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熊本のマチナカに、イベントスペースをつくろう!上乃裏CIRCUS開業日記④

こんにちは!“あらきん”こと荒木です。
 
前回の記事では、「上乃裏サーカス」を持続化させるために、イベントスペースだけでなく、平日昼間に利用できるプライベートラウンジ「楽屋(がくや)」という月額制の会員システムを設けたこと。会員を3つのプランに分けて、それぞれに応じた特典を用意したことをお伝えしました(詳しくは前回の記事をご覧ください)。今回は、会員特典だけにとどまらない、「上乃裏サーカス」のさらなる可能性についてお話ししていきます。
  


資金が乏しい若者たちも「仕掛け人」になってもらいたい

 
平日昼間を会員向けのラウンジスペースとして「上乃裏サーカス」を開放しようと決めたわけですが、僕がここで一番やりたいのは、やっぱり“イベント”です。それも普通のイベントではなく、面白い人、尖った人たちを招いてトークライブをやったり、テーマを設けて勉強会を開いたり。熱量を持った人たちが「上乃裏サーカス」に集い、ここを通じて自己成長できる機会を仕掛けていきたいと考えています。僕がかつて成長する機会をもらった「アップフィールド」のように、繋がりがうまれる空間を作る。それこそが、熊本の中心地に「上乃裏サーカス」を誕生させた一番の理由だからです。
 
とはいえ、僕1人では到底、これを実現することはできません。熱量や思いを共有できる方々に「仕掛け人」として仲間になってもらい、一緒にここでイベントをやっていきたいと考えています。
そうした中でも僕が「これは実現したい!」と思っているのが、未来を担う若者たちに仕掛け人として仲間入りしてもらい、「上乃裏サーカス」を足掛かりにして夢を叶えるためのチャンスを掴んでほしい! ということ。

僕は学生時代、それこそ高校生の頃からまちづくりのイベントに関わってきました。そして当時、痛切に感じていたのが、やりたいことやアイデアはあるものの、いろんなチャレンジをするにも資金面が乏しいことです。これまで開催してきた「上乃裏サーカス」の作戦会議にも、大学生をはじめとする多くの若者たちが参加してくれています。彼らからも「この会場を使ってやってみたいイベントがある」という声はあがるものの、実際にやるとなると資金を捻出するのが厳しい。であれば、彼らのような学生をはじめ、ミュージシャンや画家といったアーティストの卵といった、会場使用料を負担するのが難しい彼らを支援できる仕組みを作ろうと考えました。
 

「5分プレゼン」でハートをつかめ!


 
最初にパトロン的なものを考えたものの、単に金銭的支援を募るというのも何だかしっくりきません。そんななか、作戦会議のメンバーと意見交換する中で出てきたのが、直接的な金銭のやり取りを伴わない、新しい支援の形です。

 
「上乃裏サーカス」では毎月1回、会員さん同士の交流会を開き、飲み食いしながら近況報告をしたり、新規会員として仲間入りした人に自己紹介をしてもらったりする機会を作ろうと思っています。そうした集まりに若者たちが参加し、ちょっとしたやりたいことプレゼンを行なってもらうのです。

「ここで、こんなことをやりたいです!」と熱い思いをぶつけてもらい、会員メンバーのみんなでそのプレゼンに耳を傾ける。それも5分程度のものであれば、発表する側も聴く側も負担になりませんし、ひとつの交流会で3、4組は発表できるでしょう。そして彼らの思いに共感した会員がいれば、自分の会員特典を利用して、会場を使用できる機会を提供することができるのです。
 
「シルバー」メンバーであれば月2回まで「上乃裏サーカス」の会場使用料が40%オフですし、「ゴールド」メンバーであれば平日夜なら毎月2回は無料で貸し切ることができます。つまり、スポンサーとなって会場代を支払うというのではなく、もともと持っている会員特典を利用して、若者たちにチャンスを共有しよう!というわけです。
 
ちなみに「上乃裏サーカス」の使用は基本、会員本人による直接利用のみで、又貸しはできません。じゃあ、どうやって応援したい若者に使用してもらうか? といえば、共感した会員は若者が開催するイベントの主催者に仲間入りしたり、共催者となるのです。たとえば、プレゼンを聞いて共感したゴールド会員が、プレゼン後の交流会で若者にこう声を掛ける。「さっき聞いたイベントの企画、めちゃくちゃ面白かった! 今月は会場使用の無料枠が1回残っているから、この場所でチャレンジしてほしい!」といった具合です。つまり、「ゴールド」や「シルバー」のメンバーが一緒にイベントをすることにより、プレゼンした若者たちは会場代が無料あるいは会員割引で利用できるようになるのです。
 
ただし一つ条件があり、それは会員メンバーもイベント当日、一緒に参加すること。つまり、主催者として会場へ足を運んでもらいたいのです。支援したらハイ、終わり。ではありません。そうしたルールを設けることで、会員は若い世代と交わる機会が生まれます。彼らと会話するきっかけになるし、交流を深めことで若者たちの感覚や考えに触れることができます。一緒にいるだけで、新たな気づきや発見が得られるはずです。
 
