笑みがこぼれる飲食店経営を目指すSmile Free 7
私の飲食業 経験 第7弾
いつも笑みがこぼれる飲食店経営を目指す、
笑顔でお客様を包み込み温かな雰囲気があふれる店舗
その雰囲気に導かれてファンが増え続けていく
一日の営業が終わり、売上集計をすると思わず笑みがこぼれる飲食
目まぐるしく変化する飲食業界の中で、その様な飲食店経営を目指すためには
今「進化」が必要。その事を共に「考え」「共感」出来る方々に発信しています。
共に考え、共感して行く為に今回も私の事を知って頂くために経験談を続けて発信させて頂きます。
長々7回に渡り私の経験談を語らせて頂きましたが、これから「笑みがこぼれる飲食店経営」を語る上で私の事を知って頂く為にお伝えして来ました。
今回が最後です。
前回は明朗(ミョンラン)時代ホットドッグの日本展開を任されて物件探しなどの苦難の上、世田谷区下北沢に1号店、そして1か月後に2号店を立て続けに出店する経緯までお話ししました。
1号店は2019年 10月25日オープン。前日まで台風の嵐で、必要な食材がギリギリで到着するなどバタバタになっていましたが、オープン日は台風一過で晴天に恵まれ無事オープン。
しかし、売上はたったの2万円。
新大久保にてあれだけの人気のブームを巻き起こした「チーズハットグ」でしたが、大々的な告知活動もせずにオープンするとこれだけの反応しかないのかと愕然としました。長年の経験から「これはやばいぞ」と実感し、軌道に乗るまでは時間が掛かるという事を認識せざるを得ませんでした。
翌日は土曜日、駅前でソーセージベースの一番シンプルな「ミョンランホットドッグ」の100円券を配らせ、何とか集客は出来ましたが、それでも1日終わってみると売上は7万円。
それからは1日 3,4万 週末で8万~9万程度で、対策を取る事も出来ないまま私は2号店のオープン準備にかからなくてはいけない状態でした。
1号店の損益分岐点は250万円/月。平日で6万~7万 週末で12万程度を目標にしていましたが大きく下回った状態でした。
最初に開業資金として韓国本部から出資して貰ったものは半年間物件探しの間の運転資金と1号店の開業資金で底をつき、日本政策金融公庫から借り入れを起さなくてはいけない状態でもありました。
何とか1号店の開業資金と2号店の物件取得費や工事代金の一部を確保して2号店をオープン。
2号店は江戸川区瑞江駅にほぼ隣接した「ドン・キホーテ」のメインエントランスにあるテイクアウト専門の物件。駅隣接のドン・キホーテも集客も凄く、入り口付近の通行量も半端がありませんでした。施設の担当者も「この辺の若い連中は行く所がないから必ずここに来るよ。」と言う事で迷わず契約した物件でした。
オープンは2019年 12月6日。予想以上にオープン日は22万の売上。途中で生地が無くなり店を2時間ばかり閉めざるを得ない状況でした。
「これはいける、1号店が軌道に乗るまでここで稼いで持ちこたえられる」と何とか安堵し、その後も売上は1日15万を切ることなくオープン1か月で330万円を上げる成果でした。
しかし、その様に好調なスタートを切った2号店でしたが、契約まで良い話しかしなかった施設の担当者が「この物件いつも最初は調子いいんですよ。物珍しさに皆最初は来るから、突然がくんと落ちるんですよね。大丈夫かなあ」
と突然言い出すのです。あまりにも反響が大きく逆に心配になったのか、とんでもない発言でした。
1月に入り担当者が言った通り売上は平日で10万を切るまで落ち着きましたがそれでも十分に利益の出る状態でした。
それよりも問題は、2号店の最終的な工事費の残金や1号店の強気で釣り上げた家賃負担で資金が不足してあと少し借り入れが必要になりました。
区のあっせん制度を申請し金融機関を歩き回りましたがどこも「一過性の流行り物に金は出せん。」と言うような感覚で融資がおりません。どこも「総合的に判断した結果当行ではご希望に沿えない結果になりました。」と慇懃無礼な言い方での断りでしたが、業態として日本での実績が無い事が要因であったことは否めませんでした。
最後の頼みとして行った金融機関に断られて1号店に戻る途中、突然スタッフから電話が掛かって来ました。
「社長、大変です、TV局が来てます!日本テレビの火曜サプライズで、小池栄子、大泉洋が来たんで取材OKしました。今、中で撮影してます!」
やった!と小躍りで店に向かうと、黒山の人だかりになっていて、中で大泉洋さんがチーズドックを食べて「びゅーん」とチーズを伸ばしているシーンが撮られていました。
