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熊本のマチナカに、イベントスペースをつくろう!上乃裏CIRCUS開業日記②

こんにちは!“あらきん”こと荒木です。
 
「クリスマスマーケット熊本」に続く新しい挑戦がしたい、大切な出会いや成長の機会をくれた『アップフィールド』のような場所を作りたい!そんな思いから熊本中心部のお洒落ストリート「上乃裏通り」で理想の物件を見つけ、借りることにしました(詳しくは前回の記事をご覧ください)。では一体、この場所でどんなことをやっていくの? 今回はそんなお話をしていきます。
 


有楽町で屋久島のタンカンを食べながらひらめいた


この『上乃裏サーカス』を通してヒト・コト・モノが繋がり、新しい価値や文化が創出されていく。そんな夢を描いて熊本の一等地に物件を借りたものの、一つ懸念していたことがあります。それは「従来のイベントスペースと混同されてしまうのではないか?」ということ。
 
確かに空間を貸し出すスタイルではあるものの、そもそもこれで利益を上げようとは思っていません。もし利益優先であれば「どんなイベントでも受けてしまえ」となるわけですが、それはしたくない。あくまでも『上乃裏サーカス』の目指す方向性をご理解いただける方々と一緒に、オモシロイコトを仕掛けていきたいのです。
 
じゃあ、従来のイベントスペースとの違いをどう伝えるか? それにはインパクトのあるコンセプトとメッセージが重要です。コンサプトを可視化し、分かりやすく伝えることの必要性を感じていました。うーん、やりたいことのイメージはあるものの、言葉やビジュアルで伝えるのって難しいな。悶々とする毎日のなか、「クリスマスマーケット熊本」の仲間で経営者としても一目置くユウサクに相談すると、「そのビジネスモデルの参考になりそうな場所があるけん、行ってみなよ」と教えてもらい、僕はさっそく飛行機のチケットをおさえて翌日、上京。そこはJR有楽町駅の目の前にある「有楽町 micro FOOD&IDEA MARKET」という場所でした。「好奇心が交差する市場」というメッセージのもと、なかに入ってみると、すごくイイ感じ。日本各地のフードやモノが集まり、セレクトショップとカフェが融合したような空間が広がっていました。そして、紹介してもらったユウサクが作っている熊本オリジナルのクラフトビールも取り扱いされている。


カフェでパンケーキをもぐもぐ頬張っていると、お姉さんが近づいて来て「よかったら試食してください」と、テーブルの上にパンフレットとオレンジ色の何かを置いて行きました。屋久島特産のかんきつ、タンカン。ちょうど「屋久島フェスティバル」が2週間にわたり開催されていることを知りました。中央のブースでは山岳ガイドさんが屋久島の魅力を伝えたり、屋久島の地酒や農産物が販売されたりしている。カフェでは「屋久島プレート」という期間限定メニューがあり、せっかくだからと追加オーダーしました。
 


屋久島って面白そう、行ってみたいな。もともとはカフェに来ただけのはずが、いつの間にか屋久島ワールドに引き込まれている。自分の知らない世界への扉を開いてくれる、そんな体験ができました。ユウサクがお勧めしてくれたとおり、いろいろなアイデアやヒントがこの有楽町にありました!『上乃裏サーカス』が目指しているのも、訪れるたびにワクワクする体験ができる空間だ!熊本へ帰るとすぐにコンセプトメッセージづくりに取り掛かりました。
 

幼いころのワクワクを再び


 仲間たちにも頼りながらさまざまなアイデアを出し合い、完成したのが、こんなコンサプトメッセージです。

「好奇心」と「未来創造」を加速させるエンターテイメント空間
 
いつだって世の中を切り拓いてきたのは、
未知なる可能性に立ち向かう、誰かの “挑戦” でした。
そしてそれが、人の心を動かす最高のエンターテインメント。

色とりどりの個々の挑戦が集まる場所。
ホンモノの熱量に触れ、抑えられない感動を!
時代を創るその一歩を、最前列で体験しよう。

ここで出会えるヒト・モノ・コトは、
あなたの人生を変えてくれるかもしれません。
ひとりひとりの小さな一歩、挑戦が、未来を創る。

上乃裏で会いましょう。 

上乃裏サーカスのコンセプト・メッセージ

このコンセプト・メッセージを考えているうちに、幼い頃のある記憶がよみがえりました。あれ?これって「サーカス」のことじゃん! 小学校の頃、母親にはじめて連れて行ってもらいドキドキ・ワクワクしたあの感覚。テントに入った瞬間、色とりどりの個性、本気の挑戦、圧倒的な熱量が押し寄せてくる。僕がお手本にしている『アップフィールド』も、まさにそんな空間でした。

