これからの「飲食店」の話をしようか
はじめに
日曜日なのでプライベートのnoteでも更新しようかと思いまして、こう見えて偽善者ですから何を書いたら喜んでくれるだろうかと考えた結果、飲食店について書くことにしました。
手探りだった新型コロナウイルスについて、その対策や、対応した新しい生活様式など、だいぶ見えるようになってきました。
Withコロナ、アフターコロナの飲食店について、ほぼ毎日飲食店経営者として、飲食店のDX専門家として、飲食店へサービスを提供する事業者として、一般消費者として、4者の立場から先を予測し、自分で汗をかき、それを無料の記事や有料のマガジンでアウトプットし、反応をいただき。そして、また先を予測してきました。
今日は2020年5月10日、本日時点でこれからの飲食店についてここにまとめることで、まだ見ぬだれかが1歩踏み出す刺激を与えることを目的としてnoteに書きますす。Beforeコロナ、Withコロナ、Afterコロナの3部構成にて。飲食店経営者向けというよりも、飲食ビジネスに関わる傾けかもしれません。
ビフォーコロナの飲食店(〜2019年12月)
昨年末ぐらいまでをBeforeコロナとしましょうか。この段落は書籍の第1章的なAVの早送りする部分なので飛ばしてもOKです。
昨年末までに起こっていたことは、飲食店のデジタルトランスフォーメーション、通称DX(ディーエックス)です。
アナログだったシステムをネットに接続してオンライン化すること自体をデジタル化、そのオンライン化によってビジネスに変革をもたらすことをDXと呼びますが、言葉はどうでもいいので、ここでは以降DXと呼ぶことにしましょう。
飲食店のDXを手助けする企業がたくさん生まれ、たくさんのサービスが登場していました。タブレットレジやQR決済などは私たちも日常で見かけていたのでわかりやすいと思います。
こーゆーやつですね。このカオスマップはたしか2019年の3月ごろに(スタッフが)作った様な気がします。また、UberEatsの認知が上がってきて「ゴーストレストラン」という言葉が一人歩きしたのもこの頃です。ゴーストレストランという言葉が米国から輸入されてきたときの翻訳が不味かった様でゴーストレストラン=『出前専門店』という認識で広がってしまいましたので、
「出前専門の蕎麦屋や、ピザーラや、銀のさらとどう違うのか?」
めちゃくちゃ聞かれましたが、ゴーストレストランの翻訳としては『オンライン飲食店』の方がしっくり来ると思います。言葉の定義はわれわれ実務家ではなく学者さんの領域なので任せますが、飲食店のDXとしてオンライン飲食店が生まれた、という流れなので出前専門の蕎麦屋と一緒にはして欲しくないものです。
もう時効でしょうから話すと、私の所にもよく取材依頼が来て、内容を聞いてお断りしていました。N●●のニュース番組から
「ゴーストレストランというのは、誰でも料理を売ることができるものでしょうか?実際にやっている方を紹介いただけますか?」
と聞かれれば、
「いいえ、飲食店営業許可が必要なので料理がうまい主婦が副業でやれる様なものではありません」
と答え。
テレ●の情報番組から
「主婦でも簡単ゴーストレストランという企画なのですが、やっている主婦の方をご紹介いただけないか?」
と聞かれれば、
「ゴーストレストランは普通の飲食店より難しく、主婦ができる様なものではないし、実際にやっている主婦なんていませんよ」
と、企画にダメ出しし、
ゴールデンのバラエティ番組から
「実際に開業した方、できれば普通の主婦の方が独立したみたいな、開業の様子を密着したい」
と言われれば、
「普通の主婦の方でやっている方は知りませんので。」
と、お断りしていたのが懐かしい。テレビの人どんだけ主婦好きやねん。
自社でやっていたゴーストレストランはテレビや雑誌などの取材に2-3回までは対応したものの、来店できるわけでも通販で買えるわけでもないので売り上げに結びつくわけもなく、以降店舗への取材はお断りにしました。
2020年はフードデリバリー、2021年はゴーストレストラン、2022年はクラウドキッチンがそれぞれ流行るだろうと予測していた、そんな2019年の後半ビフォーコロナでした。
Withコロナの飲食店(2020年1月〜来年末?)