これでいける!と借入れを断られたことも忘れ期待に胸が広がる思いでした。
放映日は2,3週後の2月中旬でしたが、その翌日は平日にも関わらず売上は8万、その週の週末は13万と目標金額に近づく勢いで、2月は営業日数が1月に比べ少ないのにもかかわらず20%アップでした。
不足していた資金も何とか韓国の本部が融通してくれ何とか乗り切ることが出来ました。
3月に入っても1号店の売上は伸び続けました。その時はもうコロナが「ダイアモンドプリンセス号」から集団感染して問題視されていたにも関わらず。
若い人たちにはまだ無影響は薄く、3月中旬までは売上は伸び続けました。
しかし3月中ごろから影響が出始め、とうとう4月7日に緊急事態宣言が発令され、1号店の周辺は閑古鳥が鳴くかの如く人通りが全くなくなってしまいました。スタッフも感染が怖いからと言って出勤を拒むようになりました。
2号店は影響が少なかったもののやはり売上は下降傾向に向かっていました。
仕方なく、1号店は私一人で営業時間を13時から~18時と短縮し営業し、2号店はスタッフに任せて行う事になりました。
4月は月商で1号店は24万、2号店も130万まで落ち込みました。
UberEatsなどのデリバリーは当初オペレーションが崩れると言う理由で控えていましたが急遽申請、しかし「Uber」は3か月待ち、なんとか「Menu」だけを申請しすぐ実施できましたが、1日1件ほどで大きな効果は無く、全く売上は足りませんでした。
持続化給付金、家賃支援給付金も条件を見たさず2020年 12月まで待たなくてはいけませんでした。
法人としては私が2009年に設立したコンサル会社に増資して設立したため2019年は4月~10月までは殆どオープン準備の為売上が無い状態でしたので前年比の売り上げ落ち込み条件を満たさず申請が出来なかったのです。
仕方なく緊急融資で日本政策金融公庫から通過融資を受けて何とかつないだ形になりました。
その後少しずつ売上は回復して行きましたが、1号店のスタッフが辞めてしまった為2号店を任せていた店長を1号店に移動させ2号店はアルバイトだけで営業させましたが、これが裏目に出て2号店の売上がどんどん落ち込み、維持が難しくなっていきました。2号店も赤字転落寸前まで行きました。そんな状況で2店舗を維持するのが難しくなり、かねてからフランチャイズ加盟を望んで2号店目を譲ってくれと言っていた企業に売却せざるを得ない状況で、2号店は手放したのです。
そして、借り入れた金額と2号店を売却した資金、そして8月からUberEatsを開始しなんとか2020年はなんとか乗り切り、正式に条件を満たす12月を終えて2021年1月早々に持続化給付金と、家賃支援給付金を申請し入金を待つ事になるのです。
1月10日の給料支払い前に通帳には30万円程しか残っていませんでした。高い家賃の為に毎月当時の売上では1号店は100万以上の赤字でした。融資も売却資金もほぼ2020年 12月には底をついた形でした。
「やばいな、給料払えない」と金融ローンのATMで借入をしようと手続きまで考えましたが、ATMでは手続きが複雑でその日は諦めました。
次の日売上入金して通帳を見た所、なんか残金の桁が違っている様な気がしました。確か30万しか残っていなかったはずが300万以上の金額になっていました。目を疑い何回も通帳を見直しましたが、給付金が入金されていたのです。
万歳三唱です。昨年消費税が10%になり家賃負担がより大きくなり、国を恨んでいましたがこの時ばかりは感謝、感謝でした。
条件を満たしてすかさず申請した甲斐あり何とか給料を後らす事なく払うことが出来、その数日後に家賃支援給付金も入り一旦資金繰りを安定させることが出来たのです。
コロナ禍で困難はありましたが2021年、2022年の途中まで協力金もあり、そして色々な対策を立てて売上は伸びて行きました。
まずは、徹底してクォリティーを維持する事。生地の発酵具合、丁寧な温度管理と調理作業、お客様の中には「新大久保で食べるくそみたいなチーズハットグより100倍美味しい」と評価する人もいるほどでした。
そしてデリバリーが好調だったこと。巣籠需要に乗った事もありましたが
デリバリー用の3本セットや5本セットが受けてデリバリーが売上の1/3を占めるほどになり、その分売上が上乗せできたのです。1週間に1回は決まった商品を頼む人、1日に2回頼んでくれた人などのリピーターが増え、点数は常に5点満点の4.6から4.7。UberEatsの東京都の注文数上位にもランクされました。
