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【ラジオ】アレコード備忘録 2021/10/06放送分

 1ヶ月ぶりに新曲登場。待ってました!の期待に答える内容でした。

・「おじいちゃんのヘ長調作品5番/上田吉二郎」

 A面が『上吉・豊子のハレンチ・アモーレ/上田吉二郎、武智豊子』とアレな界隈では有名(?)な珍盤。上田吉二郎は昔の『笑点』で林家木久扇師匠が悪役を演じる際によくネタにしていた。もっとも、自分にとっては『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』の金丸村長役の方。
 さて曲ですが、題名からして狙ってる感満載。何がヘ長調なのかと思ったらそのまんまかよ! 確かに「『へ』長調」だけどフザケ感満点で、それを全く音階の取れてない上田吉二郎ボイスで歌われてはもうかなわない。同年リリースの『老人と子供のポルカ』の影響はもちろん、テープ早回しのアングラ要素が加わって一曲目からお腹いっぱいです。
 なおラジオ内では「怪獣みたいな人」と称されていたが、先に出演した怪獣映画でも役をノリノリで演じていたらしく、カメラテストの際に監督さんが「今の演技、怪獣に負けてますよ」というと「そりゃいけませんな、じゃあもう一回」と笑っていたそうな。素晴らしい方である。曲はヒドイが。

・「猫とカツオ節/新川二朗」

 ググってみたら『猫と鰹節 ある詐話師の物語』なる映画がヒットした。主題歌か何かか?と思うも、映画の公開年は1961年で曲のリリースは1966年。レコードジャケットにそのような表記はないのでおそらく無関係なのでしょう。
 ただ詐話師(要は詐欺師)の騙し騙されというストーリーが、歌詞の「作り笑顔のその影で 札束数える招き猫」や「騙されたったら騙された」という部分と妙にシンクロして聞こえる。もっとも本編を観てないのでコレ以上は何とも言えませんが。曲も騙されたチクショー!ではなく「へっ、やられちまったか」てな感じで、当人はあまり凹んでないよね。多分また騙されるよ。

・「わたしハイシーAと申します/松尾ジーナ」

 松尾ジーナといえば『シルバー仮面』の春日兄妹・はるか役。どうしても特撮に絡めてしまうが、そもそも『シルバー仮面』のスポンサーはハイシーAの武田薬品(そもそもがタケダアワーの枠)という縁ですね。
 で、曲はというと……冒頭のナレーションで思いっきりシルバー仮面の宣伝してるぞ、おい! だから曲紹介の前に伊集院さん達が作品情報をしっかり紹介していたのか。おかげで曲が全く頭に入ってこないけど、改めて聞くと十分可愛い曲。ナレーションがなければ普通のCMソングだが、そのナレーションゆえに特撮的な価値も高いアレコードと化した。よくぞ探してきてくれた。これは貴重だ!

 ……これでおしまいと思ったら、え、4曲目? 今日は大盤振る舞いだ。

・「ダーク・ロック/ザ・スゥインガーズ」

 先程のタイアップとは違い、まごうことなき特撮ソング。『人造人間キカイダー』に登場する悪の組織・ダークのテーマ曲だが、主題歌や挿入歌ではなくイメージソングの部類か。実はキカイダーに関していうと『ギル博士の歌』という、組織どころか首領本人の歌もある。こっちもカッコいいぞ!

 さて『ダーク・ロック』だが、コーラス部分に関していえば上手さはそうだけど「ギルギルギル、ウッヒッヒー」と首領の名前をコーラスにして大丈夫なのかという気もする。もっとも戦闘員の掛け声が「ギル!」(仮面ライダーにおける『イーッ!』)であり、それを踏まえた曲だろう。にしても、実に楽しそうで良い。このノリで世界征服狙ってたのか?
 それにしても『ダーク・ロック』『ギル博士の歌』さらに水木一郎兄貴の『ハカイダーの歌』と、悪の側だけで3曲も作られてるのは特撮作品でも異例で、一方の正義側も『ぼくらのキカイダー』『キカイダー数え歌』と負けてはいない。当時の人気が分かるというもの。

 いやぁ、今日は主に特撮でお腹いっぱいだった。序盤の上田吉二郎でも相当だったのに。来週も期待してます!

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