『売れるもマーケ当たるもマーケ マーケティング22の法則』要約
本が売り切れらしいので要約をどうぞ。どうやったら成功するかはアートなので再現性がない、しかし失敗はサイエンスだ!この22の法則を破ると罪と罰が待っているぐらいのイメージです。
はじめに
前書きでは、大量の予算を確保したテレビCMのようなマスマーケティングへ対する無念さや、懸念について書かれています。
広告費を大量投下したら利用者が確保できて売り上げが取れた時代は(27年前の時点で)終わったのだと筆者は言っています。
じゃあ、どうすればいいのか?マーケターとしてどう動けば良いのか、その普遍的な22個の法則を紹介するとしています。ワクワクしますね。
法則というか法律なのかもしれません。法を犯すと罪を償うことに。。。
1.1番手の法則
1番だと認知されると2番以降より桁違いに強いという法則で、よくある日本で2番目に高い山とか、世界で3番目に大きな山とかは知られていないという例え話になりますよね。
この著者は本の中でこう言っています
2番じゃダメみたいですし、良い商品を作るんじゃなくて、良い商品を作っている会社だと認識されることの方が重要らしいです。事実よりもどう思われているかが全て。
2.カテゴリーの法則
1番だと認知されるカテゴリーを新たに作れと言っています。
例えばラーメン屋として1番だと「認知」されるのは難しいでしょうから、自分が間違いなく1番だ!と認知されるようなジャンルを自分で作っちゃえという事ですね。
・一番高いラーメン
・一番まずいラーメン
・一番デカ盛りのラーメン
・一番猫好きなラーメン屋
今あるカテゴリーで1番を目指すよりも、新しいカテゴリーを作って名乗っちゃいましょう。
3.心の法則
1番手の法則に捕捉で、
最初に市場に参入 < 最初に「認知」を得る
ことが重要だと筆者は言っています。
例えば、Googleは最初の検索エンジンではありません。彼らは後発で12番目の検索エンジンですが、検索市場の盛り上がりと共に、最初に検索=Googleだと認知されました。
筆者は補足として、認知を取る必要があるので「わかりやすいネーミング」は重要だとも言っています。
日本だと小林製薬のネーミングが秀逸なのでみんな真似しましょう。
4.知覚の法則
マーケティングは商品の戦いではなく認知の戦いだと筆者は言います。
本当は心優しき口下手なAくんと、本当は性格が悪いけど口がうまく社交的なBくん、
モテるのはいつの世もBくんです。
知らないものは選べませんので、Aくんは漫画やドラマの世界ではたまに隠れイケメンでモテ期が来ますが、現実社会では「認知」を取れないものは、選ばれません。
マーケターは、とにかくお客さん(候補)の認知を獲得するために戦うのです。
5.集中の法則
4の認知は凝縮した「たった一言の言葉」がよろしいという、認知を取るにしても一部分に集中=フォーカスさせましょう、と筆者は言っています。
良くわからないカタカナや独自に作った言葉ではなく、辞書に載ってるような普通の言葉を自社製品と結びつけて、顧客(候補)の脳内に近くさせなさいと。長いとよくわからなくなるので短い言葉でスパッと。
例えば、「配送料無料」という言葉を耳にすると何を思い浮かべますか?
私は、Amazonが思い浮かびました。こういうことです。
6.独占の法則
5で顧客に植え付ける「たった一言の言葉」は同じ言葉で1社だけのものなので、競合がすでにその言葉を使用しているとしたら、自分の会社も同じ言葉を使うのは無謀だと筆者はいいます。
確かに、通販で配送料無料ってAmazon以外でもやっているところありそうなものですがAmazonってイメージを持ってしまっているので、今後もそう認知してしまいそうです。
競合が持っている言葉は魅力的ですが、自分も同じ言葉を顧客に刷り込みたい!!というのは無謀で、独占の法則を破ってはならないとも。
7.はしごの法則
6までで獲得した心の中の認知は、顧客の心の中で1番目、2番目、3番目、と格納されていて、この順位がマーケットシェアと相関があると筆者は言っています。
本が書かれた当時アメリカでの飲料はコーラがダントツに売れていたらしいです。
セブンアップという日本で言うとキリンレモンのようなレモン系炭酸ジュースを売っていたセブンアップは、当時「レモン系ソーダ飲料」というはしごでは最上段の1位のポジションに痛そうです。
でも、どうしても市場自体がコーラの方が数倍おおきい。
そこで、広告キャンペーンなどで「アンコーラ」=コーラでない飲み物というコンセプトをアピールすることで、コーラというはしごに2段目によじ登って戦うというマーケティングを展開しました。その結果セブンアップの売り上げは急増し、米国での全飲料の中で売上3位にまで上り詰めたそうです。