圧巻だったのは20代の女性に圧倒的な人気のあるYoutuberが「ミュンランホットドッグ美味しいからしいから食べて見て」と頼みもせずに宣伝してくれて1日73件の注文が入った事もありました。当日はなぜこんなに注文が入るのかと不思議でしたが、後日アルバイトの子がそのYoutubeを見つけて報告して貰いわかったのです。
そしてインスタグラムやGoogleMapにこまめに画像を上げて、時に予算を掛けて広告を打ったりとした結果、インスタグラムのフォロワーは770まで伸びリピーターも増えていく形になって行きました。
そして、チーズハットグだけでなく、「韓国チキン」「トッポギ」などその後話題になった韓国メニューを自家開発し、それをセットにしたデリバリー商品も導入しその分の売上を上乗せする事が出来る様になりました。
月商は110万程でスタートした下北沢の1号店ですが、その結果売上は200万まで伸び、第1目標のであった月商坪15万以上の売上(一般的に繁盛店の入り口の売上)を達成する事が出来ました。そこに協力金が載るので2021年、2022年の上半期までは何とか黒字体制で行くことが出来ました。しかし、2021年 6月からは借り入れの返済が始まった事と猶予して貰っていた社会保険などの返済が重なり資金繰りは楽ではありませんでした。 協力金が入らなくなったらどうなるか、それまでに自力で利益の出る250万まで何とか達成しなくてはと焦りが出始めました。
その為に、デリバリーでもう一業態ゴーストレストラン方式でやる為に、以前の経験からビビンバとスンドゥブ業態の導入を考え商品開発し、デリバリー用の写真も撮り準備しましたが、人手とオペレーションの難易度からスタッフの協力が得られず保留状態に、また、夜のイートインスペースを貸し切りで女子会パーティー企画をコロナ終了と共に企画しましたが同様に実施がなかなかできず構想だけで進まずにいました。
結果2022年の9月以降は協力金が入らず、売上も伸びつつも高い家賃と返済負担で資金繰りが難しくなりました。 コロナ禍で自国の対応に追われて殆どお構いなしの状態であった本部からもやっと目を向けて貰う時期が来ましたが、情勢の変化からこれ以上無理して日本の展開はする事はできないと言う通達を受け撤退する事を告げられたのです。
そして、2023年 2月いっぱいで撤退する事になります。 最後の2月下北沢のイベントにコラボし自力で220万の最高売上を上げたのですが惜しくも撤退を余儀なくされたのです。 手ごたえとしてはリピーターも増えつつ、反応も良くなって来たのですが私が無理して高い家賃で契約した事と、コロナで追加の融資を受けた事が結果敗因となったのです。
会社は現在破産清算申請中で8月には結果が出る状況です。
齢59歳から63歳までの実質的な経営者として挑戦し、現場で悪戦苦闘した実業の4年間でしたが、多くの学びのあった4年間でした。
学びとは 立地選定と商圏分析の大切さ
売上UP・集客のポイント
資金繰りの大切さ
そして、何よりも支えてくれたスタッフ、人の大切さ
皆、笑顔で楽しくお客様に接してくれ、お褒めの言葉をインスタグラムで頂くスタッフも多く、人に関するクレームは一つもありませんでした。
苦しくとも、やりがいのあった日々でした。 何よりも、利用してくれたお客様が「美味しい」と笑顔になってくれた事が成果でした。
美味しいものは人を明るく、朗らかにする!
明朗(ミョンラン)ホットドッグのオープン当初掲げたミッション
が達成できたからです。
しかし、経営としては失敗でした。
・業態を過大評価した事
・商圏状況に対しての分析が不足し強気で交わした家賃契約の失敗
・反対はあっても会社を存続させるために必要な事を押し切る経営者としての果敢さ、等等!
後の祭りですが、教訓として学んだことです。 私はここに来て、今まで7回に渡って語ってきた経験から何とか日々飲食の現場で頑張っている人達と「未来」を共有し語り合って行きたいと思っています。
次回からは、これらの経験を生かし、「笑みがこぼれる飲食店経営Smile Free」を目指すために必要な事を発信して行きたいと思っています。
引き続きよろしくお願い致します。
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