浅野哲哉
インドが誇る古代叙事詩『ラーマーヤナ』を描いた日印共作長編アニメーション映画「ラーマーヤナ ラーマ王子伝説」に纏わる知られざる物語です。本作は、日本の一流のアニメーター総勢450名が一枚一枚丹念に描きこんだ12万数千枚のセル画で構成され、およそ8億円が投じられ、9年の歳月をかけて1992年に完成。その後、様々な事情で30年を経た現在も未だ陽の目を見ない不遇の名作です。黎明期のはるか1980年代から日印の様々な人物の出会いと事象を、まるでガンガの悠久の流れのごとく呑み込みながら今も続く「奇跡のような出来事がこの美しい作品の存在」なのです。
1977年から始まった小生の「インド探検」が丸ごと詰まっているマガジンです。絶版になって久しい拙著『インドを食べる』立風書房:1986年刊 や『風来坊のカレー見聞録』早川書房:1989年刊 、『絵解きガイド・インド』日本交通公社:1989年刊等々では語られていない内容や、現在までの紆余曲折の経緯・変遷を記していくつもりです。「牛歩」の更新になるかと思いますが、どうぞ宜しくお願いします。
酒向雄豪氏との出会い 青白い閃光を帯びた矢を放つ悪魔ラーヴァナが雄叫びをあげ、不可思議な仕様の戦闘機から次々に放たれた矢は、ナパーム弾が炸裂したように爆発し、激烈な衝撃波と炎と煙が大地に轟く。ちりぢりに逃げ惑う無数の猿の軍団。そこに上空の彼方から疾風のごとく現れたのは、飛翔するハヌマーンの背中に乗ったラーマ・・・ 「いったい、何なんだこれは!」 1999年の正月、夫婦で7年ぶりにインドに行った。南インドはケーララ地方のリゾート地ヴァルカラ。今まで泊まったことがなかった5
「ラーマーヤナ ラーマ王子伝説」が「旗艦・基館」に帰還! 浅野哲哉が、本作に宿る悠久の過去と未来を語る! 4年ぶりに故郷に帰ってきた気分です。 振り返れば、2018年9月1日、日印共作長編アニメーション映画「ラーマーヤナ ラーマ王子伝説」のフィルムによる初のロングラン上映の初日。わずか28席の小さな映画館「シネマノヴェチェント」を初めて訪れ、その何とも言えない温かい雰囲気の室内空間に魅了されました。 30年前の1992年に本作を完成させたにもかかわらず、本作の企画・製作プ
「インド世界」の深層を発掘し続けた偉大なフィールドワーカー:小西正捷先生(立教大学名誉教授)が、去る2020年9月28日に逝去された。僕が勤めているデイサービスの利用者さんの年代に比べて、あまりにも「若すぎる」享年82歳。数年前から肺気腫を患っておられたそうで、ご子息の小西公大さんは、フェイスブック上で「10月3日には教会で葬儀を執り行いました。コロナ状況を鑑み、また母の意向で、家族葬とさせていただきました。父が息を引き取る直前、「よし!決着がついた!」と若々しい声を張り上
以下の記述は、大昔、大学探検部の「部史」1995年版に記したものです。 ■インド探検 India Explorationとは?【期間及び活動概要】 I.E.PART1 1977年10月8日~78年4月15日 インド食生活調査行 (大衆食堂食べ歩き) I.E.PART2 82年1月~6月 食の流通調査行(市場総合品目調査) I.E.PART3 83年2月~8月 南インド農村生活体験 I.E.PART4 84年1月~8月 南インド農村生活体験 【隊員】浅野哲哉