1999年 「みんなのお部屋アランジスタイル」つくりました 「職人さん」や「広告屋さん」ゆかいな仲間もふえてきた
アランジアロンゾ設立9年目! いろんな人をまきこんで、いろいろ大がかりなことになってきました。
アランジ スタイル
「今年もてんらんかいを」そんなふうにいってもらえるのは、嬉しいです。でも、昨年と同じ事をするわけにはいきません。もっと楽しい物にしなくては。どうしよう。自分達の得意な事、好きな事、やりたい事で勝負するのが筋というものです。そうそう、私達は内装工事が好きだった。キャラクタ-達の部屋をつくるのは楽しいよ、きっと。壮大な計画が進みます。他の仕事をほっぽりだし、電気ノコギリをにぎります。
いつも、内装をお願いしている人にまたお願いをしていっぱい助けてもらいました。歯がグルグル回る丸ノコや、空気の圧力で釘が飛び出る道具等の使い方も教わりました。絵を描く道具や、ミシンや裁縫の道具など、道具は大好きです。道具フェチに大工道具も加わりました。
楽しい! もともと、ものをつくるのが好きな私達、あんなものや、こんなもの、思いきり工夫して、好きなようにつくれるのです。しんどいよー、楽しいよー。ペンキやおがくずにまみれて朝から晩まで作業場にこもり続けました。
てんらんかい『アランジ スタイル』は昨年に引き続き全国6都市で開催され、大好評でした。よかった。
趣味でつくったものを、あんなにたくさんの人に見てもらえて、おまけに、グッズや本を買ってもらえて、私達は幸せ者だなぁ、しんどくて弱音を吐きまくってた事など忘れてしまうのでした。
てんらんかい『アランジスタイル』の部屋をつくった作業場。実はこの場所、現在アランジビルが建っています。
もちろん、てんらんかい限定グッズつくりました。「よい品だよ」キャラクター本人が自分の部屋で使っているのだから間違いありません。
職人さん
会社を始めた最初の頃は、何か商品をつくろうと思っても、つくってくれる製造業者さんを探すのがたいへんでした。つくる数も少ない上に、アランジ アロンゾは変な会社名だし、私達も『信用のおけるしっかりした人物』っぽくなかったからです。どちらかというと、『バカにされがち』『軽んじられがち』な私達です。そんな中にあって、バカにせず、軽くあしらわず、信用して話を聞いてくれた業者さん達と商品をつくってきました。
この頃になると、こんな商品つくれますよ、と新規の業者さんが訪ねてきてくれるようになりました。自分達だけでは考え付かなかったような業種のものもありました。
私達は『職人さん』という言葉にとても弱いです。きっと、『職人さん』に憧れているからだと思います。かっこいいなー。日本には昔から、芸術家ではなく、職人さんが似合うような気がします。けれども、私達は憧れの職人さんになるには、あれもしたいこれもしたい欲やら怠け心やら、いらんもんがいっぱいありすぎます。いつかは、なりたいものです。
そんなわけで、職人さんに弱い私達、京都の職人さんのつくってくれる扇子や、江戸から伝わる製法でつくってる手拭い、徳島の蔵元でつくるお酒など、職人さんアイテムが増えてきました。
どれも自分達だけではつくることの出来ない物です。物をつくるのはやっぱり楽しいです。
徳島の蔵元さんでつくってもらったお酒。おいしいお酒を何種類かつくってもらって、さらにアランジのスタッフで試飲会して決めました。お酒はやっぱり楽しくなくっちゃ。
扇子は京都の老舗の扇子屋さんでこさえてもろたんどすえ。手拭いはお江戸東京の手拭い屋さんでつくってもっらったんでぃ、こんちくしょう。
縫製屋さん、刺繍屋さんなどもなるべく国内の業者さんにお願いしていました。数がそんなに多くないので海外生産が難しかったのもありますが、直接お話ししていろいろ教わったりしながらのものづくりは楽しいです。白熱のあまり電話口での本気の言い争いも一度や二度ではありませんが。
広告屋さん
それまでも、広告の話は時々ありましたが、たいていは、なんだかやらないほうがいいような気がしてお断りしたり、おもしろそうなのでやらせてくださいなと思ったら、プレゼンで落ちてしまったりしていて、なかなか形になることは少なかったです。
それに私達はずっと自分達の好きなように、カッパやパンダ達を育てて、誰に文句言われるでもなく、好きなように商品をつくってきたので、広告主さんや広告代理店さん達との共同作業は、なんというか、その、つまり、とても苦手なのでした。
時には、キャラクターを消耗品として捉えていたり、カッパ達を勝手な解釈で動かそうとしたり、「違うんです」、それを説明するため私達は、うるさい人になったり、逆にどうしていいかわからず石になってしまったりします。
だから、その広告代理店の人からの電話もお断りをしようと思いました。が、「うそつき、でやりたいんですよ」。うそつき、うそつきを広告に? テレビに? 大きなポスターに? 楽しそうです。うそつきの喜ぶ顔が目に浮かびます。うそつきは脇役で人気もそんなにありませんでした。でも、うそつきはいい奴です。そんなうそつきに目をつけてくれた人はいい人に違いない。
私達が広告に関しては、かなりやっかいな態度をとってしまう事などを説明して、それでもいいのならやらせて下さいとお願いしました。
絵コンテから、フエルトでつくったうそつきをコマ撮りで動かすのまで、私達のうそつきのイメージを尊重してもらえて、楽しく制作が進みました。
そうです、広告は苦手なのですが、普段出来ないような事ができたり、苦手な人との出会い以上に、おもしろい人との出会いがあったり、新しい事にチャレンジできたりと魅力もたくさんあるのでした。
うそつきが広島の路面電車で!しかもお花つきの花電車に!うそじゃないですよ。本当ですよ。
大和銀行さんの通帳に使っていただいたイラスト。やっぱり通帳はこうであってほしいなぁと思い、力を込めて描きました。
スリムボーイくん
スリムボーイくんはコインを入れて、がちゃがちゃとハンドルを回すと、カプセルが出てくるすてきな機械です。その中味をつくりませんか?とお話をいただいた時、全国にちらばるスリムボーイくんの人数の多さにびっくりして、「そんな大それた事は出来ません」とお答えしたのですが、「それなら、ひとつ、スリムボーイくんをあげましょう、好きな物を入れて遊んで下さい」とおっしゃって下さいました。なんて太っ腹なのでしょう! こうしてスリムボーイくんと私達は出会いました。
そして、スリムボーイくんと遊ぶのは楽しかったのです。何が出てくるかわからない楽しさは想像以上でした。お客さんも楽しんでくれましたが、つくる私達も色々な柄がつくれて(マイナーキャラやへんてこな絵やお気に入りの絵など)愉快なので、ばかみたいにたくさんの種類をつくりました。
初代スリムボーイくんたち。何も書かれていない水色のスリムボーイくんに直接ペンキでボーイたちを描きました。「スリムボーイくん」のキャラクターはここからです。最初は天然パーマのボーイやごましお頭のボーイもいたんですね。
お店の季節イベント
ショップ用につくったポスターです。サルくんはキズモノセールが気に入ったらしく、毎年キズモノセールの時期になるとキズをつくって販売促進にはりきります。ショップ恒例の季節毎のイベントが定着してきました。
お店も、てんらんかいも、新商品も、でかせぎも、もっともっともっとがんばらなくちゃでぐるぐるになりながら2000年に続きます。