見出し画像

キャプテンウルトラ第22話「怪獣軍団あらわる!!」

 最終回を目前にして、一話完結スタイルから続きモノへと変わりました。登場するのは蘇った怪獣軍団! 

 光波ベルト。それは光の速度で一瞬にして物体を転送可能な装置である。ムナトモ博士の指揮のもと、ボストニア星のバロン宇宙センターにおいて開発され、今日はロボット・ハックを用いたシルバースターへの転送実験が実施されようとしていた。
 当のハックは怯えてばかりだったが、実験は大成功。これで宇宙における救援活動は容易になる、と確信を得たムナトモ。だが気掛かりなことが一つあった。特定のエリアで宇宙船の遭難事故が相次いでいたのだ。
 そんな中、宇宙貨物船808号はかつて遭難し行方不明となったブリタニア号と遭遇。不信に思った貨物船によって拿捕されるも、内部にはなんと宇宙人……倒されたはずのメタリノームが! 貨物船はSOSを発するも撃墜されてしまう。
 メタリノームはとある惑星へと降り立った。人類への復讐を誓ったかと思うと、今度はなんと過去に倒されたはずの怪獣たちが蘇ったではないか!
 ゴースラー、アメゴン、キュドラ、ウルゴン、シャモラーの5体は再び命を得た。メタリノームは「今こそ復讐の時が来た」と鼓舞し5体の怪獣を連れて出撃を開始する。目標はボストニア星のバロン宇宙センターだ。
 急襲された宇宙センターはすぐさま怪獣ゴースラーへ光波ベルトを浴びせ、瞬く間に宇宙の彼方へと飛ばしてしまう。怒ったメタリノームは残った4体による同時攻撃を開始。その猛攻を前に形成不利と見た宇宙センターは、防護壁を出現させると同時にシルバースターに救援要請を送った。直行するキャプテンたち。
 怪獣軍団の陣頭指揮がメタリノームだと知ったキャプテンは、その狙いが光波ベルトにあると気付く。もしも奪取されればどこへでも怪獣を送り込めてしまう。その野望は何としてでも阻止せねばならない。そこへ、ついに怪獣軍団が防護壁を突破したとの報告が入った! キャプテンはメタリノームの野望を阻止できるのか?!

 再生怪獣勢ぞろいの画は、後に東映が制作した『仮面ライダー』シリーズや『人造人間キカイダー』といった変身ヒーローでも定番の構図だ。同時期に作られた『仮面の忍者 赤影』にもやはり倒された怪獣が復活、という展開があるものの、怪獣が登場したのは第三部以降(67年10月以降)なので、本作がその元祖といえよう。
 着ぐるみの使い回しとはいえ、大迫力とピンチな画面を効果的かつ効率よく作れるのは、製作側にとっても良かったはず。とはいえむやみに再生させては無意味なので、やはり「ここぞ」という時に出さなくてはいけない。やはりクライマックスとなる話か、劇場版でのみ使えるテクニックだ。

 そんな怪獣だが、復讐に燃えるメタリノームに対して怪獣達はかなりコミカルに描かれている。復活して人類への復讐を誓ったら、いざやるぞとばかりに意気揚々と踊り始めるわ、アメゴンが気絶した仲間の怪獣に水をぶっかけて目覚めさせたら相手が逆に怒り出してケンカが始まるわ、とまあこんな調子だ。しかも怪獣の鳴き声に合わせて字幕付きで彼らの台詞が入ったりする……とはいえココも『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』に先んずること5年前にやってのけた、と受け取れなくもない。つまりは怪獣達の意思表示をそのまんま描いたのである。
 それに何よりただ怪獣を復活させただけに留まらず、きちんとその能力を使わせてるのはマトモだ。宇宙センターの防護壁は火炎放射も可能で怪獣達の進軍も止めてしまえるのだが、そこをアメゴンが水で消化してしまったり、宇宙の彼方へすっ飛ばしたはずのゴースラーがその能力を大いに活かして再び飛来するなど、そう簡単には終わらせないという意志を十二分に感じる。大抵の場合は出てきても即倒されて終わってしまうのだから、良い扱いをされているではないか。となると、唯一あまり活躍の場がなかったウルゴンの立場が無いのだが。

 しかし残る怪獣は3体になったとはいえ、ピンチに陥ったキャプテン。さあどうなる? という引きでエンド。さあ次回を待て!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?