8.二極分化の法則
最終的に大きく2社の対立になるというもの。
さまざまなジャンルで筆者は2つの企業を挙げていますが、まあこれは2という数字には拘らなくて良いように思います。というのも日本では昔から3社に集約されると言われていますので
携帯キャリア:docomo/AU/softbank、銀行:三菱UFJ/MUFG/みずほ、コンビニ:セブン/ローソン/ファミマ、牛丼屋;吉野屋/松屋/すき屋などなど。
9.対立の法則
新規参入や下位からナンバーツーの座を狙いたい企業は、ナンバーワン企業を分析して、ナンバーワイ企業が提供している価値と反対の価値を提供した方がいいと筆者は言います。
言い方を変えると、ナンバーツーになりたいのであれば、ナンバーワンを真似するのではなく、ナンバーワンと差別化しなさいと。
マクドナルドが大量生産方式のセット提供をしている時に、バーガーキングは「お好みのものをどうぞ」と単品売りを仕掛けたとか。
追随できない戦略であることも重要。
10.分割の法則
市場は市場成長と共に細分化され、それらは再結合しない。車と一言に言ってもたくさんのカテゴリーがある。携帯だと、ガラケー市場、簡単スマホなどシルバー市場、各社0円を目指す学割市場、法人向け市場、格安SIM、20Gなど大容量市場、などに分割されて、各社戦っている。
11.遠近関係の法則
短期的なメリットは長期的なデメリットになったり、その逆もある。
12.製品ライン拡張NGの法則
認知をめぐる戦いなので、同じブランド名で多展開するとぼやけてしまって、刺さらなくなる。
どうしてもラインを増やすなら別ブランド。
softbankは、ソフトバンク、ワイモバイル、PayPay、ヤフーなどブランドを使い分けて、拡張してもそれぞれいい感じ。
13.犠牲の法則
選択と集中、捨てましょう、捨てる勇気を持ちましょうという。
ジェネラリストよりもスペシャリスト、人で言うと器用貧乏より職人。あれ?耳が痛いよ?
14.属性の法則
No.1企業と正反対の属性で勝負する
「6.独占の法則」どおり、同じ領域で戦って奪い取るのは難しいので。
docomoは会社員や企業など伝統的な信頼だったので、softbankは学生無料で若い方を取りに。
15.正直の法則
自社のネガティブな面を認めてそれをポジティブに変換する
瞬間的に同調が湧くネガティブな面を認めることで相手の心を開くことができる
そしてポジティブな訴えに素早く移ること。
そのままネガティブに見えたり悪ふざけに見えたりするので注意"
16.一撃の法則
たくさんの小さな打ち手を行うのではなく、大きな大胆な一撃を繰り出そう。
No.1企業の弱点を1点に絞り込み、そこに攻撃力のすべてを投下する。
たった一つのコンセプト、たった一つのアイデアに絞り込む。
17.予測不能の法則
競合企業がどう動くか分からない以上、未来は予測できないとして織り込む。
将来を予測するのではなく、トレンドをつかむイメージがGood
未来予測は諦めて、未来のトレンドに掛けよう。
18.成功の法則
成功すると客観性を失い自己の判断が正しいと思い込み、散漫になる。自分に酔って自分自身の世界観を押し付けたりしないように。
CEOは現場思考で、現場に割く時間を多くとったほうが良い。
19.失敗の法則
失敗した時にはミスを認めて対策を講じるべきである。
そのために、ミスを認めやすい、失敗してもペナルティのない組織作りが大事
20.パブリシティの法則
パブリシティーと実像は逆のことが多いということ。
企業が最高の状態ならわざわざメディアで宣伝する必要がないし、その逆で苦境の場合にはメディアで大々的に露出させたいと思う。
パブリシティーを真実だと捉えないようにしないと、間違ったトレンドを掴むことに。"
21.成長促進の法則
一時的な流行(バズ)とトレンドを履き違えないように。
バズをトレンドを間違えると会社は消滅してしまう。
バズが現れたらそれを燃やすのではなく、飽きられないように水を刺す方がいい。
企業を成長させるのは、長期的なトレンドであって、短期的なバズではない。
22.財源の法則
資金の伴わないアイデアは無価値で、資金を得るためなら多大な犠牲を得る覚悟でいい。
VCや投資家がこの問題を解決してくれるのは、全体に対して数える程しかない。
マーケティングの世界を動かすものはお金、マーケティングという車輪を動かすために必要な資金を見つけるべき。
以上。在庫出てきたらちゃんと買ってくださいね。
2冊買うと表紙と裏表紙でジャンケンしてるのがわかる以外何の得もないので、1冊でいいと思います。
ご意見クレームは @arakens