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荒石 誠
2017年12月24日 23:04
バーのカウンター越し、大きなウインドーの向こうに、まるで夜空の星を敷き詰めたように東京の夜景が広がっている。 クリスマスイブの夜、街の明かりはどことなく華やいで見える。 高層ビルの37階にあるバーのカウンターで、私はマンハッタンのグラスを前にぽつんと一人きり。後ろのテーブルにはそれぞれにキャンドルが灯り、その明かりをはさんだ恋人達がそれぞれに囁きあっている。 それでも街の賑やかさにくら
2017年10月24日 21:54
歩道に植えられたプラタナスは、そのほとんどの葉を辺りにまき散らしていた。クリスマスを三週間後に控えた慌ただしさの中、俺は、卒業以来二十年振り、3度目の同窓会へと向かっていた。 高校時代から付き合いのある友人はそう多くない。それも声をかけられるのが殆どで、自分から誘うことなど滅多に無かった。それでもどういうわけかこういう時には必ず声がかかる。会場は築地にある小料理屋で、以前一度行ったことがあった