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『キャプテンウルトラ』第16話「雷雨怪獣アメゴンあらわる!!」

 水を操るからアメゴン。このド直球な名前に垢抜けなさを感じるものの、物語は前回のコメット怪獣ジャイアンにも劣らずしっかりとしてますね。脚本はメインライターの高久進氏です。

 リミット星のリゾート地・カニスビーチで休暇を過ごすために来訪したアカネ隊員はひょんなことから少年・ツトムと出会う。彼の父母は著名な考古学者で日々宇宙を飛び回っており、両親と再開を待ち望んでいたツトムだったが、そんな彼の元へ「新たな仕事のため再開は延期する」の電報が。落胆したツトムはツトムはとうとう怒り出し、リゾート地の倉庫に収蔵されいてた古代人のミイラを「コイツらが悪いんだ!」と破壊してしまう。
 が、その瞬間突如としてミイラは宇宙原人として蘇った! 慌てて大人達へ知らせるツトムだが誰も信じてはくれない。さらに宇宙原人は湖ヘと向かい、リミット星の守り神と称する雷雨怪獣・アメゴンを復活させた。我が土地を荒らす人間達への復讐を近い、アメゴンに水のエネルギーを蓄えるよう命じて再び湖へと戻らせる。
 その様子を目撃したツトムだが、やはり大人達は信じてくれない。ついにツトムは自分の力だけで解決しようと動き出す。それを知ったアカネはツトムから事の真相を聞き出し、少年に協力を約束した。そして二人の前に、宇宙原人に操られたアメゴンが出現する。アカネからの救援サインを受信したキャプテンはシュピーゲル号でリミット星へ急行した!

 今回もキーパーソンは子供ですが、父母は考古学者で研究のためずっと留守番で一人ぼっちというのが話の肝。パパやママの仕事を理解こそしているけれど、孤独感は自分の中でどうしようも出来なかった。しかしそれゆえの感情がまさかの事態を生んでしまい、その責任をきちんと感じて受け止めている。この辺に、劇中では姿を見せていないが、考古学者の父母も決して研究一筋ではなく、我が子にちゃんと愛情を注ぎながら育ててきたのだと察しが付くのですね。この前提があるからこそ、たった一人でも立ち向かってやろうという少年の決意が活きてきます。

 蘇った宇宙原人役は、東映特撮作品でおなじみの潮健児さん。この怪しさ満点の演技は流石ですね。後に仮面ライダーの地獄大使も演じてますが、氏のフィルモグラフィーを見てみると「怪人の人間態」という役も凄く多いんですね。この人が「怪人が人間に化けた姿」なら凄く納得してしまうような、それくらいの個性の方。今回も蘇った古代人役がハマってて○。そして話の結末もちゃんと少年に絡めさせて、納まるところに納めてて○でした。

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