今っすね。自粛コロナの飲食店です。
年明け1月は穏やかだったと記憶しています。
これは運営していた某所のUberEats売上ですが無難に売れてますね。また、某所で運営していた会員制バーも1月は60万ぐらいの売上で全く問題がない、無風という状態でした。
2月、コロナさんが元気になってきて、弊社も1月29日から完全テレワークへ移行しました。もともとテレワークには興味があって、1月も週2出社、週3出勤を試していた所だったので、ちょうどいい機会だと思ったのです。
この時点では、まだ危機感無いですね。いい機会だからテレワークを試そう、ぐらいのノリで。
2月の飲食店がどうだったのかというと、ユーザーとしては変わらずに飲食していましたし、在宅ワークになったのでUberEatsを頼みまくっていた時期ですね。麺抜きのラーメンUberEatsで頼んだり。
飲食店の運営側としては、2月はあんまり売り上げ変わっていないというお店が多かったです。下がっても5%とか。団体さんの予約がちょっとキャンセルになったり、オフィス街で飲まずに買える動きがあったりなど、オフィス街のお店で影響が出た程度で、繁華街の影響は警備、住宅街はむしろ上がったんじゃ無いかぐらい。
自分が関わっているバーでも普通に毎週飲んでましたね。バレンタインとしてチョコフォンデュやったりとか。そんな2月でした。
2/20には、飲食店へUberEatsやろうぜ!という記事を書いていましたので、2月後半は売り上げが下がっている店舗はUberEatsやって下がった売り上げを取り戻そう!ぐらいのライトな状況だったのでしょう。知り合いの店もちょこちょこと「閉店を視野に入れる」ぐらいの動きをしていました。この記事は無料なのでUberEatsの「店舗側」に興味がある人はどうぞ。
興味どころか店舗側としてUberEatsで売上をあげたい人は、毎月3,000円のお布施を払うと、具体的にUberEatsがやれます(宣伝)。
ここまでが、序章です。嵐の前のなんとか、ですね。
3月、歓送迎会で飲食店が輝かしいこの季節にコロナさんは猛威をふるいまして、飲食店経営者の心をポキっ折っていきました。色々な会社がテレワークを推奨して、満員電車を避けて飲むどころじゃ無いと。飲食店も潰れまくりましたね。自分の周囲も何件か潰れつつ、新規オープンの取りやめなども。
1年で1番のかき入れ時を失って、呆然とする飲食店経営者。うちのバーも3月の中旬ごろには窓を空けて営業する様になり、3月27日からは自主的な営業自粛に入りました。もう、シャレにならんと。
一番利益が出るはずの3月を瀕死の状態で終えて迎えた4月、緊急事態宣言が出されました。飲食店は基本的に前の月の売り上げを当月の支払いに当てますから、この時点で自転車操業系の店舗は死に絶えました。
また、運転資金に1−2ヶ月余裕があるお店も、家賃とオーナー1人の小さなお店は感染拡大防止金50万円、持続化給付金100-200万円でなんとか生き延びていますが、スタッフに給料をあげて雇っている様なお店はほぼ全滅しました。政府は緊急対策融資を4本も5本も用意して目の前の数ヶ月を乗り切る様にし、様々なネット企業は前払い制のクーポンや、テイクアウトマップ、ボトルキープ、オンライン飲み会など様々なサービスを提供して飲食店を支援しようとして、私の方でもまとめ記事を書きました。40万PVまでのびるほど注目された無料記事なので、どうぞ。
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そして、4月の後半からゴールデンウィークに入り、5月上旬、緊急事態宣言の延長、それに伴う東京都の営業自粛要請の延長が決まり、今日5月10日に至ります。
ここまでがWithコロナの前半。コロナ自粛真っ最中で今月一般まではこの様に飲食店が営業できないという期間でした。
さて、今後のコロナと共生には、
・ソーシャルディスタンス
・手洗いうがい衛生管理の徹底
・60才以上の方は自宅で自粛
・集団で集まるイベントの禁止
この4つぐらいでしょうか。実際には新しい生活様式としてこの4つでは無い何かが提言されていますが、実現実的にはこの4つを守りながら、来月6月から我々は日常生活を送ることになります。
ワクチンができるまでの長期戦ですが、今の様に自粛して引きこもる訳ではなく、友人と飲み屋で酒を飲んでパーっと楽しくことも全然可能です。
ただ、客席同士を話したり、風通しを良くしたり、個室を撤廃したり、注意点が必要になるので、既存の飲食店はそもそも営業効率が落ちるはずです。おそらく終了人数が1/3から1/4になるはずで、そもそもそれで健全に営業ができるのか?という問題と、テレワークに慣れてしまったIT人たちが、出社しない=オフィス街の飲食店の売り上げは、ビフォーコロナの70%までは回復しないのでは無いかと思っています。特に、無駄な車内宴会、後輩が嫌がる飲み会は撲滅するはずですね。
