったなぁ」と思いましたが、完成したアランジ ビルに入った時は、その存在のきれいさや立派さに、改めてびっくりして「やっぱりここにお願いしてよかったなぁ」としみじみ思いました。

ただ、こんなすてきすぎるビル、自分達には分不相応なのではないか? 『分不相応』という言葉が頭の中でぐるぐるまわりました。分不相応にならないように、よい仕事をしていかなくてはなりません。

アランジ犬てつも、もちろんアランジ ビルに越してきました。

ビルオープンちらし

ビル店内

てつ

てつもいい仕事するわん。


広島店オープン

広島はいいところらしい、という話をきいて広島店を出すことにしました。店長はさるくんです。

台北の店にひき続き、広島店もフランチャイズでの展開です。いつもお世話になっている雑貨屋さんが広島にお店を出すことになりその一角でのアランジショップでした。

うなされそうになるほど白い箱をたくさんつくってディスプレイしました。

が、もろもろの事情でその後1年ちょっとで閉店。持ち帰った、たくさんの白い箱は今でもあちこちで生き残っています。広島店の生き残り、とよんでいます。

広島DM

広島店内


アランジ カフェ大失敗

アランジ ビルの地下はアランジ カフェです。開店2週間でいきなり休業してしまいました。

しばらくして再開したものの、やっぱりいろいろあって、いろいろいろいろ悩ましいことがあって、またも休業。

おいしくて、安心な食べ物、飲み物、手を抜かない心のこもったおもてなし、心地よい空間に音楽、志は高く高く、世界中のどこにもない、すてきなカフェ!休業にいたった言い訳はたくさんあるのですが、ともかく失敗は失敗です。スタッフが過労で倒れるなど、あってはならない事がいろいろ起きました。気持ちがとても落ち込みます。とてもとても落ち込んでいきます。カフェ以外にもやらなくてはいけない仕事、やりたい仕事はいっぱいありました。でもその落ち込みは気持ち全体に感染していきました。そういう時の口癖は「……難しいなぁ」です。世の中には難しい事がたくさんあります。

でも、大丈夫です。私達は基本的には、多分、楽観主義者です。『よい時もあれば、わるい時もあるよ』失敗したけど、やりなおせばいいや。世界中、どこにもないすてきなカフェ、いつかまたつくれる日がくるかもしれません。

カフェジュースも


この後カフェ失敗したーの気持ちは思ったより長びきました。ただただ前のめりの10年間でしたが、ちょっと減速したり、立ち止まったり、迷走したりの時代の始まり2002年に続きます。

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