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#俺の特撮ファム・ファタールは「囚われたレイア姫」だった

 「#俺の特撮ファム・ファタール」なるタグが出回っていた。

 ファム・ファタール=その男性にとって運命の女性、またはその男を惑わす魔性の女、という意味らしい。特撮作品限定という縛りはあったものの、まあ反応が多いこと。正義の側はもちろん悪の側を挙げる人もいて、子供心に印象的、あるいは大人になってからハマったりと、この人がいたからこそ作品に惚れた、という人が沢山見受けられた。

 では自分はどうか? これを特撮作品に含めるかは迷ったが、

『スター・ウォーズ EpisodeⅥ ジェダイの帰還(復讐)』における、ジャバの親分に囚われたレイア姫

を推したい。

 前提として、まず前作『帝国の逆襲』の終盤ではハン・ソロがカーボン冷凍にされてしまい、彼に賞金首をかけたジャバの親分へと送られてしまう(※そもそもハン・ソロはジャバに対して借金を抱えていた)。そして本作ではレイアが彼を救出すべくジャバの根城へと潜入するも逆に捕らえられ、かのような姿にさせられてしまう。

 『ジェダイの復讐(あえてそう呼ぶ)』の初視聴は小学校の高学年か、あるいは中学に入った頃か。既にテレビで『スター・ウォーズ』『帝国の逆襲』を観た後だったゆえ、レイア姫の人となりは子供心にも分かっていた。プリンセスという立場ながらも帝国軍人に対して何一つ臆せず、気丈に振る舞いながらも、途中からソロと恋に落ちる姿はとても印象的だった。
 が、本作では突如として裏社会に放り込まれてしまい、首に鎖を繋がれたうえ肌もあらわな姿にされてしまう。それまで見せていた気高さとは全くかけ離れたさまを、始めて観たその衝撃といったら!

 とりわけ10代前半の自分は、その大胆な衣装から見えるお御足に芽が釘付けとなり、心底惚れてしまった。一体どれだけ世話になったか分からない……何がどう世話になったの? という部分はまあ、察してほしい。今見てもやはり魅力的だと感じる。
 気が付けば、オンエア時に録画したビデオを全編にわたって何度も視聴していた。それは大迫力の特撮と共に、このレイア姫の御姿をいくらでも見届けたいという想いがあったからだ。一時期は週末の度にこの作品ばかり観ていたため家族から呆れられたほどである。

 しかし囚われたとはいっても、そこは芯の強いレイア姫だ。
 やがて彼女とソロを救出すべくルークが現れたため、ジャバは彼を始末しようとするもルークの反撃に遭い、処刑の場は大混乱となる。レイアはその隙を突いて、なんと自らを囚えた鎖で逆にジャバの親分を絞殺してしまう。今までのお返しだ、とばかりに渾身の力を込めて鎖を引くその顔。個人的にはここもポイントが高い。そして最後、ルークと共にロープで脱出する時のお御足もまた良いのである。

 囚われの姿でいながらも気高く、仲間らと共に戦おうとする姿には格好良さすら覚える。それでいてこのセクシーさ。惚れずにいられるか! としか言いようがない。

 当のキャリー・フィッシャーはそれこそ波乱万丈の芸能生活を送り続けたが、新三部作で再びレイア姫役として登場すると知った時はやはり嬉しかった。しかし2017年12月末、突然の死去。あの時魅了された人物がかような形でこの世を去るとは、何と非情なものかと感じたものである。

 そしてここからは余談になるが、後に『ジェダイの復讐』は原題に合わせて『ジェダイの帰還』という副題へ変更された。それ自体はいいのだが、再見してみたらエンディング場面で大きな修正が施されていたのには正直驚かされた。特撮カットもそうだが、音楽がまるまる差し替わっていたのだ。
 いやいや、自分にとってのエンディングはそうじゃない! イウォーク族と協力して帝国軍を撃退し、彼等と共に勝利を祝う場面の音楽はこっちでないとシックリこないんだよ!

 これが俺にとっての『スター・ウォーズ ジェダイの復讐』なのである。

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