『キャプテンウルトラ』配信・怪獣ぞくぞくシリーズに突入すると……?
東映特撮YouTube公式で『キャプテンウルトラ』を配信中なんだが、2クール目に入って「怪獣ぞくぞくシリーズ」に突入した。
物語そのものも、初回から続いてたバンデル星人による侵略計画(バンデル星人編)が12話でキャプテンらの活躍によって阻止されたため一区切りついたことに。これに合わせて出演者もキケロのジョー・小林稔侍氏が降板。代わりに13話以降はアカネ隊員の出番が増え、キャプテン、アカネ、そしてロボット・ハックがシュピーゲル号を駆り、宇宙を股にかけて大活躍するようになった。
そして主題歌は『キャプテンウルトラ』から『宇宙マーチ』に変更となり、物語も基本的に一話完結の「怪獣ぞくぞくシリーズ」がスタート。これがどんなものかと思って観てみたのですが……
あらびっくり、結構面白いんですよね。
過去に『大怪獣のあとしまつ』公開記念として「金属人間メタリノームあらわる!」が配信されたのですが、これがなかなかの出来(※肝心の映画はともかくとして)。謎の生命体・メタリノームの真実を怪奇性たっぷりに描き、かつキャプテン達の活躍っぷりもしっかり観られるSF短編として満足したものです。
そしてこの回「コメット怪獣ジャイアンあらわる」も、思わず「ほほぅ」と歓心させられました。
怪獣と子供たちとの交流、怪獣とあれば何でも敵視する大人達、そして子供達を優しく諭すキャプテンという三要素。ベタながらも「全ての怪獣は本当に悪なのか?」を問いかける一方で、優しさが全て良い方向に働くわけではないこと、そして何よりジャイアンの正体と真相に「なるほど」とさせられましたね。この状況を解決するキャプテンの作戦も三機分離合体が可能なシュピーゲル号だから出来たこと。一つ展開が違えば悲劇になるところを、丸く収めたのは製作陣の優しさというべきか。
で、調べたら驚きの事実が。脚本は長田紀生と山崎充朗の共作だが、実は山崎充朗というのは漫画原作者・やまさき十三氏の別名義だと。北見けんいち氏とともに『釣りバカ日誌』を作り上げた、まさにその方だったのです。
一方の長田紀生氏も本作では主題歌の作詞も手掛けているうえ、全24話のうち6話を執筆、他作品では東映のアクションものや映画『犬神家の一族』にも参加するほどの方でした。
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