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中古車はいかが?

※本文は2005年当時の文章になります。2017年現在とは多少ニュアンスが異なる部分があるだろうこと、予めご了承ください。


 車が好きなあまり、20年(!)程、中古車ブローカーなどと言うヤクザな商売で食って来た経験から教訓をいくつか紹介しましょうかね?

 いや、買ってくれって言うんじゃありません。最近では古い馴染みのお客さんの注文に細々と応えているだけですから。

 中古車と言うのは、工場から出て来て誰かの名義で登録された車です。
 良く新古車なんていいますが、あれも要するに登録はしてあるので商品車的には中古車です。強いて言えば限りなく新車に近い中古車ですね。プレミアムでも付いている車でない限り、新車から諸経費分抜いたくらいは安いのが一般的ですが、あんまり流通しているもんでもないし、タイミングがありますから、いつでもあるってもんでもありません。

 さて、新車しか買わないって人はともかく中古車を選ぶ時どうします? 何買っていいかわからない? まぁ、たまにそう言うお客さんもいます。
 でも、目的と予算はありますよね? 普通。
 この辺の部分は新車も中古車も変わらないはずです。問題は中古車は使われた機械なので、個々に程度が違うって所ですね。年式、色、装備、走行距離、事故・修復歴等々、さらに人気の有る無しで相場が決まってくるので、なにがなんだかわからないなんて事にもなりかねませんね。

どうしましょう?

 中古車屋の店頭には、きれいに磨かれた車が並んでいて、それぞれに値段のついた札がフロントガラス越しに見えますね。どれも良さそう。だけど事故やってないかな? どんな使われかたしたんだろう? さっぱりわかりませんね。実際、磨き屋に出してルームクリーニングの業者の手が入ったら、きれい汚いと言うのは素人さんにはわかりません。だってその為に業者にお金払って仕上げるんですからね。

 さあ、困りましたね・・・・

 まず車探す時は、目的を先に決めましょう。
 何人乗るのか? 走るのは主に一般道路か高速道路か? 雪の降る田舎に良く帰るとか、逆に良い道しかほとんど走らないとか。
 自分の使用目的を考えて想像すると、具体的な車種が見えて来ます。これ無しで車選びなんて出来ないと思った方がいいし、迷いも減ります。うっかり買ってから目的に合っていなかったなんて事も少ないでしょう。
 次が予算です。
 車と言うのは結構なお金がかかります。税金、燃料、オイル他消耗品、駐車場も借りなきゃならないかも知れないし、保険も入れなきゃ。それに車検と言うのもありますね。ローンを組む時はその辺も考えないと苦しくなります。特に中古車は壊れる可能性もありますから、ある程度の修理代も見込んでおいた方がいいですね。

