キャプテンウルトラ第20話「スペクトル怪獣シャモラーあらわる!!」
動画のコメントにもあるが、ヒッチコックの『裏窓』少女版であり、ウルトラマンのジラースでもある。加えて『メカゴジラの逆襲』の真船博士も入ってるか。
先に挙げた三要素を全部ブチ込み、たった25分足らずの話として成立させてしまうとは。高久進による脚本の熟れた感が凄い。それでも欲を言えば、車椅子の少女ゆえの結末があるものの、そのきっかけをもう少しピンチの場面と合わせても良かったか。
「あ、キャプテンだ!!」
のはずみでああなった、てな展開も観たかった。二重の意味でキャプテンのおかげ、てなことになるし。
そして気になるのはシャモラーと博士。自分の理論を分かろうとしない人類への復讐、てのは後の真船博士にも通づる(※誤解されがちだが、あの映画で真船博士が学会を追われたのは『恐竜生存説』ではなく『恐竜をコントロールすること』だ)。とはいえ人類よりも怪獣の方が優秀だとは、相当な怪獣信奉者でもあるような。何が博士をそうさせたのか? 怪獣の持つ強大な力そのものと、特殊な能力に惹かれたのだろうか。
ただシャモラー自体は、博士が一から育て上げられるような個体であり、巨大化装置を使ったからこそあのような怪獣になったとも言えなくない。おまけに好物は果物。それから察するに、もしやシャモラーは本来草食性で、大きくなっても2メートル程度の生物にしかならない怪獣だったのか。
スペクトル光線も実際は護身用で攻撃のためではなかった。それを博士が「コイツは利用出来る」と考えた。だからこそシャモラーに「暴れる練習」をさせ「手足なんぞ使うな!お前にはスペクトル光線がある!」と叩き込ませた……てな想像も出来てしまう。
しかし待ち受けていたのはあの無惨な結末。シャモラーの野生的要素が蘇ったか、はたまた巨大化のショックなのか。そこに触れても良かった、てのは流石に欲張りすぎかな。
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