若者にしてみても、こうした仕組みを設けることで支援をお願いしやすくなるでしょう。プレゼン後に会員側からアプローチがなかったとしても、交流会で「ゴールド」や「シルバー」のメンバーさんを探して若者側から声を掛ければいい。資金援助をお願いするとなるとハードルが高いものの、直接的な金銭のやり取りが発生するわけじゃないから声を掛けやすい。「主催者または共催者として一緒にイベントを盛り上げていただけませんか?」とお願いすればいいわけです。若者にとっても、普段なかなか出会うことのない僕ら「おじさん」世代と出会い、社会経験の場や縦の繋がりが、自分たちのイベントを一緒につくる!というプロセスの中から生まれる。面白い仕組みだと考えました。 

若者と大人をつなぐ架け橋になる


もちろん、どんなイベントでもOKというわけではありません。会員の皆さんが、「これなら応援したい!一緒にイベントを成功させたい!」と心を動かされるような価値のある内容であることが前提条件です。こうした仕組みを取り入れることによって、「上乃裏サーカス」が若者たちと大人たちをつなぐ架け橋になれますし、若い人たちがこの空間で面白い企画や尖ったイベントにチャレンジできる。これって結構、パトロンの真髄ともいえる仕掛けじゃないかと思っています。
 
ですから、「上乃裏サーカス」は貸しイベントスペースや会員制ラウンジとしての機能だけでなく、こうしたコミュニティスペースであることをご理解いただき、想いに賛同してくださる皆さんに会員になってもらいたい。そして仲間として一緒に質の高いコンテンツ、イベントをこの場所から発信していきたいのです。
 

CIRCUS自慢の庭空間。室内とは全く違う時間が流れます。


これまで僕は、長年にわたって「クリスマスマーケット熊本」の主催をはじめとする、さまざまなまちづくりイベントに関わることで、素晴らしい出会いと成長の機会を得ることができました。僕と同じように「地域のため、未来のために、何かしたい」、あるいは「何かやりたいけど、何をやっていいのかわからない」と思っているみなさんのエネルギーをここ「上乃裏サーカス」に集結させて、良質な企画を発信できれば、熊本がますます面白くなるぞ! そう考えながら、7月7日のオープンに向けてドキドキ・ワクワクしています。
 

「出会い」と「発見」が生まれるドリンクカウンター


 
ちなみにこれは余談ですが、会員制ラウンジ「楽屋」にもちょっとした仕掛けを用意しています。ドリンクを飲み放題にしますが、ボタンを押して飲み物が出てくるようなディスペンサー式ではありません。リゾートホテルの朝食ビュッフェのように高級感のあるドリンクコーナーを設けるつもり。
 
ドリンクの内容もいわゆる量販品ではなく、ちょっとエッジの効いたものを提供したいと考えています。例えば、コーヒー好きな会員さんがいれば、「今月のコーヒーはゴールドメンバーの○○さんがおすすめする、エチオピア産の豆を使ったコーヒーです」と書いたプレートを顔写真と一緒に掲示する。あるいは「今月の緑茶は静岡県産の新茶を使っているのでぜひ飲んでみてください」とか、紅茶やソフトドリンクでもいい。会員さんがほかの会員さんにおすすめしたい、ストーリー性のある飲み物を週替わりや月替わりで紹介するのです。
 
そうすることで「エチオピア産のコーヒーって初めて飲んだけど、こんなに美味しかったんだ」とか「今週のオススメはどんなコーヒーかな?」とか。これまで飲んだことのなかったドリンクとの出合い、新たな発見が生まれます。そしてお気に入りのドリンクがあれば、交流会などでおすすめした会員さんから話を聞くこともできますし、なんならドリンクに対する思いをプレゼンしてもらってもいい。ドリンクコーナーが「出会いと発見の場所」として会員さん同士の交流が深まるキッカケとなり、そこから人と人との化学反応が起きたら面白いなと思います。

「楽屋」✕「イベント」=ワクワクが加速する空間へ


 
会員メンバーにはそれぞれシンボルカラーのカードを用意し、ラウンジ「楽屋」は、そのカードがないと出入りできないオートロック式にします。ホテルのエグゼクティブクラスだけが利用できるクラブラウンジのようなシークレット感と特別感がありますから友達や恋人、仕事仲間を連れて行きたくなる。「ちょっと休憩して行く? いいところがあるんだ!」「うわー、何ここ!オシャレだね!」なんて具合です。
 
このように平日昼間は会員制ラウンジ、平日の夜と週末はイベントスペースとなりますが、それぞれが別々というわけではありません。ラウンジの「楽屋」はその名の通り、イベントスペースで何かを仕掛ける仲間たちのための楽屋であり、言い換えれば控室のようなイメージです。ですから、イベントスペースと「楽屋」を繋ぐ仕掛けとして交流会やプレゼン、ドリンクコーナーを付随することで、僕たちがここでやりたかったこと、冒頭でお伝えした「アップフィールド」のような繋がりがうまれる空間を作りたい。
 
7月7日のグランドオープンを控えた今、内装工事や家具選び、オペレーションのことなどで慌ただしい毎日が続いています。
 
この「上乃裏サーカス」を本気で盛り上げてくれる人、一緒に楽しみながら、ここからさまざまなコンテンツを生み出し、発信していきたい人。そんな仲間たちと一緒に「上乃裏サーカス」を盛り上げていきたい! 共感・賛同してくださる皆さんが仲間になってくださることを楽しみにしています!
 
続いては、上乃裏CIRCUSのロゴ開発のお話です!ぜひ、ご一読ください
続きはこちらです!


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