C104の戦利品紹介『特撮#001 Cute・森山いずみ』『特撮#002 Fight!・防人蛍』/麻宮騎亜
麻宮騎亜氏といえば『サイレントメビウス』である。といっても自分は詳細を知らない。ただ1990年前後、まだ自分が小学校高学年の頃に、テレビでアニメ劇場版の予告がガンガン流れていたのを覚えている。調べてみたら制作元に角川の名前が。当時は分からなかったが、今思えばその大々的な宣伝も合点がいく。
そして同人誌だが、この2冊はいずれも70年代特撮ヒーローブームで登場したヒロインにスポットを当てたもの。『Cute』はウルトラマンタロウ・ZAT隊員の森山いずみ(役:松谷紀代子)、『Fight!』は流星人間ゾーンのゾーンエンジェル/防人蛍(役:北原和美)の画集だ。
これが実に良くて……本当にキュートだしファイトなのだ。いや、両者共にキュートでファイトであり、森山隊員や防人蛍はこれほどまでに輝ける存在なのだ! という想いがひしひしと伝わってくる。
麻宮氏の絵柄は、90年代のそれよりも眼の描き方が変わったか。それでも90年代前半の、対象年齢高めのアニメ作品は大体こういう雰囲気だったな、と懐かしく思える。そのタッチで、さらに20年も前の特撮キャラをフルカラーで描いてくれる。こいつはたまらん。
個人的には『タロウ』が好きなので森山隊員はおなじみだが、改めて見ると白・青をベースに赤をラインとして入れ、かつミニスカートというのは当時としても斬新だったろう。今見ても奇抜だし何一つ古さが無い。再見時に森山隊員を見る目が変わってしまいそうである。
もちろん防人蛍も負けてはいない。21世紀初頭、特撮好きのオフ会で「リアルタイムで観ていた」という方が「防人蛍は最高だった」と語っていた。そんなに良かったんですか? と思っていたが、後に本編を観てその気持ちは分かった。そして今回なおさらそう感じた。余談だが第20話「無敵!ゴジラ大暴れ」では良いアクションシーンがある。機会があればどうぞ。
ちなみに松谷紀代子さんと北原和美さんは既に芸能活動から引退されている。あれから50年、今もお元気なのだろうか……
……さて麻宮騎亜氏の同人誌を紹介したからには、やはり例の件についても語っておかねばなるまい。
いろいろな意見を読んだが、好き嫌いを感じたのなら自分の中で批評し「自分の意見」としてまず「自分の所」で述べればいい。その意見に対して賛同及び反論は当然出てくるだろう。それが議論というもので、後はいくらでもすればいいと思う。
しかしそれを過度に、無関係な方向にまで進めてしまうのは駄目だ。
愛好者同士で激論を交すのなら無問題である。だが仮に議論とは無関係な人間まで巻き込むような発言、つまり誹謗中傷どころか脅迫同然(というかそのもの)の意見が出てきたら、先にそうやって仕掛けてきた側が「負け」である。
そういう意見(誹謗中傷や脅迫)を直接出さなければ相手にダメージを与えることが出来ない、と思った時点で「議論を無視し、捨てている」のだ。だから「負け」だ。
おまけに公式のコメントは、単に誹謗中傷を止めろ、法的措置も取るというものではない。以下の一文に公式の趣意が伺える。
どういう人達が直リプ(クソリプ)を送っているか、を我々は十分把握しているぞ、という明確な意見表明である。どこぞから麻宮騎亜氏の絵に対して火柱を挙げた人間がいて、そこに絵柄が好みでないと感じた「一部のユーザー」が便乗して騒いだ。それらがどんな人かも全部分かっている、と。
これでもう逃げ隠れも出来なくなったわけだか、散々吠えてた人たちはどうするおつもりやら……
なので自分としては、公式が動くと声明を出した以上、後は推移を待ちつつイベント海域攻略を目指し、最終回域を突破して麻宮騎亜氏による新艦娘と出会いたい。出来るのはそれだけだ。
あと、どこぞのまとめコメントで「この事態を招いた公式が悪い」と語る人もいたが、他人のせいにするとは何とも苦しい論説である。自身の考えを「思わされた」にすり替えるとは、アゲインストの風になったので身を交わします、と認めてるだけだ。流石に格好悪すぎないか。
……話は変わるが、かの大洗では「ガルパンさん」という言葉がある。ガルパンがきっかけで大洗に通い始め、気が付けば常連客(在住者までいる)になったマニアの方々を指す。しかし時には、実に迷惑でマナーがなってない輩も訪問してくる。そういう時に地元の方はこう語る。
「ああいうのは『ガルパンさん』じゃないよ」
この「ガルパンさん」を「提督」に入れ替えて欲しい。自分が言いたいのはそういうことだ。
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