飲食店がWithコロナを生き抜くためにどうしたらいいのか?は、収入の分散化だと思います。私はその中でも、来店の次に利益が出せるものは通販だと思っています。
アフターコロナの飲食店(2020年6月〜)
期間をWithコロナと被せていますが、その辺りはグラデーション的に濃淡があり共存している様なイメージです。
ちょっと前置きが長くなりましたがここからが本題で、アフターコロナの飲食店で私が一番言いたかったことは、
(1)ビフォーコロナの頃から始まっていて、Nowコロナで加速したものは、アフターコロナでもそのまま成長する
(2)ビフォーコロナの頃には無くて、Nowコロナで急に登場したものは、やがて消えゆく
(3)ビフォーコロナの頃の枠組みは、アフターコロナで全部復旧されるけれど、それは原状回復では無く成長回復になる
この3つです。
例えばUberEatsはビフォーコロナでもあってNoeコロナで伸びているので、今後も成長します。そもそも、昨年末時点でドメイン 2020年はプレシードの年になると言われていた(私が勝手に言っていた)ので、それに追い風ができただけ、
テレワークはどうでしょう?これも元々東京五輪に向けて3年間かけて取り組んでいたもので、(仕事のできないことがバレちゃう)抵抗勢力が抵抗していましたが、コロナでかなり進みました。アフターコロナでも成長し続けるでしょう。
テイクアウトなどもそうですね。PICKAやMENUなどテイクアウトDXが流行りつつあった昨年末から、一気に10社ぐらい参入してきました。中には、楽天やPayPayなどの巨人も参戦しており、やはりアフターコロナでも伸び続けるでしょう。
さて、逆にアフターコロナで止まるもの、昨年末には全くなかったのにNowコロナで急にで始めたサービスは何でしょうか?オンライン飲み会とかオンラインキャバクラなんかは、飲食店の1つの発展系としてNowコロナで登場しましたが、コロナの収束に合わせて終わるでしょうね。
他には、事前デポジットのクーポンやボトルキープなどの仕組みも終わると思います、そもそも持続化を前提に作られたものでは無く、収益構造を無視したボランティアだったり、目の前3ヶ月を乗り切るため出だったり、というサービスも多くありますし。
そういう意味で、飲食店は(3)のサービスになると思います。
復旧するけれど、完全に元に戻る訳では無く進化した新しい飲食店として復旧するのかなと。もしかしたら店内よりもテラス付きの物件が家賃高くなったり、客席同士を離して営業するから来店売上以外の売り上げ比率を50%にまで高めたり、「60才以上と立ち入り禁止」の店が現れたり、非接触型の体温計で熱のある方の来場をNGにしたり。
どちらにしてもビフォーコロナの売り上げを100とした場合に、アフターコロナの売り上げは70ぐらいまでしか戻りませんから、来なくなったお客さんからも売り上げをあげる方法だったり、店内の空気をものすごい勢いで入れ替える換気システムだったり、いま思いつかない様な飲食店に着地する様な気がしています。
(1)ビフォーコロナの頃から始まっていて、Nowコロナで加速したものは、アフターコロナでもそのまま成長する(動→加速→動)
(2)ビフォーコロナの頃には無くて、Nowコロナで急に登場したものは、やがて消えゆく(止→加速→止)
(3)ビフォーコロナの頃の枠組みは、アフターコロナで全部復旧されるけれど、それは原状回復では無く成長回復になる(動→止→変化)
飲食店経営者、飲食ビジネス関係者のみなさまにおかれましては、
6月から昨対比100%戻るぜヒャッホー!!
ということは一切ありませんので、今のうちに仕込んでおくか、または一度全部閉店させてしまって、新しい業態を探すか、判断するタイミングだと思います。
最後に、飲食店で働くスタッフの方、経営者の方、飯を食うのにも困った時のために、素敵なリンクを用意しております。お役立てください。
未来を予測して、自分なりの仮説を持って、その仮説を小さく検証して、イマイチで、検で得た知見でまた仮説を作って、小さく検証して、そうして出来上がるアフターコロナの飲食店が楽しみで、そのためにはやっぱり謙虚に勉強して、日々精進することが裏技なく最短だと思います。
書籍は
「アフターデジタル」や
「ホリエモン式飲食店経営(漫画)」
などがおすすめで、DXについてはZOOM開催の無料ウェビナー
などもあるので見てみると良いかもしれ…これ5/20の13:00からなので、まだ間に合いますね!すごい!素敵!(宣伝)
人生を変える唯一の方法は体験して行動することなので、環境に合わせて変わる勇気を持って1歩踏み出す方が増えることを、切に願っています。
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