 さあ、車種も予算もある程度決まったとして、どこに買いに行きましょうか?
 私は自分の車も、オークションに出かけて行って、自分で下見して競り落として来ます(笑)
 え? そう言うわけにはいかないって?
 まあ、あそこは素人さんお断りですから、普通は店頭で買うかヤフオク等の個人売買になりますよね。
 そうすると、一応プロに言わせてもらえば、ディーラー系の中古車店から購入するのが一番リスクが少ないと思います。
 その理由は、中古車でも一応一定範囲の保証をつけてくれますし、ディーラーの看板を背負っているので、あまりいい加減な車は置いていません。車もディーラーの下取り等が入ってくるし、程度の悪い車や事故車はオークションで売っぱらうので、自然と良質な車ばかりになるんですね。ただし多少割高になります。というのも最低限の整備がされていて、保証まで付けなければならないので、当然価格に乗って来ます。
 それ以外の場所で買うとなると、ちょっと難しくなります。
 カーセンサーやGoo等の中古車情報紙を見ると、たくさんの車が載っていますね?
 同じ車種年式なのに、ずいぶん価格に差があるのですが、経験的に安いものは安いなりの機械です。
 後はどうするかと言うと、これはもうとにかく数を見てください。何台も何台も。見る量に比例して目が肥えて来て、その差がわかるようになるはずです。いい車を買いたいと思ったら、本気で見て回ってください。
 じゃあ、どこを見るかって?
 少しだけ(笑)ご教授しましょう。
 雨の日は避けてくださいね。濡れてると塗装やボディーの欠陥がわからなくなります。なるべく天気のいい日に見に行ってください。
 まずは車の周り一周回って見てください。パネルに波がないか、パネルの合わせ面がずれてないか、各パネルの色は同じか、一部塗装がぼけていないか、前後から見て車が歪んでいないか、傾いていないか。おかしい車は何となく変なたたずまいなんでわかります。まじで。
 今度は内装のチェックですね。
 まず匂いね。臭いと思ったらやめましょう(笑)意外と多いんだ。
 切れ破れほつれ、一応全部見ましょう。ペダルのゴムが異様に減っているのは、走行距離と照らし合わせてみて、減りすぎている場合はメーター巻いてるかも?(いや、最近は少なくなってると思います)
 ざっと見て悪くないと判断したら、エンジンをかけさせてもらって、動かせる装備品は一通り動かしてみます。正常に動作するかどうかの確認はもちろんですが、音を聞いてください。エアコンのブロアモーターはうなっていないか? パワステのポンプから音は出ていないか? ハンドルも切ってみましょうね。ハンドル切る時にやたらと音が大きいと思ったら、パワステポンプがへたってるかも。
 そろそろ、ボンネットを開けてエンジンルームも見てみましょう。
 変な音は出ていないか? オイルの滲みはどうか? 出来るだけわかる範囲で見ましょう。
 この際に、フェンダーとボンネットを留めているネジの頭も見ましょう。外してると塗料が禿げてたりするから(笑)
 トランクも開けて、水が溜まっていないか、パネルの接合部は全部同じ仕上げかも見た方がいいですね。
 後は、出来れば試乗する事。
 そうそう、それからエンジン停めて、カムカバーのオイルフィラーキャップ外して裏側見て、スラッジが大量に付いているようならパスした方がいいですね。これはエンジンの輸出屋が、解体屋でエンジン見る時のテクです。

 以上、だらだら書きましたけどね、本当は店と店の人を良く観察してください。
 結局ね、そう言う話しになっちゃうんですよ。
 中古車って、中古の機械だから、完璧なんてあり得ないんです。だからその分新車より安いわけで、ちゃんと値落ち分は減ってるんですね。
 それでも、出来るだけいい車を売りたいと思って商売している業者もちゃんといます。
 その際、あんまり知ったかぶらないで、相手の言葉に注意深く耳を傾けると色々わかると思いますよ(笑)

 そうそう、それから色や装備には、あまりこだわらない事。
 中古車はあくまでも機械としての程度優先です。距離少なく、丁寧に扱われて来た車がいいですよ。出来れば点検整備記録簿が付いているものを選びましょう。
 色や装備にこだわると、なかなかいいタマに巡り会えないばかりか、目先の装備や色に惑わされて機械の程度に目がいかなくなったりするんですよね。
 それからありがちなのが、改造車。出来れば避けた方がいいです。どこをどういじったかはっきりしないし、たいていはバランスが崩れている上に荒く乗られている可能性が高いです。部品が付いていて割安とか考えない方が無難ですけど、そういうの逝っちゃう強者も否定しません(笑)あくまでも一般論ってことで。

 さて、少しは参考になったでしょうか?
 ほんとうはもっともっと見るべき所もあるんですが、切りがないし経験が大きいんですよね。
 以前、オークション会場で車が競り場に入って来た瞬間に事故車だとわかるようになってましたから(笑)

 ちなみに、オークションでは、一台一台の車に対して、かなり細かい検査が行われていて、それらは出品表に事細かに記載されています。修復歴の有る無しや、エアコンの不具合、パネルの凹凸等々。なので、我々は割と安心して買うことが出来るんですけど、それでも買った直後に壊れる事だってありますからね。
 一応は、私もお客さんには予算の範囲で、出来るだけいい車納めるようにやってきました。顧客のほとんどは友人やその友人、知人の紹介等だったので、いい加減な仕事は、即自分に跳ね返って来ますから、そりゃ真剣でした。
 手間は15〜30万くらいの範囲でもらうんですが、先に予算が決まってるんで、引っ張った車が予想外に整備に金がかかったりすると自腹になるんですね。厳しい時もあったなあ ( ̄▽ ̄υ)アセ...(笑)

 最後に中古車を買う心構えなんですけど、あんまり期待しない。中古だからそれなり。だから新車より安く買えるんだ。そう思う事が幸せでいられる秘訣です。

 ん? 中古車屋の言い訳だって?

 そうかもしれませんね(笑)



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