芸能界の訃報が多すぎる……
昨日の続きになります。
脇役俳優、といっても十把一絡げには出来ません。むしろ「脇を固める」役柄と呼んでいいほど重要で、最近はそこから主演の座にまで上り詰める方もいますが、蛾次郎さんに至っては最後まで「佐藤蛾次郎」という独特の雰囲気を持ち、それでいて誰かの脇にしっかり納まってる感が強いです。これはBSテレ東で寅さん映画の毎週放映を観ていたせいかもしれません。
あと「蛾次郎」という名前のインパクトも大きかった(もちろん本名ではない)。そのキャラと名前のせいかどうかは不明ですが、かつて『タモリのボキャブラ天国』に、ベロベロに酔っ払い完全に我を忘れてる姿で登場し
「♪壊れかけの蛾次郎~(壊れかけのRadio/徳永英明)」
などとネタにされていたのを思い出します。
特撮関係だと『恐竜戦隊コセイドン』のコセイドン隊メンバー:モリ・モリィ役でレギュラー出演。あとはかの迷作『北京原人 Who are you?』の轟博士でしょうか。遺伝子工学で蘇ったマンモスを飼育するという役柄でしたが、本作を愛してやまないみうらじゅん曰く「(科学として間違えているというツッコミに対し)あれは科学者じゃない、蛾次郎だから!」と。脇役として蛾次郎さんがいるのでなしに「蛾次郎がSFに出てる!スゲェ!」と思いながら観た方がいい、という意味だったのでしょう。
身体の具合もあって表舞台から少しずつ去っていき、本当にひっそりと亡くなられた。78歳、本当にお疲れさまでした。
この方もしばらくTVで観ないな、と思っていたら闘病のために表舞台から去っていたとは。数年前だと『ぴったんこカン・カン』でしばしばゲスト出演どころかセミレギュラー状態でひょっこり現れ、安住アナはもちろんこと、番宣や映画の宣伝で出演した他のゲストに山形弁で絡みまくってました。加えて泉ピン子まで出てくるとそれはそれは賑やかなこと。ただ決して鼻につかない程度のうるささを保ってて、個人的にはそこに好感を持ってました。これも山形弁を土台にしたキャラクターを上手く作りあげたおかげでしょう。
そうそう、あき竹城さんといえばかの「アレコード」でも一枚紹介されてます。シングル『年上かもめ』のB面曲「乱調花笠音頭」です。
A面曲を意識したジャケットとは真逆で「乱調」を謳うだけのことはある見事なまでのコミックソング。「男たちはしっかりせい! 親御さんはもっとしっかりせい!」と発破かけたり説教したりと上記したあき竹城さんのキャラの原点が垣間見えます。
「元気なあき竹城でお会いしたい」と一切公表せずに病と闘ったものの、残念ながらカムバックはならず……裏番組で『チコちゃん』を観てはいるものの、また『ぴったんこ』でお姿を拝見したかったですね。
そしてつい先日にはこの方も……
アイドル歌手としてデビューされてますが、一番記憶に残ってるのは日本テレビ『追跡』。情報番組ではあったものの取り上げる内容は多彩で、92年の末には『ゴジラvsモスラ』の宣伝も兼ね「ゴジラが好きになる30分」として特撮メイキングを追跡するほど。30分という尺ながらも実に密度の濃い両番組でした。そこで青島幸男氏と共に司会進行していたのが高見知佳さん。それとは違う回の動画を見つけましたが、改めて観ると口の達者な青島氏をアシストするどころかむしろ番組を仕切るほどの強さを感じますね。それくらいしっかりした方でした。
昨年の参院選に愛媛選挙区から出馬したものの、残念ながら落選。翌年の市議会議員選挙へも意欲を見せていた矢先の出来事。政治の場に出ていたらどんなお姿が見れたのでしょうか……
改めて、ご冥福をお祈りします。