『アップフィールド』でしか味わえない体験をした人たちはその後、得意分野を活かして第一線で活躍しています。あの場所で出会えたヒト・モノ・コトが、たくさんの人生を変えました。僕が叶えたいのも、誰かの夢を叶える空間。最初の一歩を応援する場所なんだ。
 
そうだ、「上乃裏サーカス」にしよう!
 
誰もがイメージしやすくて、語感の響きもいい。立地も上乃裏だとひと目で分かる。さらにサーカス(circus)の語源を調べてみると、ラテン語で「キルクス=輪」を意味し、派生語として“仲間”を意味する「circle(サークル)」や“循環”を表す「circulation(サーキュレーション)」という言葉に繋がっていると分かり、コンセプトにもぴったり当てはまります。
上乃裏サーカス。ネーミングとコンセプトが決まり、ようやく僕のやりたいことを明確に説明できるようになりました。

やりたいことは無限大


じゃあ具体的にどんなことができるかといえば、次のようなことです。
 
例えば、さまざまなヒト・モノ・フードなどにスポットを当てたイベントの開催。アウトドアや自転車などテーマに特化したフェスティバルや、前述の屋久島フェスティバルのようにターゲットを地域に絞り、土地の魅力を伝える写真展や物販、屋久島ガイドを招いてトークライブや交流会を開く。
 
或いは切り口を変えて、子育て中のママ・パパに向けた絵本フェスティバルも面白そう! 子ども連れで参加してもらい、絵本ソムリエさんが読み聞かせにオススメの絵本を紹介する。子育ての悩みを相談できる人たちがいて、ママ友やパパ友が繋がってくれたらいいなぁ。
 
ほかにもマルシェやミニコンサート、ワークショップ、ギャラリー、キッチンスタジオ、チャレンジカフェ。企業セミナーに採用説明会、プレス向けの商品発表会も出来ますし、本格的な厨房があるからカジュアルな集まりや試食会、ブライダルパーティーなんて使い方もできる。
 
いずれにせよ、熊本だけでなく全国、いや世界じゅうからコンテンツを集めて、訪れる人たちに触れてもらいたい。新しい学びと発見の機会を提供し、興味関心が共通する仲間との出会いや繋がりが加速化する場所にしていきたい。だからこそ、何でもできるけれど何でも受け入れるわけではありません。最終的には僕のフィルターを通ったいいもの。みんながワクワクするコンテンツを厳選したいと思っています。そして「上乃裏サーカス」から熱量が広がり、街に活気がうまれていく。それが「第二のアップフィールド」の目指すところであり、存在意義となるはずです。
 

「こんなおバカさんはいない」


物件の引き渡しから6日後、作戦会議を開きました。
 
集まってもらったのは、地域活性のためのイベントや復興支援などで力を貸してくれてきた仲間たち。10代から60代まで年齢も職業もさまざまですが、一つ共通点があるとすれば、「多様性」の人たちってこと。ちょっと尖っていて面白い、そんな顔ぶれです。時代が目まぐるしく変化する今、多様性が求められていると感じています。新型コロナが落ち着いてきた今、みんなと一緒に新しい未来を切り拓きたい。だから、僕がどんな思いで『上乃裏サーカス』を立ち上げ、ここではどんなことができるか、彼らと共有したかったのです。こうして「上乃裏サーカス」のお披露目会と決意表明を兼ねた作戦会議には、予想をはるかに超え30人ほどの仲間が集まってくれました。

