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クルマと同じ道をスイスイ・ガタンゴトン:宇都宮ライトレールに乗ってみた

 三連休の中日にクイズ例会で宇都宮へ。夜は新年会が行われ、クイズ界隈の話で大いに盛り上がり、そ今年もクイズを沢山楽しもう、となってお開き。その日は宿を押さえてたのでホテルへ。

 と、すぐそばの道を見ると、

 おお、これか。夜は22時近くだというのに結構乗ってる。少なくとも座席は埋まってるようだ。
 折角だから乗ってみよう。


 翌朝、宇都宮駅へ。

こう見ると目立つなぁ。

 独特のカラーリングはライト=雷都や「光の道筋」をイメージしたものとなってます。が、早い話がコレ「黄色と黒」なんですよ。といっても勇気のしるしではない。
 黄色は有彩色の中で最も明るい「進出色」で、黒は逆に最も暗い「後退色」です。目立つ色に目立たない色を組み合わせると、目立つ色がより目立つようになるのだとか。この仕組みを利用したのが踏切や道路工事の看板。雷都をイメージした配色が、図らずも道路上で存在感を放つものになっていたようです。路面電車に馴染みのなかった街には、これが丁度良かったのかもしれません。

 では乗ってみましょう。祝日朝9時半頃の電車でしたが、座席はほぼ埋まり立ち客も多め。乗車率高めですね。
 電車はゆっくりと進行していきます。フィーン、という独特のモーター音。低床車ということもあるのか視点はそこまで見下ろすような感はなし。なんならバスより低いか。
 そんな車両が駅から伸びる大通りのど真ん中をスイスイと走っていきます。道路なのに、聞こえてくるのはモーター音とガタンゴトンというレールのつなぎ目を過ぎていく音。至って静かなうえに走行中はほぼ揺れません。余り体感したことのない乗り心地です。しかしこれはクセになります。実に良いです。

 速度は40〜50kmくらいなので、街中を走る車とさして変わりません。ですが信号は路面電車に合わせているためか、交差点もささっと通過していくため至ってスムーズです。
 10分ちょっとで宇都宮大学陽東キャンパス停留所(ベルモール前)に到着。ここで結構な数の方が降りていきます。若者が多いな。ベルモールはライトレール開業後に利用客も増えたと聴きます。やはり利便性が良くなったからでしょうねぇ。

 路線の乗り潰しは考えてなかったのて、どの辺まで乗っていようかなどと思っているうちに、街並みは平石の陸橋を越えたあたりからたちまち郊外の風景へと変わっていきました。やがて電車は鬼怒川を渡ります。

 川を渡ると丘陵地帯。住宅街もあり田畑もあり。高低差がある中を切り通しや坂道のある線路でグイグイと走っていきます。パワフルだなあ。
 さてどの辺まで……あ、ここにしますか。

清原地区市民センター前停留場
乗車時間は25分くらいか
乗ってきた電車を見送る

 ここは地域のコミュニティバス路線との接続も出来るトランジットセンターにもなっています。

 周辺は行政センター以外だと、市の運動場と工場があるくらい。ただスポーツ施設があるためか、マラソンしてる人を結構見かけましたね。特に目立つものは無いものの、乗換え施設ということもあり、公衆トイレと待合室があります。

待合室にはデジタルサイネージと
空調設備付き。待ち時間も快適に過ごせます

 もうすぐ駅に戻る電車が来るな、というところで他のお客さんが少しずつやって来ました。親子連れ、かつてお嬢さんだった方のグループ。乗車時、よく見るとそのお嬢さん方はスマホにバッチリとモバイルSuicaを入れていた。アタシ残り金額が少ないのよねぇ、などと話をしつつ。見てた限りだと、現金で乗ってきてる人はほとんどいませんね。開業直後は現金の人も多く降車に時間がかかった、という話もありましたが、あれから一年以上、もうそんな混乱は無いようです。

 再びベルモール前へ。清原・芳賀町方面からのお客さんはここでも結構降ります。夕方になるとこっちの方がより混むのかな。いや、逆に芳賀町方面へ帰る人も多いだろうし、どんな感じになるのか。
 そして宇都宮駅東口へ。電車は折り返しで発車しますが、既にホームには乗車待ちの状態で数十人ほど並んでいます。若い子が多かったから、やっぱりベルモールかな。いずれにせよ利用客が多いのは確かです。

 以前も書いたと思いますが、利用客が予想を上回ったのは休日の乗降人数が想定よりもはるかに多かったからなんですよね。
 休みの日に街へ出よう、大きな商業施設へ行こうと思った時に「じゃあ交通手段は?」となるんです。これまでは自家用車、バス、自転車とかを使えばよかった。しかしここに路面電車が加わった。定時性は高い上に、本数も日中毎時5本と利便性もバスより向上。そんな交通機関が、車社会の街に出来たらどうなるか?
 普段は通勤で車を使ってるけど、街とか駅に行けるのなら休みの日はそっちに乗ってもいいよな、となるんですよ。駐車場を探したり待つ必要も無いし、適当な時間にきてもすぐ次が来るから余計な手間もストレスも無いんです。これが勝因だろうと勝手に考えてましたが、実際乗ってみると決して思い込みではないと確信を得ました。

 そして宇都宮ライトレールは次の段階へ進もうとしています。駅西側への延伸です。

鉄路はここで途切れてますが……
延伸を見越したスペースが用意されてます

 西側の目抜き通りを路面電車が走る日は……いつ来るでしょうか。


 

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