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レビュー《TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション》@東京国立近代美術館

こんにちは。
毎日編み物をしながら暮らしたいアランアミです。

平日の昼間に1人で展覧会に行ってきました。

TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション

パリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館のコレクションから共通点のある作品でトリオを組み展示を行うというユニークな企画。

出品作家は110人!
人も絵も彫刻も比べてみるとわかることがたくさんある。

子どもと来ても楽しそうな展覧会だった。

20世紀初めから現代に至るまでのアート

「モダンアート・コレクション」なので時代は20世紀初めからスタート。
新しいものだと2000年代の作品もあった。

今回はオーディオガイドを借りながら展示を見て回っていたんだけれど、その中で「アートは社会性を孕むので」みたいな内容があったと思う。
もしかしたらガイドじゃなくてキャプションに書いてあったのかもしれない。

20世紀って激動の時代だったんだなぁと作品を見ながら思う。
生活様式も価値観もガラッと変わった。
科学の発展でスピード感のある作品があるかと思えば、夢と現実のはざまみたいなふわふわした絵があったりする。

西洋絵画で長く描かれてきた神話や宗教がテーマの作品ではなく、20世紀のアートはどれもこれも生活の中から生まれて来たんだなと思った。

気になった作品

◯ユトリロ

モーリス・ユトリロ《モンマルトルの通り》1912年頃
モーリス・ユトリロ《セヴェスト通り》1923年これ

ついつい目が行く。

◯都市のスナップショット

モノクロ写真ってすごい色気があるよねって思う。
今はスマホで気軽に写真が撮れるけど、フィルムカメラの時代に日常のなんでもない場面を切り取るって重みが違う気がする。

◯モダンガール

左: 早川良雄《第11回秋の秀彩会》1953年
中央: パブロ・ガルガーリョ《モンパルナスのキキ》1928年
右: 杉浦非水《東京三越呉服店 本店西館修築落成・新宿分店新築落成》1925年

映画とかで見かける1920年くらいの「モダンガール」が好き。
クロッシェ帽にショートで独特のウェーブがかかったヘアスタイル、女性の凹凸を強調しないストンとしたワンピース。

英国貴族ドラマの『ダウントン・アビー』みたいな。アマプラで無料にならないかなぁ…。


◯デュフィ《電気の精》

パリでオリジナルサイズを見たい。
色はファンシーなのに、描いているのは人類の歴史と進歩っていうのがギャップがあって面白い。

◯都市のグラフィティ

佐伯祐三《ガス灯と広告》1927年
ジャン=ミシェル・バスキア《無題》1984年

「広告」も近代アートのキーワードだよねと思う。

◯夢と幻影

マルク・シャガール《夢》1927年
中央: 三岸好太郎《雲の上を飛ぶ蝶》1934年
右: サルバドール・ダリ《幽霊と幻影》1934年頃

きれいだけれど、なんとなく不穏な雰囲気。

◯有元利夫《室内楽》

有元利夫《室内楽》1980年


「現実と非現実のあわい」というテーマで展示されていた。
あわいって?と気になり調べたら「間(あわい)」だった。ちゃんと予測変換で漢字が出てくる。

この《室内楽》は過去と今、西洋と東洋の間を描いたような作品だなと思った。
正直パンフレットで見かけたときは興味なかったけれど、実物を前にしたら気になって仕方がない。

◯藤田嗣治

フジタの作品は好きな作品と苦手な作品がはっきり分かれる。あくまで私にとってだけれど。同時に展示されていた《少女》は苦手だけれど、こちらはわりと好き。

藤田嗣治(レオナール・フジタ)《5人の裸婦》1923年
フジタといえば猫のイメージだけど、この絵は犬の方がいい顔してた。


◯有機的なフォルム

ジャン・アルプ(ハンス・アルプ)《5つの白い形と2つの黒い形の配置》1932年
右: 岡本太郎《コントルポアン》1935/1954年

アルプの作品がなんか好き。

◯ロスコ

マーク・ロスコ《ボトル・グリーンと深い赤》1958年

ロスコ、好き。
でもどこで最初に見たのか覚えていない。
今回の展覧会では「色彩の生命」というテーマで展示されていた。
「有機的」ってロスコの作品にも言えると思う。

◯軽やかな彫刻

写真は撮っていないけれど、影も含めて作品だよ!みたいな作品が3点紹介されていた。
モビール作品も好きだな。
素材は無機質なのに組み合わせて飾ると有機的。
後半の展示は「生きていないけど、生命力がある」みたいな作品が多い、気がする。

◯ミスブランチ

倉俣史郎《Miss Blanche(ミス・ブランチ)》1988年

びじゅチューンで見たことあるやつ!
子どもたちに写真を見せたら羨ましがられた。

◯奈良美智

奈良美智《In the Box》2019年

220×195センチの大型作品。
「ポップとキッチュ」というテーマで展示。
奈良美智の作品は「キッチュ」だと思う。
好き。

忘れてしまう前に!と駆け足で感想を書きつけた。
図録も買ってきたからこれからまたゆっくり読みたいと思います。

ではでは、良い1日を〜

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