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伊集院光さんANN復活!とTBSラジオ朝ワイド枠の行方

 伊集院さんのニッポン放送時代は『ANN』どころか『Oh!デカナイト』も含めて全く知らない世代です。しかし学生時代からTBSラジオの深夜枠を聴くようになりました。もっともTBSに合わせてたのは、NHKを除いた民放ラジオの中で一番電波の入りが良かったせいもありますが。とはいえ、ながらでも聴いているうち『深夜の馬鹿力』にドハマり。「だめにんげんだもの」等のネタがすっかりツボに入りました。自虐的ながらも男たちの悲壮に寄り添ってきた伊集院さんが、今ではすっかり「ラジオの帝王」と称されるまでに。勢いは全く衰えてませんね。

 改めて経歴を追ってみると、故・三遊亭円楽(楽太郎)師匠との関係が大きいです。身分を偽って出演していたのが問題視され、等の伊集院さんも落語家としては廃業状態になり師匠に合わせる顔が無かった。でも『馬鹿力』ではそれすらネタにして師匠から延々説教される回もあったはず。自虐の極みと言っていいくらいですが、当の師匠は「クビにした覚えはない。尊敬する思いがあれば、俺はお前の師匠だ」という姿勢を貫いており、2010年代になってからとうとう二人会を開催するまでに。昨年春の『らじおと』最終放送回では
「いつかはゲストとして師匠との二人会を宣伝するために来たい」
と語ってましたが、圓楽師匠の急死でこれも叶わぬ夢に。実現してほしかったなぁ、と思うこと然りです。

 しかし問題はその『らじおと』突然の終了劇。『馬鹿力』を熱心に聞いていた頃、どこかでニッポン放送との軋轢を知り「逃した魚は大きかったな」と思ったものですが、今度はTBSがやらかした。その辺の不満は以前にも書いた通り。終わらせる理由なんかどこにもないだろう、と。

 それでも次に始まる『ふらっと』は、そういう感情を抜きに、それこそフラットな想いにしてから聴いてましたが、最近は聴かない日も増え、気が付いたらYouTubeの解説動画を音だけ聴いてることも。のんびりと聴けるのはいいですが『ふらっと』はどうにも物足りない。味加減は悪くないのですが。パンサー向井くんも日替わりのアシスタントもきちんと仕事してるのに、どういうことでしょう? 東スポの記事では「(番組が変わった途端)聴取率がガタ落ちし、一時と比べれば数字は持ち直した」とフォローこそ入れてますけど、やはり逃した魚は大きすぎたとしか。

 改めて思うと『らじおと』は、リスナーをも巻き込んで一緒に楽しむ力が凄かったのと、マニア好みのディープな話ですら人口に膾炙するくらいのトークの上手さがありました。『らじおと』はメッセージテーマを設けるにしても一週間同じにすることで、後々になってから「そういえばこんな話が」「あれ、今まさにそのテーマぴったりな状況だよ!」と番組の時間外でも意識させるように仕向けてたんです。加えて『俺の五つ星』のようなリスナーの情報提供企画も一体感を産んでいたと思います。
 ディープな話についても、特に『アレコード』なんぞは朝から珍盤を流すというマニアなことをしつつ、一緒になって「何だコレは?」とリスナーと共に困惑しつつ楽しむ姿勢を貫いていた。そこが良かったのです。

 『ふらっと』でもリスナーからメッセージ募集をしたり「ふらっとフラッシュ」のようなコーナーもありますが、もっとリスナーを巻き込むような企画があってもいいはず。逃した魚は大きかったですが「一時と比べれば数字は持ち直した」というなら、番組開始から間もなく一年経とうとしている今必要なのは「逃した魚」からもっと学ぶことでしょう。
 もっとも、それが出来るのなら大きな魚を逃すことも無かったのですけどね。あと2,3年経った頃にTBSラジオの昼枠はどうなってるやら? もしその時点で『ふらっと』が終わってるようなら、もうTBSラジオを見切ってしまう人が一気に出てしまうかも……そうならないことを願います。

 


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