「トマトとたまごの炒め物殺人事件」いっぽ手前
大量のトマトを何とかするべく、トマト料理を探していたところ
「トマトとたまごの炒め物」
なるものを発見した。
食べたことは無いけど、「クラシル」にも「キューピー」にも「クックパッド」にも同じ料理があるということは、世間ではメジャーな料理なんだろう。メジャーならばハズレる確率は低いはずだ。よし、これにしてみよう。
晩御飯を作り始めるには少し早い時間だけど、下ごしらえだけしておこうと台所へ向かい、トマトを櫛切りにしてボウルに放り込む。今回のトマトは皮も固すぎないし、ぐじゅぐじゅにもなっていないし、なかなか美味しそうだ。台所中がトマトの香りに包まれる。
「これは何になるん?」
と ボウルに入れられたトマトを見た家人が、背後から質問をしてきた。トマトに気を取られていて油断していたワタシは、思わず包丁をそちらに向ける。
「ワタシの背後に立つな!」
なんてことはしないので安心してほしい。
「たまごと炒められる予定やけど?」
「へー。どんな味やろな」
「しらーん」
といつも通り適当な返しをしつつ、下ごしらえもひと段落付いたので台所を後にするワタシ。
と 家人。
おやつつまみ食いしに来たんとちゃうんかい!と思いながらも、そうツッこんでしまうとおやつの存在を思い出させてしまうので、ぐっと言葉を飲み込むワタシ。
そんなワタシを気に留めることもなく、家人は「取り扱い注意トマトやで」といいながら自らダイニングテーブルの上に置いたトマトを手に持ち、台所へ帰っていったのである。
「取り扱い注意トマト」とは、一部が傷んでいるのでそこを取り除き、かつ迅速に食べてしまわないといけないトマトの事を指していたようだ。我が家のローカルルールに、はじめて書き加えられた記念すべき日であった…。
そろそろ晩御飯の準備するか~と、重い重い腰を上げて台所に入ったワタシは、そこでボウルのトマトが増殖していることに気付く。
アイツやりやがったな…
切られてしまったものはもう仕方がない。卵の量を増やして対応するか…と思い、たまごをガンガン割っていると、またもや背後から家人に声をかけられる。
「え?そんなにたまご割るん??」
「トマト増えたからな」
食卓に並ぶトマト炒めを見て家人が一言
「めっちゃ大量やな~」
「トマト増えたからな」
料理を食べて家人が一言
「トマト多すぎへん?」
「トマト増えたからな」
下ごしらえというものは、きちんと使う分量の下処理を行うことなのだよ。トマト増やした本人がトマトが多いとか、どの口が言うてんねん!
ということを、オブラートに包んで包んでお伝えした返事がこちら ↓
分量を量ってるの見たことないけど
(ΦωΦ) 「目分量」も「量る」に入るのだよ
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