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朝から超獣に出くわした!

 今朝(11/29)の上毛新聞一面コラムに驚いた。
 冒頭の一節が「ウルトラマンタロウの第1話に登場する怪獣は~」なのだ。

 簡単にまとめると、放映の数カ月後にかの「オイルショック」が到来→世の中が大混乱→石油備蓄法成立から、昨今の原油価格上昇、岸田内閣による備蓄原油の放出決定という流れを書いている。
 石油絡みの怪獣なら『ウルトラマン』の油獣・ペスター(★★←こんな怪獣)、『帰ってきたウルトラマン』のオイル怪獣・タッコング等を思い浮かぶが、オリルドリンカーはなかなかマニアックである。

 厳密に言うとコイツの肩書は「オイル超獣」。で怪獣とは少し違う。
 超獣とはタロウの前作『ウルトラマンA』に登場した巨大怪獣達の総称だ。怪獣を超える存在、ゆえに「超獣」と呼ばれ、ミサイル超獣・ベロクロン、一角超獣・バキシム、殺し屋超獣・バラバといった強敵が登場し、奇抜なデザインは今見ても斬新……だったが、放送当時はソフビ人形の売れ行きがイマイチで、製造元の経営が傾く一因になってしまったそうな。
 そこでタロウでは「超獣を上回る怪獣も出てきた」として、第1話では途中から宇宙大怪獣・アストロモンスが登場。コンビナートで戦い始めた両者だが、アストロモンスは腹の部分にある巨大な花・チグリスフラワーで超獣オイルドリンカーを

捕食してしまう。

 そう、オイルドリンカーは数ある超獣たちの中でも「かませ犬」な存在だったのだ。ここまで不遇な超獣もいない。

 しかし地方紙ながら、このご時世に一面コラムでその名が登場するという快挙。少なくともマニアの間では知名度の高いペスターやタッコングを差し置いて、である。初登場の時期に恵まれた、というべきか。アストロモンスにあっさりやられたのは不運だったが、40数年後にこんな形でお目にするとは思わなんだ。

 なお、かつてのオイルショックは特撮界にも大打撃を与えた。71年の『仮面ライダー』『帰ってきたウルトラマン』『スペクトルマン』から始まった特撮ヒーローブームも、オイルショック後の74年に入ると製作費の高騰が影響して撮影現場を常に苦しめる状況が続き、追い打ちをかけるようにブームも沈静化。75年には東映のライダー、円谷のウルトラに加え、映画でも東宝のゴジラがシリーズ終了を決定する。

 もしやオイルドリンカーはかませ犬ではなく業界全体の「予兆」だったのではないか。新聞の一面コラムを見て、フトそう思ってしまった。

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