研究職からインサイドセールスに転職した話
はじめまして。
株式会社タイミーでインサイドセールスグループのチームリーダーをしている新川(あらかわ)です。
前職は大手製薬会社の子会社で研究職をしていました。
今回は、なぜ研究職から営業職にキャリアチェンジしたかを、初投稿を記念して書いてみます。
初めてのnoteで読みにくい記事だと思いますが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
1. 簡単な経歴と導入
改めて皆さんはじめまして!
新川諒弥(あらかわ りょうや)と申します。
生まれも育ちも沖縄の生粋の沖縄県民で、1996年生まれの現在28歳、現在は神奈川県の真ん中あたりに住みながら株式会社タイミーという会社で、インサイドセールスチームのマネジメントをしております。
20歳まで沖縄で過ごしていたんですが、最終学歴は沖縄工業高等専門学校という、いわゆる高専ってやつです。
そこで5年間、生物資源工学を学び、高効率なタンパク質合成の方法を模索するテーマで卒業研究をしておりました。
そんなバックグラウンドもあり、新卒でロキソニンやルルで有名な第一三共の子会社に就職しております。
そこで3年半の間、新薬の品質試験法の開発・改良や承認申請用の実験データの取得などを行い、その後工場の計画管理を行う部門に異動し、トータル約4年半を過ごしております。
学生研究のころから数えると、約6年ほどの期間を研究畑で過ごしており、その経験は今でも自分自身を形作る芯のようなものになっております。
製薬会社時代から一転し、2022年1月に株式会社タイミーに中途入社をし、以降今日までの2年7ヶ月をインサイドセールスとして過ごしております。
今回は、「なぜ研究職からインサイドセールスに?」を少し真面目に書いてみたいと思います。
2. ターニングポイントになった生産管理フレームワークとの出会い
営業職へ大きく舵を切ることにしたターニングポイントは、計画管理部門への異動とそこでの業務経験でした。
工場の計画管理とはどんな仕事かというと、工場で「いつ・どこで・どれくらいの人員と材料を使って・何を・どれだけ製造するのか」の計画とその進捗管理をする仕事です。
1つの医薬品を作るために、どれだけのリソース(ヒト・モノ・カネ)が掛かるのか、そのリソースは十分に確保できるのか、を考えながら年間や月次の生産計画を組み立てていきます。
医薬品製造は一度の生産で膨大なリソースを消費します。
原材料がびっくりするくらい高額であったり、生産ラインを動かすのに多額の人件費や設備費を要するため、投下したリソースに対してどれだけの利益が生まれたかを非常にシビアに確認し、より多くの利益を確保するために日々改善していく必要があります。
ここで生産管理のフレームワークが非常に役に立ちます。
図1.は生産工程を大雑把に図にしたもので、100個分の原材料を投入したものの、最終的には50個の製品しかできなかった途中経過を描いています。
きっと工程と工程の間で大きく数字が下がっているところに目がいったと思いますが、これをボトルネックと呼んでいます。(ペットボトルの首のように入口出口が狭まっている状態)
ボトルネックである工程②では、何が起きていて、どうやったらロスを減らせるのかを考えることがいわゆる改善ってやつです。
工場では、毎日のように改善サイクルを回し続け、より高効率な生産体制を作ることで利益の最大化、お客様への安定供給を目指しているわけです。
ではもう少し細かくボトルネックについて見てみましょう。(図2.)
1つの工程をさらに細かく分解していくと、機械のスペックや人間の操作スキルなど様々な能力があり、その能力以上の仕事を行うことはできません。
今回の場合、工程②の生産能力は何らかの理由により50個の生産量に下がっており、この生産能力の低さが最終的な製品の生産量に最も大きな影響を与えていました。
工程③の生産能力は70個であることから、工程②でなんとか70個分の生産能力を確保することができれば、最終的に出来上がる製品は70個になるはずです。
このように、モノづくりをいくつものステップに分解し、どこにボトルネックが存在しているのか、解消するためにはどうしたらいいのか、を見える化し、最も結果への影響が大きいところから改善サイクルを回していくことをモノづくりの現場では行っています。
詳しく知りたい方は、ぜひザ・ゴールを読んでみてください!
