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無かったはずの未来

最近noteでお知り合いになった、カワカミ・ヨウコさんが興味深い文章の中で、出版のススメに触れて、御自身とこの先の未来について書かれています。
ネットによる発信はとても気軽でポピュラーなこととなりましたが、結果としてやはりマイノリティーの声は埋もれ、時と共に膨大な情報の波にのまれて流されて行きます。
また、世代や環境による情報格差も大きく、とくに日本ではまだまだ紙に印刷された本でないと想いが届かないことも多いと思います。
破産のススメと出版のススメを書いていた時は、自分の経験が残ることと、それが必要な人に届いたなら価値のあることだと思いましたが、その価値は人によって様々であることがわかって来ました。それは、それまでにも世の中を変えるほどのインパクトのある考えや方法を持っていても、具体的にどうやって人に届けたらいいのか? そもそもそれは売れる前提でないと形になって世の中に出すことは難しかったのです。自分が書いた役に立つことや方法を、親しい人にちゃんと本の形で手渡すことが誰にでもできる。それは人の数だけストーリーや考えがありますから、無数に出ていい。それに売れる売れないだけでなく、その思想や宗教観やモラルなど、それが世の中の標準偏差から大きく外れたものは商業的なメディアから発信することはできませんが、米国の巨大企業Amazonからは、内容について自己責任を負う限りは、公序良俗に著しく反しない限り、なんでも出版できます。
確かに自分の体験や経験、考えや思想などを世に出すというのは、時に勇気のいることかもしれません。偏ったものであれば批判されることもあるかもしれませんが、もしかしたら少し未来が変わるかもしれません。
もしも私が破産のススメを書かず、その出版の経験を書かずにいたら、宮下和美さんの「自給自足のための栽培工学概論」は今の時点でこの世には存在し得なかったのですよね。実は宮下さんの本は、多少濁して書いている部分も多いのですが、よく考えながら読むと、食に関する考え方を改めないと、将来は大変なことになるということがわかります。そもそも農薬よりも化学肥料の方がまずいということもわかりました。でもそうしたことはすべて、産業界や関係省庁などが組んで危険でも構わないからとやってきたことだったりして、そんなことを大きな声で言うこともできないし、ましてや本にして出版するなどとんでもないことなのです。
ですが、少しだけど確実に世界は変わりました。
より良い未来に変えたい人が声を上げられる世界であることを、多くの人に知ってほしい。
本を出版するのは単なる手段です。出版の目的は、自分のアクションでより良い未来をつくることに他ならない。それが自分の為であれ人の為であれ世の中の為であれ。です。

カワカミ・ヨウコさん、ご紹介ありがとうございました。

サポートする代わりに、こんな本を書いたり、こんなことをしている奴がいるよーって触れ回っていただけると助かります。