キャプテンウルトラ第21話「電波怪人ラジゴン星人あらわる!!」
テレビ放送で衛星中継が実用化されたのは1960年代半ばで、本作の数年前。そこから「テレビは放送衛星が主流になる」という未来絵図を予測したとすれば結構な先見性である。実際、21世紀の初頭にはもう衛星放送による多チャンネル時代を迎えていたのだから。
今や衛星を用いずとも「ネット配信」という新たな通信網が確立され、おかげでこうやって毎週のように作品の感想を書けるようになった。であれば、今の時代にラジゴン星人が出現したのなら、間違いなくどこかしらのサーバーを乗っ取って、世界に自らの分身をバラ撒いていたに違いない。仮にNetflixを押さえてしまえば190ヶ国だ。世界征服など難しくはなかろう。
そんな敵に対抗すべく、なんとキャプテンがラジゴン星人の装置を逆に利用し、自らの分身を大量に生み出して戦う。このアイデアの良さよ。テレビから飛び出たヒーローとはまさにこのことか。
テレビ画面からラジゴン星人、そしてキャプテンが飛び出してくるビジュアルは、合成でなしに巨大なブラウン管テレビのセットを造っての撮影。この辺のアナログさがたまらない。ただ電波ケーブルの表現方法は実にシンプルで、普通に光る輪っかを用意するという……もしも当時の円谷プロだったら、こういったビジュアルも全部合成やアニメーション作画していただろう。あの会社ならやりかねない。
今さら気付いたが、本作の世界観だと火星・金星はもう地球人の移住先になっているのだな。そんな未来予想図もあったのだね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?