3. The MODEL型の営業組織と生産管理フレームワークの類似点
ここまで読んでいただいた中で、勘のいい皆様ならもうお気づきかもしれませんが、THE MODEL型の営業組織とモノづくりにおいての生産管理フレームワークってほぼ同じだと思いませんか?
営業を各工程ごとに組織分けし、組織と組織の繋ぎ目でどれだけロスが発生しているのかを見える化し、最終的な売上に対して最も大きな影響を及ぼす部分を改善していく。
ある意味では、営業組織を1つの生産ラインに見立てて、生産管理のフレームワークに則って改善していこうじゃないかという風に取れると思います。
前職では、ザ・ゴールを毎日頑張って読みながらその知識を業務で実践する日々を過ごしていたわけなんですが、モノづくりの現場における改善活動を実際に肌で感じ実践する経験は本当に貴重なものだったなと思っております。
工場の計画管理で培った経験をもとに、当時新しい営業手法として勢いを増していたTHE MODEL型営業組織へ転職することに、あまり違和感がなかったことを少しはご理解いただけたのではないでしょうか。
両者の間で根本思想は変わらないわけですから、あとは工場か営業かどちらの方が自分自身の価値を高く評価してくれそうかと考え、次のステージを探すようになりました。
4. なぜインサイドセールスなのか
こうして「営業職いいかもなー」と何となく方向性が見えてきたころ、次に大切にしたのは比較優位の考え方です。
比較優位とは、もとは経済学などで使われる専門用語ですが、ビジネスにおいて広く意味を捉えると「身近な仲間よりも比較的得意なことを積極的にやる」「お互いの得意なことを把握し、得意なことで分業する」といったところかなと思います。
これから転職先を探そうとする中で、営業職の中で最も数字に強いことが歓迎され、かつ数字に関して私が比較優位に立てそうな職務ってなんだろう?と考えを巡らせました。
そこで、THE MODELを再度読み直し、各工程についてイメージを膨らませていきます。そうすると必然的にインサイドセールスが最も理想的であると結論に至ります。
なぜなら、基本的な営業活動ってなかなか数字にできない領域だからです。
フィールドセールスであれば、商談が成約に向かう要因を分解する際に、定量的に観測できる数字はいくつあるでしょうか。
少なくとも訪問営業においては、話すスピードや抑揚、相手の話すスピード、どの言葉を何回使ったか、などのデータをとることは難しいでしょう。研究畑出身の私としては、分析対象として条件が不十分だと感じます。
インサイドセールスはどうでしょうか。
話すスピードやフィラーワードの数、提案の回数、質問の回数、相手の相槌の量、その他諸々、話すことに対して全て数値化することができます。
プレイヤーとして、改善のサイクルを回すことに対して、こんなにもうってつけの職務はないと感じました。
ここで元研究職として数字を扱うことのアドバンテージを取りつつ、業務改善を進めていき、その先にTHE MODEL型組織全体の改善に対して前職の経験を活かすことができるのではないかと考えたわけです。
また、滅多に研究職上がりでインサイドセールスをしている人間なんていないということから、比較優位な状況を非常に作りやすく、自分の得意なことで組織貢献ができる可能性が高いことも魅力のひとつです。
5. おわりに
ここまで読んでください本当にありがとうございます!
今回は「なぜ研究職からインサイドセールスに転職したのか」の軸で記事を書かせていただきました。タイミーに入社して初めましての人に自己紹介をすると、百発百中でこの質問をされます(笑)
やっぱりこの経歴って特殊なんだなーという思いと、一見対極にあるような業界・職種であっても、類似点を見出すことができればキャリアの可能性は無限大に拡がることが伝わればいいなと思い、記事を書くに至りました。
私が周りの方々と比べて得意なことは、やはり数字を扱うことです。
また、経歴上それは説得力のあることだなと思っています。
ただ、また製薬会社に戻るかと言ったら、数字の強みは大した強みではなくなってしまうので、比較優位を考えることは本当に大切だなと思います(笑)
皆さんの中でも、自分の得意なことが明確であればより輝く環境はどこか、明確に得意なことがないよという方も環境がそうさせてるのかもしれません。(製薬会社時代の私はそうでした)
一歩足を踏み出してみてさまざまな業界のことを知ることで、意外な場所で活躍の場を発見できるかもしれません。
この記事を読んで、何かヒントになることがあれば嬉しいです。
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