 
「アップフィールド」のように繋がりがうまれる空間を作りたいこと。維持していくには経費がどれくらいかかり、それをどう捻出するか。プレゼン資料を用意し、僕の熱意が伝わるようにと、洗いざらいぶっちゃけました。ひとしきり話し終わった後、「アップフィールド」元代表の上野さんに挨拶をお願いすると、こんな言葉をもらいました。

「あらきんは話がすごく上手でしっかり者に見えるけれど、実はそうじゃない。ちゃんと計算できるはずなのに計算できない、つまり街づくりに関する打算がないんです。この空間だって、飲食店やレストランをやれば儲かるはずなのに、独自の路線に振り切っている。こういうおバカさん、なかなかいないでしょ(笑)。そこが彼の魅力でもあるから、僕は彼からの頼まれごとにはNOと言わないんです。
 
皆さんがやりたいことにチャレンジできる場所を、あらきんがリスクを背負って用意してくれた。そこに乗っからない手はないし、10年後にこの空間が熊本のためになると期待している。だから僕たちも一緒にバカになりませんか? 若者はチャレンジし、大人はさらにチャレンジして。熊本の街を盛り上げていきましょう!」
 
じーん…。いやホント、嬉しかったです。僕が学生時代から20年来の付き合いのある、そして「上乃裏サーカス」をつくるキッカケでもある「アップフィールド」の上野さんからもらったエール。しっかりとバトンを受け継いでいかなければ・・・。
 


作戦会議に参加してくれた仲間に「上乃裏サーカスでやりたいこと」を尋ねてみると、「オタク専門のフリマをやりたい! 熊本のイベントは車が前提の郊外の会場が多く、若者は行きづらいから。」、「この空間が長続きするように月額制のサポーター制を設けては?」などなど。なかには「結婚式を挙げていなかったので、ここで開催します!」なんて宣言も。心弾むアイデアが次々と出てきました。
 
 

僕からのお願い


 
いまは6月のグランドオープンに向けて、慌ただしい毎日をおくっています。
 
内装工事がスタートし、家具や厨房の備品を検討したり、企画コンテンツを考えたり。フードメニューも開発したいですし、オープニングスタッフを募集してトレーニングを始めなきゃ。肝心のイベントスケジュールだって埋めていかないといけません。
 
先ほどもお伝えしたように、何でもできる空間だけど、何でも受け入れるわけじゃない。新しい学びと発見の機会を提供し、繋がりが加速化する場所となれるよう、スパイスの効いた企画、ワクワクさせるコンテンツを厳選したいと考えています。新しい文化や価値を発信していきたい!
 
じつは、前回の記事で「上乃裏サーカス」への思いをnoteにアップしたところ、大きな反響がありました。数年ぶりに連絡をくれた人、この場所を見学に来てくれた人。こんなにも繋がりの場を求めている人たちがいるんだ! そんな反響もまた、やる気に火をつけてくれています。

そして前回の記事に「若者たちと接する機会が減った」と書きましたが、この「上乃裏サーカス」を通じて接点を作りたい。僕がこれまで「クリスマスマーケット熊本」や「マチナカレッジ」といった地域活性のためのイベントで積み上げてきたノウハウを伝えられるし、世代を超えた繋がりが生まれる刺激的な場所になってほしいと願っています。

新しい仲間との出会い、ここから新しいイベントやお祭りが誕生したり。NPOの活動をはじめ、新しいビジネスや会社、プロジェクトも誕生していく。そんな可能性をつくっていきたいです。


そこで、これを読んでくださっている皆さんにお願いがあります。上乃裏サーカスって面白そう、ここでやってみたいことがあるという方、ぜひ仲間になってください!

面白いアイデアやヒントをもらえたら嬉しいですし、この空間で開催するイベントに参加してもらえるだけでもいい。ここでの出会いが運命の恋人や生涯の友に発展する可能性だってあるかもしれません。どんなに小さな一歩でも、いろんな挑戦が未来を作っていくと、僕は信じています。この「上乃裏サーカス」が皆さんにとって、その一歩を踏み出す場所となれますように。
 
それではみなさん、「上乃裏サーカス」で会いましょう!


続いての記事は、どのように「上乃裏サーカス」を持続可能なスペースにするか?です。ぜひこちらをクリックして下さい。


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